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小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」は24日、女性天皇と、その子供の女系にも皇位の継承を認めることなどを盛り込んだ最終報告書をまとめ、小泉首相に提出した。
吉川座長は「現実の制度として通用する制度を作ったつもりだ。ただちに実行して欲しい」と述べ、長子優先は愛子さまの次世代からを想定しているとした朝日新聞の報道は否定した。 小泉首相は「大変、意義深い報告だと思っています。この報告を受けて、来年の通常国会に法案を提出するよう準備を進めていかなきゃならないと思っています」と述べた。 ページ数にして78ページの報告書であるが、その大半は参考資料となっているため、読むのにそれほど時間のかかるものではなかった。気になる点を幾つか挙げてみたい。
男系を維持することについては、“(補論)”と括弧に括られた「旧皇族の皇籍復帰等の方策」に有識者会議の考えが述べられているが、旧皇族が既に60年近く一般国民として過ごしていること、今上天皇とは遠い血筋の方々であること、これまでの歴史の中で極めて異例なことなどから、「採用することは極めて困難である」と、あっさり否定している。 参考資料の「旧皇族」では、昭和22年の皇籍離脱についての説明が不十分であり、「離脱なさる宮様方につきましても、これまでの皇室典範からいって皇位継承権を持っておられるのでございますから、皇族を下られるにつきましても、宮内省としては全力をつくして充分な生活費をお与えし、品位を保つだけの費用は用意いたすつもりです」「万が一にも皇位を継ぐべきときが来るかもしれないとの御自覚の下で身をお慎しみになっていただきたい」という加藤進宮内次官の発言などは検討されるどころか、資料として含まれていない。 ところが、異例どころか前例のない女系については、「長い歴史や伝統を背景とする天皇の制度と、一般社会における家族観や男女の役割分担についての意識とを直ちに結び付けることはできない」としながらも、「女性の社会進出についての意識の変化」や「各分野における女性の割合」などの世論調査を参考資料として駆使し、女性と女系を同列にして、こちらはあっさりと肯定しているのである。 参考資料「歴代の女性天皇」では、歴代の女性天皇が即位した経緯について「一括りにすることは必ずしもできない」としているが、女性天皇がいずれも寡婦または未婚であったこと、女性天皇だけ重祚の例があることなど、検討すべきと思われる点については触れていない。 皇位継承順位については、お代替わりにより従前の継承順位が変動するなど複雑な制度となるため好ましくないとして、「長子優先」または「兄弟姉妹間男子優先」が望ましいとしている。さらに、「兄弟姉妹間男子優先」は不安定な期間が相当程度継続することがあり得ることなどから、「長子優先」の制度が適当であると結論づけている。この報告書をもとに皇室典範が改正された場合の継承順位の変動についての配慮、言及などはされていない。 女性天皇の配偶者の名称については「専門知識を有する有識者の(!)知見も得て、適切な名称を定める必要がある」として決定しておらず、敬称については「陛下」としているが、これについては、外国の王の配偶者の敬称として男帝の王妃を「陛下」、女帝の王配を「殿下」と称する国際的慣行と齟齬を来すのではないかと「神社新報」などがすでに指摘している。 「天皇の制度は、古代以来の長い歴史を有するものであり、その見方も個人の歴史観や国家観により一様ではない。我々は、与えられた課題の重みを深く受け止め、真摯に問題を分析し、様々な観点から論点を整理するとともに、それらを国民の前に明らかにし、世論の動向を見ながら、慎重に検討を進めるよう努めた」とする有識者会議であるが、参考資料を除けば20ページの報告書から窺える彼らの歴史観や国家観、これまでの会議の進め方、国民への説明から、はたして「ただちに実行」できる内容であると言えるのか、読売新聞の社説子のようには納得することができない。 |

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ほんとに納得できません!もっとじっくりとゆっくり判断すべきことじゃないでしょうか?この問題にどれくらいの人が危機感を思ってるんでしょうか??けっこう、日本という国の一大事だと思いますが・・・
2005/11/25(金) 午前 10:57
「国柄」に関わることですからね。しかし、吉川座長は「価値判断はしていない。男系維持が可能かどうかを検討し無理と判断した」と述べているようです。男系継承が不可能であるというわけではないのですから、いかに維持できるかを考えるのが先かと思うのですが。所謂男女平等や世論調査、欧州の王室などによって女系を容認するとしているのではないと何度も会見で述べてきたのに、肝心の報告書では女系容認の論を補強するかたちで参考資料として利用している。わけわからん。
2005/11/25(金) 午前 11:45 [ teikokubungaku ]
お久し振りです。私は、怒られてしまうかもしれませんが女系容認派です。旧宮家を皇族復帰させても、後継者がいないという根本的な解決になっておらず、その場しのぎという印象だからです。ましてや旧宮家の方を皇族復帰させて天皇となっていただいたものの、結局皇位継承者がいないという事態になってしまっては、女系とは言い出しにくくなってしまうのではないでしょうか。そのときこそ皇室が断絶してしまうときです。皇室が断絶してしまうよりは、女系を容認したいです。
2005/11/25(金) 午後 10:00 [ K・O ]
K・Oさん、こんばんは。怒りませんよ。明治の頃もそこが議論されて、明治19年頃の「宮内省立案第一稿皇室制規」では、男系が尽きた場合は女系を以て継承すべきと規定されたりしていますが、僕は基本的にこの線なんですよね。もちろん、十一宮家が復帰しても皇位継承者の不足に悩まされることは否定しません。ただ、いま女系を容認することについて、われわれがどれだけその重大性を認識し、話し合っているのかといえば、有識者会議のそれが不十分であるという指摘も否定できないのではないかと思います。
2005/11/26(土) 午前 2:46 [ teikokubungaku ]
K・Oさんのように、「皇統が断絶してしまうよりは」という考え方で女系を容認することに、理解がないわけではありません。ただ、これを機会に皇室を廃止する勢力があるわけですから、それにも目を向けねばなりませんし、南北朝のように分裂してしまう危惧もありますし、いずれにせよ、まだまだ時間が必要ではないか、これまで男系を維持してきた「国民」、われわれがバトンタッチするつぎの「国民」、その「国民」の代表として胸を張って決断するには拙速すぎやしないか。そんな風に思っています。
2005/11/26(土) 午前 2:48 [ teikokubungaku ]
いつも訪問ありがとうございます。トラックバックさせて頂きましたm(__)m
2005/11/26(土) 午後 7:33 [ 和と武 ]