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「皇室典範に関する有識者会議」が女系の皇位継承を容認する報告書を提出したことについて、共同通信社が3日、4日の両日に実施した世論調査によると、「女系天皇」について「認めてもよい」とする回答が71.9%を占め、従来の「男系を続けるべきだ」の16.1%を大きく上回っていることが明らかになった。
前回に引き続いて「皇室典範に関する有識者会議」の報告書に関連した月刊誌の特集記事について書く。 今回は『正論』1月号である。『正論』は、中川八洋氏の「天皇・皇族を皇位継承審議から排除してよいか」、11月18日に都内で開かれた「『草莽崛起』国民大会」の模様をまとめた「『皇室典範改悪阻止国民大会』で語られたこと」の2本である。 中川氏は英国の王位継承法、“法”と法律の相違を解説し、「皇位継承問題を正常に論じるには、皇室への至誠に自らの命を惜しまない和気清麻呂のような“真正の日本人”だけしか関与できないよう、その資格を厳格に検査するチェック機能を確立する必要がある」と、いつもの口調で「憲法原理主義者」を攻撃する。 「『草莽崛起』国民大会」には、記事によると1200人もの人々が集まったという。女系に反対する識者の発言を、いくつか拾ってみることにする。 となると父権社会のわが国では、皇室より民間の家名、例えば徳川家なら「徳川の天皇」となる。ちなみに女系を認める英国では女系継承の都度、チューダー朝、スチュアート朝と王朝名が変わった。わが国でも王朝をつくり挙げようというのか。
(百地章氏) たびたび王朝が変わった中国、韓国と異なり日本の天皇は歴史に一貫性がある。天皇家は安全装置であり、国に安定をもたらしてきた。日本民族の英知が受け継いできた貴重な宝なのだ。
(加瀬英明氏) 女性天皇を容認して愛子さまが後継者であられると決せられて恐らく10年、15年はさしたることなく時間が流れていくだろう。問題はかなり先の話なのだ。30年ぐらい経ったとき問題が起こる。「天皇制はもう終わった」「贋ものだ」「人権侵害と差別の象徴である天皇制そのものを廃棄しよう」。皇室はそのとき左右の勢力からはさみ打ちに合うだろう。私はそのことを一番憂慮する。
(西尾幹二氏) 典範の解説書とも言える『皇室典範義解』には「皇室の家法は祖宗に承け子孫に伝ふ すでに君主の任意に制作する所にあらず」とある。つまり皇家は歴代天皇さまから引き継いできた規則であり、勝手に変更することは許されないということだ。そういう謙虚な心持ちが有識者会議には全くない。
(小田村四郎氏) さて、世論調査の結果であるが、朝日新聞社が11月26日、27日の両日に実施した調査では、「男系維持」が17%、「女系容認」が71%であった。
さらに、「皇室典範に関する有識者会議」報告書の参考資料によれば、時事通信が6月9日から12日に実施した調査では、「男系の伝統を守るべきだ」4.4%、「できれば男系の血筋継承が望ましい」18.3%、「男系にこだわる必要はない」74.0%、「分からない」3.4%であった。単純な比較はできないが、日付が新しくなるほど男系維持派が減少しているところに、調査そのものの方法や質問の仕方に疑問を感じてしまう。 この問題に関わらず、これまで世論調査の数字に関しては、「あくまで参考程度のものであり、それが正しいということにはならない」と言ってきた。国民大会で西尾幹二氏が「わが国には隙あらば天皇制を否定しようとする強力な敵がいることに全識者が気がついていない。マスコミによって国民が左に染まっている、国民の意識が最大の敵なのである」と述べているが、その「国民の(無)意識」を利用しようと、西尾氏が想定する30年後を“待ちきれない”輩が、いまも動き回っていることに注意しなけらばならない。 今回の特集記事では『諸君!』がいちばん読み応えがあったのだが、長くなってしまったので、また次回ということにする。 |

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