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戦後、皇籍離脱された旧皇族竹田家の竹田恒泰氏は、産経新聞のインタビューに答え、「例えば、世界最古の木造建築である法隆寺をなぜ守らなければならないか。老朽化したからといって鉄筋コンクリートで建て替えたら法隆寺ではなくなる。時代とともに変わっていくものもあるが、男系継承は絶対に変えてはいけない。皇族の役割は皇統の担保と天皇のサポートにある」と述べ、男系継承の重要性をあらためて強調した。
「皇室典範に関する有識者会議」の報告書に関連した月刊誌の特集について、今回は『諸君!』1月号に掲載された、藤原政彦、高橋紘、原武史、木村治美、福田逸、笠原英彦、工藤美代子、篠沢秀夫、久世光彦の各氏による「女系容認・長子優先は皇統断絶への一里塚?」の中から、気になるものをいくつか取り上げてみたいと思う。
まずは、藤原政彦氏の「世にも恐ろしいことを」である。藤原氏は「私が憮然呆然憤然となるのは、実は有識者会議よりもむしろこの国民に対してである」として、「歴史や伝統というものの価値やその圧倒的重さにまったく無頓着なくせに、国体を揺るがすような判断を無邪気になす国民」が「最大の頭痛の種」だとしている。 「無頓着」と「無邪気」、確かにこれが最も手強い相手なのかもしれない。そんな「無頓着」と「無邪気」の代表であるテレビで最近よく見かける顔が、静岡福祉大学教授の高橋紘氏である。 高橋氏は、「しなやかに対応を」というタイトルで、有識者会議の報告書に賛成の意見を述べているが、相変わらず「女性」と「女系」を意図的に、“しなやかに”混同させ、「8割以上が女性天皇で良いという世論の声をどう考えるのだろう」というお決まりの台詞を披露する。もし、世論調査の結果が大きく変わった場合、高橋氏は“しなやかに”自分の意見を曲げるつもりでいるのだろうか。 福田逸氏の「国柄を失ふことに・・・・・・」は、参政権もなければ戸籍もない皇室について論じるのに、男女平等だけを当て嵌めていることに問題があると指摘。「国家は文化・伝統の破壊によつても滅びることを忘れてはならない」と警鐘を鳴らす。 笠原英彦氏の「課題は山積したまま」は、女性皇族の配偶者の問題など「依然課題が山積していることも否定できない」としながら、有識者会議については「最終的にあらゆる可能性を議論した上で、国民の望む結論を導き出した」「多角的視点から冷静で公平な議論が進められた」といった評価をしている。 笠原氏は「旧皇族はそもそも現皇室とはおよそ600年前に分かれた伏見宮の系統に属し、戦後まもなくGHQの指令下に皇籍離脱して60年の歳月が過ぎている」として、「有識者会議が慎重に審議した結果、旧皇族の復帰を見送ったのは妥当な判断であるといえよう」としているが、有識者会議のメンバーである奥田碩氏が周囲に漏らしたとされる会議の実態からしても、決して「慎重に審議した」とは思えない。 また、「600年」ということを問題としているが、昭和22年の皇籍離脱の際、加藤進宮内次官が述べた「離脱なさる宮様方につきましても、これまでの皇室典範からいって皇位継承権を持っておられるのでございますから、皇族を下られるにつきましても、宮内省としては全力をつくして充分な生活費をお与えし、品位を保つだけの費用は用意いたすつもりです。万が一にも皇位を継ぐべきときが来るかもしれないとの御自覚の下で身をお慎しみになっていただきたい」という言葉からも、60年前にそれが問題とされていなかったことは明らかであり、500年で問題とならなかったものが、600年で問題となるという主張は筋が通らない。 いずれにせよ、まだまだ先のことなのである。旧皇族が復帰し、その子供が皇族として生まれ、さらに数十年後ということであれば、「なじみが薄い」などという心配もなくなるのではなかろうか。 |

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