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中山和記です。
11月24日(木)21:00〜、フジテレビ系全国ネットで、弊社制作番組
3夜連続『女の一代記』シリーズ 第一夜『瀬戸内寂聴〜出家とは生きながら死ぬこと』 が、放送されます。
そこで今回も、番組プロデューサーである鈴木プロデューサーに、番組制作の裏側を語ってもらおうと思います。
女の一代記シリーズ「瀬戸内寂聴」プロデューサー回顧録
鈴木伸太郎です。
今回はりえサン以外の出演者について、私の回想や御紹介をしてみます。
○阿部寛(小杉慎吾役)
阿部サンは1997年に「チェンジ!」という連続ドラマ以来の仕事です。
渋い男に見せて実はコミカルな役でした。
私たちの狙い通りピッタリの演技を見せてはくれていましたが、
御本人は納得していなかったようです。
真面目で実直な性格ゆえに、つかこうへいサンの舞台で役者のレベルアップを図り、
(陰口された)「単なる二枚目俳優」からの脱皮に苦労していました。
その後、剛柔どちらの芝居も身につけ、今や得難い俳優に成ったのは皆さんも
よくご存じだと思います。
私もこの8年間で何回も「もう一度!」と声を掛けていましたが、
タイミングが合わずに今回が久々の再会でした。
ビックリしたのは8年前と変わらぬ外見と、それとは逆に人間としてひと回り
大きくなった雰囲気でした。
俳優でない私が自分と比べるのは、おかしな話ですが、
同じ男として正直「悔し〜い!」くらいでした。
きっと、阿部サン自身が現状に満足しないで、謙虚に努力を続けてきた成果なのだろうと、
感心させられました。
○中村勘太郎(木下涼太役)
勘太郎サンはお父上である勘三郎サンの番組で、幼い頃から成長していく姿を見かけていて、
とても興味ある存在でした。
3年前に弟の七之助サンと御一緒したことがきっかけで仕事をしたい気持ちが高まっていました。
サラブレットに例えられる歌舞伎界の若手が大勢いる中で、私のアンテナに
強く反応したのが彼だったのです。
歌舞伎座に訪ねた時の第一印象は、24歳になったばかりとは思えない貫禄を漂わせ、
相反する若さをも兼ね備えた不思議な感じでした。
現場でも映像経験が少ないはずなのに、研ぎ澄まされた感性のなせる技なのでしょう・・・
どんな要求が監督から出ても、適切に表現してみせるその姿に感動さえ覚えました。
○泉ピン子(小俣きん役)
ピン子さんは星田監督が仲良くしている関係で、3シーンだけの登場しかなく、
本来はタップリとお芝居をなさりたい御気性にもかかわらず、二つ返事で出て貰いました。
(私は2回、御一緒させて貰ったので少しは存じ上げていました)
りえサンとも時折食事に行かれるほど、個人的に親しくなさっているそうで、
現場は和気あいあいの楽しいものとなりました。
少ない登場シーンとはいえ、サスガ!の存在感は並み居るキャストの中でも際立っていました。
今回のドラマではホッと息を抜くシーンでの登場なので、御本人の朗らかなお人柄が、
マッチしていました。
(そうそう、現場で言いそびれましたが、食べきれない程たくさんのお菓子の差し入れ、
有り難うございました!)
○佐野史郎(楠本役)
佐野サンは、大ヒットドラマでの当たり役「冬彦サン」で認知された為、
世間では「怪優」の評価が定着していますよね。
私も今回初めて仕事をするまでは「どんな人なんだろう?」と鵜の目鷹の目でした。
実際はもちろん「冬彦サン」のような人のはずもなく、実直で真面目な俳優さんでした。
りえサンの映画デビュー「僕たちの7日間戦争」からのお付き合いだそうで、
役の上では憎しみ合う関係ですが、現場の待ち時間では仲良く話をされている姿が印象的でした。
その話が、昔話に終始するのではなく、芸能関係から始まり文学や社会問題に及ぶ
範囲の広いもので、勉強家の一面も感じました。
○大杉漣(瀬戸内豊吉役)
大杉サンは、今回で3回目の仕事です。
最近、活躍の場をドンドン広げているので皆さんも当然ご存じですよね!?
渋さと剽軽さを合わせ持ったキャラが受けているのでしょう。
現場でも、いつも楽しい冗談を飛ばしつつも礼儀正しくて何度御一緒しても気持ちの好い方です。
たった、一日で収録が済んでしまったので、次回こそは長く現場で触れ合いたいと思いました。
(って、いつも一日だけで、「本当にそう思ってるの?」と突っ込まれそうですが・・・)
○市毛良枝(瀬戸内コハル役)
市毛さんとは、3年前に御一緒した昼ドラマ以来のお付き合いをさせて貰っています。
裏表のないサッパリとした方で、生意気で自分勝手な後輩(私です)に嫌な顔もせずに
接して下さって、まさに演じる機会の多い「優しい母」みたいな存在です。
ただ、今回はたった1シーンで「激しさを爆発させる母」役をお願いした為に、
ご本人としては相当悩まれたようです。
それは杞憂に終わったことは、出来上がりを観てもらえば判りますよね?
