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小泉首相は4日、首相官邸で年頭記者会見を行い、質疑応答で記者の質問に対し「私は靖国参拝の問題は外交問題にはしない方がいいと思っています。一国の首相が一政治家として一国民として戦没者に対して感謝と敬意を捧げる。哀悼の念を持って靖国神社に参拝する。二度と戦争を起こしてはいけないということが、日本人から、おかしいとか、いけないとかいう批判が、私はいまだに理解できません。まして外国の政府が一政治家の心の問題に対して、靖国参拝はけしからぬということも理解できないんです。精神の自由、心の問題。この問題について、政治が関与することを嫌う言論人、知識人が、私の靖国参拝を批判することも理解できません。まして外国政府がそのような心の問題にまで介入して外交問題にしようとする、その姿勢も理解できません」と語った。
この発言について、今朝の社説で取り上げているのは産経新聞と朝日新聞、それと日本経済新聞である。
産経新聞は、「首相年頭会見 中韓の対応批判は当然だ」と題し、「首相の靖国参拝は戦没者を慰霊するためのものであり、世界各国で行われている戦死者慰霊儀式と変わりない。小泉首相が『外国政府が心の問題に介入して、外交問題にするのは理解できない』と語った通りである」として、内閣府が発表した世論調査の数字を挙げ「中韓は靖国参拝という日本の国内問題に内政干渉する愚に気付くべきだろう」としている。 「これほど理解力が足りない人が、内閣総理大臣を続けていたのだろうか」で始まる「首相年頭会見 私たちこそ理解できぬ」と題された朝日新聞の社説は、「私たちは、一般の国民が戦争で亡くなった兵士を弔うために靖国に参る気持ちは理解できると繰り返し指摘してきた。一方で、戦争の指導者であるA級戦犯をまつる靖国神社に首相が参ることに対しては、国民にも違和感を抱く人は少なくない。まして侵略を受けた中国や、植民地だった韓国に快く思わない人が多いのは当然だとも考える」としている。また、「自ら火種を持ち込んでおきながら相手を批判し、『外交問題にしない方がいい』と説くのはいかにも身勝手である。次の首相を選ぶ自民党総裁選が控えている。荒れ果ててしまったアジア外交をどう立て直すのか。その具体策こそが問われるべきであるのは、だれにでも理解できることだ」としている。 日本経済新聞は、「人口減に克つ(4)アジアと共存共栄の道を築こう」と題された社説の中で、「日本がアジアと共存共栄の道を築くには、歴史問題をもう1度総括し、最低限の国民的コンセンサスを固めたうえで、外交や教育にしっかり反映させる必要がある。戦後日本は過去の侵略戦争への深い反省のもとに平和国家として繁栄を築いた。この基軸を堅持し、アジア諸国の国民感情への配慮を欠いてはならない。小泉純一郎首相は4日の年頭会見で靖国問題に関し『外国政府が心の問題に介入し外交問題にする姿勢は理解できない』と述べたが、中韓両国などアジア諸国が日本を見る目は厳しい。歴史問題に明確なけじめをつけない限り、日本は“敵役”を演じさせられ、アジア地域の主導権争いで後れを取り、孤立しかねない」としている。 小泉首相の質疑応答も含め、あらためてこれらについてどうこう批評はしないが、新年早々それぞれの特色を表した社説は、2006年の始まりを感じさせるものであった。 |

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