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8月2日−3日
東京の学習院女子大学で行われた日本環境教育学会へ参加してきました。
岡山市の環境配慮行動アンケートの結果をご報告いただいた宮川先生、
井勝先生お疲れ様でした。また、お会いできませんでしたが、岡大大学院
教育学研究科のみなさま、高松農業高校の原先生お疲れ様でした。
私が聞けたのはごく一部ですが、とりあえず、報告します。
当然と言えば、当然なのですが、今回の環境教育学会における議論の主
要テーマはESDでした。論文発表のテーマにもESDが数多く出てました。
ただ、ESDを全て扱った発表から、内容、教育方法の一部を扱ってESD
と強引に結びつけたものまで色々ありました。また、ESDは、学会のプロジ
ェクト研究4つ全てで取り上げられました。
印象に残っているのは以下のようなことです。
◎茨城県牛久市「学校ビオトープから始まるまちづくり事業」
学校ビオトープから地域の自然の調査、調査に基づいて市に提案、提案
が受け入れられて市が里地再生を事業化、ワークショップ、こどもたちが
卒業後も維持に関与できるしくみの策定という成功事例。
アサザ基金の代表・飯島さんの戦略的思考。市の施策。学校のカリキュラ
ムなどが重ね合わさってできた事例です。
学校を社会的歴史的にとらえるだけでなく、生態系の中での学校として捉
えているというのも新鮮でした。
◎鹿児島大学の小栗さん。垂水市での大学と地域の連携事例。垂水市の企
画政策部門との協働で市の総合計画策定過程をESDとして行ったというの
は、凄い話です。総合計画策定の中で、職員と地域の方とのWSをたくさん
行ったそうですが、ESDという言葉の説明は地域ではしなかったそうです。
内容が伴えば、ESDという言葉は、ほとんどなくてもいいのでは。といも言わ
れていました。地域全体を包括的に考える事例として興味深いです。
◎立教大学・野村さん
教育学ではなく政治学など他分野から、SDを解説。社会的公正をとらえる
かどうかがESDと環境教育の違いだ。また、SDは世界の貧困層のニーズに
こたえるという意味で、国際的な問題を包含するのがESDの特色という話。
SDの捉え方が、教育の世界と、他の環境学や政治学等でのSD議論とで、
概念に差があるので、SDの捉え方を他分野の一般的な使い方と統一しなけ
れば、これ以上の発展はないのではという、教育以外の分野からの厳しい意
見もありました。
◎韓国環境教育学会・金さん
韓国のESDの動き発表。生命の森事業(学校グラウンドのっか緑化)の推
進を紹介てくれました。韓国では、この10月から環境教育推進法が施行
されるそうです。韓国の環境教育学会と日本の環境教育学会は、同じ年に
できて来年20周年だそうです。日韓の環境教育学会の相互交流も今年か
ら本格化するそうです。
◎野村さんの話への反論で、国際をとらえなくても、地域レベルの社会的公
正(格差、社会的弱者への視点)からでもESDは可能ではないかという意
見が出ていました。
ESDプロジェクト部会以外の興味深かった話。
◎環境教育推進法5年見直しの動き。
この法律で環境教育は進んだのかといえば進んでいない。どう改正するか?
◎こども環境管理士
昨日の朝日新聞で紹介されていますが、保育士の方の環境意識向上のた
め、民間資格検定を、保育園関係の全国組織と企業で組んで行った。予想
を上回る参加者が集まった。岡山の保育園の先生も一人資格をとったそうで
す。(名簿を公開するそうです。名簿をいただいています。)
◎アジアにおける環境教育と生物多様性保全
里地里山保全再生フォーラムin越前が10/11〜12に越前市で開催され
るのですが、その担当者が、人の関与によって生物多様性が増すという話が
10年前のコスタリカでの生物多様性保全の国際会議では全く西欧の人に理
解してもらえなかったが、やっと国際的な理解を得たと言われていました。
このことも含めて、東アジアの環境の捉え方と、西欧の環境の捉え方の差が
大きくて、日本の環境教育と、西欧の環境教育を同じEnvironment Education
という言葉で説明し合うのは無理がある。という話がありました。
◎東京学芸大学多摩川エコモーション
教員養成大学のカリキュラムとして、地域の環境やまちづくり企画を学生に
企画提案して実践していく活動。教員になる前のこのような経験は貴重だと
思いました。ただ、既に市民活動として流域ネットワークがある中に、新たに
大学がネットワークをよびかけるというのは、屋上屋になりかねないなぁとい
う気もしました。
他も、色々あるのですが、ESDは、教育の改善と、社会システムの変革と
いう2つの側面を持っているものなので、入れ子構造が複雑です。従って、
評価というのも大変なのですが、やっていることを、このような地域外の何
らかのひょかが働く場(学問で言えば学会)で、発表して意見をもらうという
のが、自らの活動を見直すためには、必要だと思いました。
長くなりました。すみません。
とりあえずの報告とさせていただきます。
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