|
小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」は5日、女性にも皇位の継承を認めた場合の皇族の範囲について、結婚後も皇族にとどまり、その配偶者や子孫も皇族に位置づけるべきだという認識で一致した。
会議後の記者会見で吉川弘之座長は「これまで、ひととおりの議論を行い、委員の間で問題点は共有できた。次回の会議から意見の集約に入る。数回の話し合いの後にはとりまとめたい」と述べ、11月末をめどに報告書をまとめる予定だ。 一方で、男系男子による継承を主張する小堀桂一郎東大名誉教授、百地章日大教授、八木秀次高崎経済大助教授らが結成した「皇室典範問題研究会」は6日、「男系継承の皇室の伝統を維持するために旧皇族の復帰を検討するべきであり、政府や関係機関は安直な姿勢を正すべきである」とする声明を発表した。 朝日新聞によると、吉川座長は「私たちは国民の代表という意識で議論してきたし、中間報告も公表した。改めて国民の意見を聴くことは考えていない」と述べ、政府高官も皇室典範改正案を来年の通常国会に提出するとし、「与党との調整の場は設けないし、政治家に介入させない」と語っているという。 今年の1月25日から昨日までで計13回、わずか30時間ほどの会合である。8月にはインターネットを通じて国民から意見を募集する予定としながら、結局は首相官邸のサイトに常設されている「ご意見募集」からしか意見を受け付けず、そのくせ「わずか20通ほどしか反応は寄せられていない」と開き直り、なにが「改めて国民の意見を聴くことは考えていない」だ。 第6回会合で識者として招かれた大原康男氏が述べた意見の一部を抜粋する。 もう一度皆様方にも正しく認識していただければと、かように考えるわけでございます。
次に、各紙の世論調査では70%、80%が女性天皇を支持するといわれていますが、そのような世論調査に出ております一般国民の考え方の中味はいかようでございましょうか。恐らく、過去にも女帝がおられた、あるいは男女平等論の見地から、あるいは外国にもあるからいいではないか、あるいはあのかわいい愛子様を女性天皇にといったような感覚で、このような高率の支持があるように私は受けとめるわけです。 そのようなことですので、こうした世論調査を受けた方々は、女系を採用するということに対する認識がどこまであるのか、大変疑わしい。そのあたりのことが次第にわかっていきますと、支持率もまた変わってくるのではないかと思います。 更に一部の女系容認論の中には、実は女系を採用することによって皇室の正統性が壊れる。これこそが皇統断絶のためのチャンスである。そのための有効な一打となるという、天皇制廃止論の考え方が一部にあるということ。これはどなたとは申しませんが、そういう考え方があること自体も御認識を深めていただきたいと思うわけでございます。 少なくとも2000年もの皇位継承の歴史というものをやはりきちんと踏まえていただきたい。そのことは重々御承知であろうと私は存じておりますが、あえてここで重ねて申し上げたい。それは、過去の皇位継承の危機に対して、我々の父祖たちは大変苦労しながらさまざまな方策を講じてきました。その父祖たちに対する大きな責任が我々にあるわけでございます。 そして、責任は更に子孫に対してもあります。先ほど言いましたように、女系をそのまま容認するといういまだかつてないことは、この父祖に対する責任、そして子孫に対する責任を考えますと、そう簡単に決めてよいものであろうか。 事柄は、安易に拙速に決定すべきことではございません。そして、深刻な対立点を残したままで結論を急ぐべきではない。ましてや今秋までに報告書をおまとめになって、来年の通常国会で法改正を行うというようなことは、私は大きな危惧と強い不満を覚えるところでございます。 先生方には、そうした重大な責任をお持ちでございます。過去、我々の父祖たちがさまざまな危機を乗り越えてきた輝かしい実績があります。それぞれの時代の人々が叡智を出し合って切り抜け、そして落ちつくべきところに落ちついてきたということが、これから先、現在の皇統の危機につきましても私は可能であろうと確信しています。 その意味では、何度も繰り返しますけれども、父祖に対する重大な責任、子孫に対する重大な責任を踏まえた上で慎重に御検討をしていただきたいと切に思う次第でございます。 吉川座長は、父祖に対する責任、そして子孫に対する責任をもって、自らを「国民の代表」と認識しているのか。
軽い気持ちで引き受けた人が複数いたとされる「有識者」が、たった30時間話し合っただけで結論が出されるほど、簡単な問題なのか。 「皇室典範問題研究会」などの問題提起が国民に広く伝わることを期待したい。 |

- >
- 政治
- >
- 政界と政治活動
- >
- その他政界と政治活動