○斉藤由貴(瀬戸内艶役)
今回のキャスティングで、一番悩んだのが晴美の姉役でした。
色んなアイデアが浮かびましたが、自分としてはどうも納得がいきません。
そんな時、ふいに思いついたのが斉藤サンでした。
「今まで何のお付き合いもないし、登場シーンが少なくて演じようが難しいし、
どうせダメだろうなぁ」と、断られて元々とオファーをしてみました。
たまたま、小さなお子さんがいる為、短い期間での仕事を待っていた斉藤サンの
思惑と一致し、幸運にも引き受けてくれました。
数々の主役を張ってきた存在感は健在で、セリフのないシーンでも情感溢れる
素敵な芝居を見せてくれて、今回の作品に深みを持たせてくれました。
長年のトップ女優としての芸暦と、3児の母としての経験が、不思議なオーラを発散し、
私に大きな刺激を与えてくれました。
育児がひと段落なさったら、今度はガッツリと仕事を御一緒したい!
本気でそう思う俳優さんです。
○伊武雅刀(今東光役)
私にとって「困ったときの伊武サン」です。
もう10年以上のお付き合いになりますが、最初の動機は私が「スネークマンショー」の
大ファンだったことです。
若い人には馴染みがないでしょうが、私が大学生の頃に一世を風靡した
ギャグユニットの一員が伊武サンでした。
それまでは日本には少なかったブラックで大人の笑いを追及した内容を
YMOのアルバムやラジオなどで次々に発表しました。
元々は俳優だった彼が、一躍注目され、数々のドラマ・映画に出演して
個性派俳優の地位を確立なさったのも当然の事と言えましょう。
(アニメ「宇宙船艦ヤマト」のデスラー総統の声も伊武サンなんですよ!)
そんな憧れに似た感情で初めてお会いして以来、何故か私を可愛がって下さり、
ニヒルな謎の男、ドジな警部、怖くて間抜けなヤクザ、娘に殺される虚勢だけの
父親などなど、数多くの役どころを私の作品で演じ別けて下さって、今日に至ります。
今東光サンという実在した強烈な人を誰に?・・・
迷うことなく、伊武サンにお願いしたのも理解して貰える筈です。
実際の御本人は決して変な方ではなく、飄々とした自然を愛する
(そしてチョッピリ悪戯な)男性です。
○菊池均也・飯田基祐・正名僕蔵・小市慢太郎
彼らは私にとっては、なくてはならないスパイスのような貴重な役者達です。
皆サン、小劇場と呼ばれる劇団で長いキャリアを積み、映像の世界でも頭角を現してきました。
舞台出身の役者は、実力があっても映像での表現方法に馴染めず、
テレビを敬遠する人が多いのですが、彼らは必死に模索して生き残ってきました。
(映像で活躍することが役者の価値の全てではありませんが)
何よりも彼らの芝居に掛ける情熱が好きなのです。
台詞があろうとなかろうと、画面に映っていようがいまいが、精一杯演じている姿に
愛おしささえ感じます。
今回も1シーンや2シーンで、彼らには悪いとは思いながらも、彼らがいてくれるお蔭で、
監督も主演級の役者も、何よりも私が救われました。
これを読んでいる皆さんが、まだまだ一杯いる、こういう素敵な役者を知って
貰う様に御紹介していくのも、私の大事な仕事だと思っています。
ところで、4人の内で何人の顔と名前が一致しましたか?
全部判ったなら、アナタもプロデューサーの資格がありますよ!
正解は・・・菊池均也サンは、キクチキンヤと読み、同人・田口の役
飯田基祐サンは、イイダキスケと読み、丹羽文雄の役、
正名僕蔵サンは、マサナボクゾウと読み、編集者・牧野の役、
小市慢太郎サンは、コイチマンタロウと読み、編集者・田淵の役
この他、スペースの問題で全ての出演者を御紹介できなくて心苦しいのですが、
皆さんにとって、楽しめる配役になっていると自負しています。
(内心は「大丈夫かな?」と、ビクビクもしているんですが・・・)
(第4回に続きます)
鈴木伸太郎(すずき しんたろう)プロフィール
1961年5月24日 東京生まれ。
明治大学中退。ベイシス所属。
<主なプロデュース作品>
連続ドラマ
1997 CX「木曜の怪談/妖怪新聞」
1998 ANB「チェンジ!」
1999 KTV「砂の上の恋人たち」
2000 TBS愛の劇場「永遠の1/2」
2001 〃 「ラブ&ファイト」
2002 ANB「ツーハンマン」
TBS愛の劇場「太陽と雪のかけら」
2004 NHK「トキオ」
2005 CX「海猿」
単発ドラマ
1996 CX金曜エンタテイメント「明智小五郎・暗黒星」
1997 CX 〃 「江戸川乱歩賞受賞作・左手に告げるなかれ」
1998 ANB「スイス体感紀行」
CX金曜エンタテイメント「チャイドルママの事件簿」
1999 CX金曜エンタテイメント「覗かれた主婦」
CX 〃 「江戸川乱歩賞受賞作・果つる底なき」
2002 TBS「モーニング娘。新春!ラブストーリーズ/伊豆の踊り子/時をかける少女/
はいからさんが通る」
TBS年末SP「モーニング娘。ドラマSP/スイッチ/三毛猫ホームズ」
2003 NHKハイビジョンドラマ「R.P.G」
2004 土曜ワイド劇場「キソウの女2」
2005 金曜エンタテイメント「屋台弁護士」
3夜連続特別ドラマ「女の一代記」シリーズ 瀬戸内寂聴
3夜連続『女の一代記』シリーズ 第一夜『瀬戸内寂聴〜出家とは生きながら死ぬこと』
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