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日本とは、日本人とは

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Mirror for Americans: JAPAN
占領が終わらなければ、日本人は、この本を日本語で読むことはできない。
(ダグラス・マッカーサー、1949年8月6日付書簡)

1948(昭和23)年、ヘレン・ミアーズ著『Mirror for Americans: JAPAN』はアメリカで出版された。占領下の日本では、GHQにより同書の翻訳出版が禁止され、占領が終了した1953(昭和28)年、邦題『アメリカの反省』(原百代訳)は、ようやく出版されることとなった。そして1995(平成7)年、『アメリカの鏡・日本』(伊藤延司訳)が出版されると、同書は大きな反響を呼ぶこととなる。
東洋学の研究者であり、日本や支那での滞在経験のあるミアーズは、1946(昭和21)年、GHQに設置された労働局諮問委員会のメンバーとして来日し、労働基本法の策定に参加。アメリカに帰国した後、同書を書き上げたのだった。

1946年、アメリカ人は日本人の生殺与奪の権を握り、日々決定を下している。その決定は何世紀にもわたって、間違いなく日本の発展を左右するものである。アジアの発展にもかかわるものである。
ところが、これほどの強権に備えて、私たちが十分な用意をしてきたとはいえなのである。
アメリカ人が日本社会を「改革」する能力をもっていて「われわれが考える」ように日本を変えるというなら、私たちがどういう日本を考えているのか、だけでなく、日本はどうであったかも明確かつ具体的に知っていなければならない。

ミアーズは、国際情勢の変化と国際法、日本経済、日本の歴史、文化、伝統を具体的かつ公平に分析し、「いったい私たちは公正な裁判官を自任できるほど潔白で聡明なのか」、「日本人は本当に世界征服の野望を抱く野蛮で侵略的な民族なのか」といった疑問を明快な論理で解き明かしていく。ミアーズは「日本を『改革』しようとしている私たちが裁いているのは、日本人ではなく私たち自身なのだ」と断言し、占領政策の矛盾をつくのだった。

改革はむしろ西洋化された日本、1853年以来発展してきた制度を対象にしているのだ。この制度は、今日、日本の伝統的侵略性を非難している欧米諸国が、初めて日本を「占領、改革」した結果として、できあがったものなのだ。

さらにミアーズは、新渡戸稲造の次の言葉を引用し、韓国併合、満州事変、そして支那事変における、アメリカの二重基準を厳しく指摘する。

私たちはアメリカから多くのこと、とくに、隣接地域の不安定政権にどう対処するかを学んできた。そして、学んだことを実行すると、先生から激しく叱られるのである。

東京裁判の判決が下された1948(昭和23)年という時期に、GHQの内部の情報に直接触れた人物が、冷静でありながらも痛烈に母国であるアメリカに反省を促す同書は、我々に過去だけではなく、現在、さらには未来を考えさせる一冊である。そして、戦後の一方的な歴史観、価値観を打ち破る一冊、「私たちの鏡・日本」なのである。


閉じる コメント(8)

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この間の郵政民営化法案の衆議院通過を見ると、日本人自身で改革は出来ないと思います。 残念ながら、ぺりーやマッカサーのような外圧がないと、日本を変える事が出来ないと思います。

2005/7/12(火) 午前 7:08 [ 川崎原住民 ]

「戦後の一方的な歴史観、価値観を打ち破る一冊、「私たちの鏡・日本」なのである。」まさにその通りですね。日本の歴史教科書問題に対して日本人は韓国や中国が外交の武器として文句を言っているだけ(そういう一面もあるが)と思って自分たちが受けてきた教育を完全に信頼しているが、そうとも言い切れないと真に感じる1冊です。歴史の複雑性がもたらす問題は根が深く解決の糸口が見えないように思う・・・

2005/7/12(火) 午前 10:14 [ kok*ro*ubar* ]

ずいぶん前になりますが、私もこの本を読みました。その分析は実に論理的です。もっと多くに日本人、特に教師に読んでもらいたい本の一つと言える。

2005/7/12(火) 午後 3:48 [ - ]

この本の存在はずいぶん前から知っていたのですが、入手困難でこれまで読むことが出来ませんでした。今回、「新版」として出版されることになり、“日本のヘレン・ミアーズ”櫻井よしこさんの帯のついた同書を書店で見つけたときには飛び上がるほど嬉しかったです。近所の中学校にクラス分を寄贈したいほど、名著であると思います。

2005/7/12(火) 午後 4:48 [ teikokubungaku ]

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私も新版を読みました。この本のように米国内では言論に対し一定のフェアネスがあるにも関わらず、日本においては「自虐史観」オンリーであるところに日本の知識人たちの浅薄さ、醜悪さを改めて感じました。

2005/7/15(金) 午前 9:34 咆月狼

近所の中学校にクラス分を寄贈したいほど、名著であると思います。 ・・・teikokuさんの思いが伝わってきました!是非、読んでみたいですね!

2005/7/15(金) 午前 10:09 [ - ]

咆月狼さん、こんにちは。その点はアメリカに見習うところがありますね。

2005/7/15(金) 午前 10:24 [ teikokubungaku ]

mmmmhoママさん、コメントありがとうございます。でも、子どもたちが先生の教えることとあまりにも違うので、迷っちゃいますかね。ただ、いろいろな視点から物事を見るということを理解できるかと思いますが。「アメリカの鏡・日本」は値段が高いから、中条高徳著「おじいちゃん戦争のことを教えて」を寄贈するほうが現実的かなあ。

2005/7/15(金) 午前 10:55 [ teikokubungaku ]


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