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埼玉県の上田清司知事は22日、小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が皇位継承資格を女系に拡大する方針で最終報告を取りまとめることについて、「天皇制を最終的になくしたいという意図を持ってやっているのではないか」と批判した。
上田知事は「皇室は一般の家庭と異なった歩みをしてきた文化と歴史があり、そういう議論がなされず結論を出すなら由々しきことだ。二千年の歴史を踏まえた議論をしなくてはいけないのに、何カ月、一年間の議論で片が付くはずがない」と指摘し、「委員に歴史と文化の造詣がない方が多すぎる。本当に有識者なのかよく分からない」と疑問を投げかけた。 誰が反対したから賛成したから、というスタンスであまり論じるべきことではないと思うので、まあこういう声もあるという紹介と、自分自身の備忘録として上田氏の発言を取り上げた。 さて、産経新聞の23日付社説は、「皇室典範 国会の前に幅広い意見を」というタイトルで、次のように述べている。 「日本の天皇は125代にわたり一貫して男系、つまり父親の系統という唯一の原則によって継承され、このことにより天皇は特別な存在として、畏敬されてきた」
「答申は、この長い間受け継がれてきた原則を一気に変えてしまうことになる。将来、天皇に対する国民の敬愛の念が薄れ、日本という国家のありようを危うくすることになりはしないかと危惧する。『時代の流れ』ではすまされない」 「問題は有識者会議がそうした男系の意味や日本の伝統を顧みず、そのことを国民に問いかけることもなく『安定した継承の仕組み』の一点で答申を急いだことである」 「女性天皇と女系天皇の違いひとつとっても国民がどこまで正確に認識しているだろうか」 「男系、女系の問題については国民にわかりやすく説明したうえで意見を求めてもらいたい。一年や二年で結論を急ぐべき問題ではないからだ」 一方、毎日新聞の22日付社説では、「長子継承案 国民の合意形成に努力を」というタイトルで、次のようにこの問題を論じている。 「女性天皇を認めれば、女子の皇族は多いので天皇制も安定し、継承問題の悩みも解消する。有識者会議としては時代を反映させた自然な結論と言ってもいい」
「日本は戦後、『平和』や『豊かさ』とともに『男女平等』の目標を掲げてきた。こうした価値はすでに国民の間に定着しているから、女性・女系天皇を認めないと、国民との間に理念の隔たりを生むことになろう」 「有識者会議が昨年12月に発足後、新聞各紙が世論調査を実施したが、毎日新聞の今年2月の調査では女性天皇に賛成が87%だった。他の調査でも80%を上回る支持が明らかになっている。皇室制度は国民多数の支持がなければ安定しないが、女性天皇は国民の賛同を得られているといえよう」 「継承順位について欧州各国の事情をみると、長子の王位継承を定めているのはスウェーデン、ベルギー、ノルウェー、オランダだ。スペイン王室では現在、王位の継承は兄弟姉妹間で「男子優先」となっているが、皇太子妃が先月末、第1子の女児を出産すると、性別に関係なく長子が王位を継承出来るように憲法を改正すべきだ、との議論が起きている」 「皇位継承のあり方は、天皇制の本質にかかわることだ。戦後の天皇の人間宣言の際や、新憲法制定に際して国民的な議論をしておくべきだったかもしれない」 毎日新聞は、問題の本質をおそらく理解していながら、あえて「女性」と「女系」を混同し、有識者会議ですら男女平等や欧州の王室とは別の問題であるとして議論を進めていることを無視し、また「年頭、国運振興ノ詔書」を歪曲したかたちで利用し、世論をミスリードしようとしているのではないか、そんな感想を持つ。
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