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   日本の心配(2)プーチンの日本観


2016年、日ロ首脳会談に先立って訪ロした谷内国家安全保障局長の「返還された北方領土に米軍基地の可能性はある」との話はプーチンの日本外交に対する不信感を一挙に高めたであろう。
日ロ首脳会談を前にした読売新聞との会見でプーチンは「日本はどこまで自分で決められる国なのか?」という主権国家に対する言葉としては極めて失礼な言葉を発した。
さらに、追い打ちをかけるように安倍首相との会談が終わった後の共同記者会見でもプーチンは「1956年の「日ソ共同宣言」に際しては、「二島返還で妥協するなら沖縄を返さない」との「ダレス国務長官の恫喝」があった」ことにも触れた。

どの国の首脳と会う時もいつもニコニコ顔で対面する安倍首相ではあるが、このプーチンの一連の言葉には安倍首相と言えどもいささか尋常ならざる怒りを覚えたことであろうと思う。
安倍首相もさることながら、それでは日本国民の怒り・反応はどうだったのだろうか…?
或いは日本国のメデイアの対応はどうだったのか…?

残念なことに、この国家に対する根本的な問いかけは、深く追及されることはなかった。日本がアメリカに付き従うことは当然のごとくに、或いは生半可な日本の自主外交など望んでいないかの如くに…無視され時は過ぎていった…。

プーチンがこの日本の有り様を見れば、「果たして日本は、交渉の当事者能力はあるのか?」と考えても不思議はない。
安倍首相の如才ない接近にプーチンも交際を断ることはしないが、かと言って領土交渉に真剣でもない・・・率直に言うなら、プロポーズを続ける安倍首相に嫌々お付き合いをしているという感じである・・・。

ちょっと話は横道にそれたが、ここでのテーマは「北方領土」ではなく「日本の独立」であるから、本題に戻す。
「日本の独立」と言っても、途上国が直面しているような問題を抱えている訳ではない。およそ日本は、先進国として経済的にも政治的にも社会的にも、自分の手足で立ってはいる。

だが、プーチンの指摘にあるように外交的には多くの制約を受け、一本立ちしているとは言い難い。
その制約の源泉が、アメリカへの軍事的依存にあることも、大多数の国民の認識するところであろう。

自由、民主主義、人権という普遍的価値観を共有するアメリカであってみれば、日米同盟の結びつきに異論をはさむ人は少ない。
日米関係は、基本的に国民の合意の上にあるが、だからと言ってすべてが100%とはいかない…。当たり前の話である。

だから、安倍首相の言うように『アメリカとは100%共にある』というのは言い過ぎというものであろう。
安倍首相にとっては、「日本のアメリカナイズ」を以って良しとする人だから100%は本音かもしれないが、日本人の多くは」日本様式」が好きであり、アメリカに従う日本より、日本の自主性を大事にしたい人が圧倒的に多いだろう。

この意味で、プーチンに指摘された「現状における日本の自主外交の限界」を探ってみたいと思う。
先程も見たように「日本の外交」が制約を受けているのは「アメリカへの軍事的依存」である。

その「軍事的依存」の法体系が「日米安全保障条約」であり、「地位協定」であり、それに基づいた現実として米軍基地がある。
米軍基地は、日米安保条約第六条に基づいている。
「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」とある。

日米安保条約第六条を受けて、米軍が日本国内の施設及び区域を使用することについて定めているのは日米地位協定第二条に書かれている。
「1..個個の施設及び区域に関する協定は、合同委員会を通じて両政府が締結しなければならない。.2. 日本国政府及び合衆国政府は、いずれか一方の要請があるときは、前記の取極を再検討しなければならず、また、前記の施設及び区域を日本国に返還すべきこと又は新たに施設及び区域を提供することを合意することができる」 

日本全土が基地提供の対象であることを前提に、具体的に日米合同委員会を通じて決めるものとなっているが、なお抽象的である。
具体的には、下記の外務省職員向けに作成された「日米地位協定の考え方」という外務省の解説書にを見た方が分かりやすい。

「第一に、米側は、わが国の施政下にある領域内であればどこにでも施設・区域の提供を求める権利が認められている。第二に、施設・区域の提供は、一件ごとにわが国の同意によることとされており、従って、わが国は米側の要求のすべてに応ずる義務はない。

しかし、安保条約第六条の施設・区域の提供目的に合致した米側の要求を合理的な理由なしに拒否しうることを意味するものではない。特定の施設・区域の要否は、本来は、安保条約の目的、その時の国際情勢及び当該施設・区域の機能を綜合して判断されるべきものであろうが、かかる判断を個々の施設・区域について行なうことは実際問題として困難であり、むしろ、安保条約は、かかる判断については、日米間に基本的な意見の一致があることを前提として成り立っていると理解すべきである。

かかる判断について、常に日米間に意見の不一致があるとすれば、施設・区域の円滑な提供は不可能であるばかりでなく、わが国の安全保障を米国に依存すること自体が否定されることとなろう。
以上にも拘らず個々の施設・区域の提供につき米側がわが国の同意を必要とするのは、場合によっては、関係地域の地方的特殊事情等(により、現実に提供が困難なことがありうるからであって、かかる事情が存在しない場合にもわが国が米側の提供要求に同意しないことは安保条約において予想されていないと考えるべきである」

周りくどい説明で分かりにくいが、この考え方で具体的な運用にあたるなら問題がある。
この説明では、アメリカの要求に、日米が一致して要求しているという前提があり、アメリカの要求に対し拒否権があるようなことを言いながらそれを否定している・・・つまり拒否権はないとしたけっかになっている。
こんな運用なら、日米合同委員会などは、無用な飾り物ということになる。

オスプレイが事故を起こした時、日本の防衛大臣がアメリカに抗議したとか、オスプレーの事故原因がはっきりするまでは飛行を差し控えて欲しいとか申し入れても、無視されてばかりいる理由がこんなところにもあるのではないかと思ってしまう…。
このような外務省の「非独立国的姿勢」が、プーチン大統領に大きな誤解を与えている原因になっているのではないか…。

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