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中山和記です。 今回は、『百名山温泉紀行』に関する話を、新井ディレクターにしてもらおうと思います。 雲上の千載一遇 共同テレビ ディレクター 新井明徳 美ヶ原高原の取材は開山祭の行われる5月15日にあわせた。 この山の醍醐味は頂上から日本百名山のうち41が見えるというロケーションにある。 また冠雪の残るこの時期が一年のうちで一番美しいともいわれる。 開山日当日はあいにくの天気だった。 ときおり強い雨がうちつけた。 私は翌日から予定していた撮影が心配だった。 その夜、美ヶ原の山本小屋にお世話になった。 小屋のご主人、83才になる山本峻秀さんは日本の山岳登山の草分けである。 山本翁曰く、「山の良い景色を見るのなら天気の悪い日に登りなさい。 翌日、天候が回復した山は何よりも美しいはずだから…」と。 山本翁のいう通り次の日は稀に見る快晴になった。 標高2008メートルの「王ヶ鼻」から日本の主要な山々の大パノラマを 私たちはハイビジョンカメラにおさめた。 その後、翁の言った「天気」のことが次の蓼科山の取材にも活かされることになる。 蓼科山のロケは6月中旬、梅雨の狭間に行なった。 ガイドの米川友基さんと奥さんの明美(ひろみ)さんが同行してくれた。 というより私たちが彼らの新婚旅行を兼ねた登山にくっついていったのだ。 最初はうきうき気分の高原散歩だった。 高山植物を見ながら、神秘的な二つの湖、二子池と亀甲池に立ち寄った。 天祥寺原から急峻な登山道にと様相が変わる。さらに雨雲がしのびよってきた。 私たちは慌てて目的地の将軍平を目指した。そこには米川さんの経営する山小屋がある。 その晩山小屋に一泊させてもらう。やがて強い雨が降り出した。 四時起床。雨はやんだが濃い霧があたりに立ち込めていた。頂上のご来光は無理か。 他の登山客もあきらめの様子。また上に行っても霧で撮影にはならないだろう。 今行くべきか、或いはスケジュールを変更するか悩んだ。 が、私は美ヶ原高原の山本翁のあの言葉を思い出し、出発を決断した。 「え?行くんですか!」とガイドの米川さん。 薄暗い中、ごろごろ石の足元に注意をはらいながら私たちは黙々と登った。 蓼科山の円錐形の頂上付近は遠くから見ると優雅で優しそうだ。 実際に登ってみるとそれは間違いだったことを知らされる。 山小屋からおよそ1時間、頂上に辿り着いた。 しかし霧は一向にはれる気配がない。「やはりダメか」。 しばらく、高山植物のイワカガミを撮影しながら時間をつぶした。 30分程経った頃、米川さんが突然叫んだ。 「すごいね!」見ると太陽が霧の中から現れては消え、また陽炎のように 揺らめいて映し出されているではないか。初めて見る不思議な光景だった。 しばらくすると徐々に霧が晴れ頂上の様子が現れた。 あたりは大きな石がゴロゴロしている。 私たちは予定の時間をオーバーするほど撮影に夢中になった。 山本翁のあの言葉を聞いていなければ、この幸運には出会わなかったかもしれない。 ただし山の天気はかわりやすい。 「悪天候の時は止める勇気も大事である」これも山本翁の言葉である。 *「美ヶ原高原」の取材の模様は、御出演いただいた古澤美貴子さんのホームページ でご覧いただけます。アクセスしてみてください。 http://deetv.com/yblog/jacket1.jpg http://deetv.com/yblog/jacket2.jpg http://deetv.com/yblog/jacket3.jpg 『百名山温泉紀行』
1. 安達太良山・磐梯山・那須岳・会津駒ヶ岳
カラー60分+特典映像 価格 各3,675円(税込)2. 燧ヶ岳・至仏山・武尊山・筑波山 3. 八ヶ岳・蓼科山・霧ヶ峰・美ヶ原 DVDの詳細は、以下の「山と溪谷社ホームページ」でご覧いただけます。 |

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