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中山和記です。 今回から数回に渡って、『百名山温泉紀行』に関する話を、黒川プロデューサーにしてもらおうと思います。 共同テレビ番組宣伝部の黒川です。 これから何回かにわたって、私が制作プロデュースし、10月25日にDVDが発売される『百名山温泉紀行』のお話をさせていただきます。 先ずは、なぜ、『百名山温泉紀行』という番組が制作されたのか? まずその企画意図と制作意図からお話させていただき、次回以降、ドラマやバラエティとはまた違った、ドキュメンタリー作品の制作現場の一端をご紹介できればと思っています。 (以下は、雑誌『山と溪谷』11月号に寄稿した拙文に修正を加えたものです) 私は、学生時代から(自分で言うのもおこがましいのですが)本格的に登山を続けて来ました。 しかし、いつの頃からか、山へ登り、下山後に入る温泉が、無性に楽しみになってきました。 それも単に温泉に入るだけでは体が心地よさを訴えてこない。 山中をたどり終えた、あの疲れを癒してくれる瞬間がたまらなくなってしまったのです。 本末転倒といわれてもしようがないのですが、温泉のために山に登る計画を立てることすらありました。 良さそうな温泉を見つけてから周囲の山とルートをセレクトし、登山装備の中にはタオルと石鹸。 そんなひ弱な計画も、知らぬうちに金属疲労を起こしていた体からは異論は出ませんでした(もちろん、長年、急峻な山に共に挑んできたザイルパートナーからも!) 登山と温泉入浴ほどベストマッチなものも無いのではないか? 湯船できしむ足腰ですら、山旅の楽しさを振り返るアイテムと化してしまう。 この素晴らしさを映像で多くの人に伝えたいと思うのは、仕事柄、自然な発想だったのではないかと思います。 調べてみれば、名山に名湯あり。 登山愛好家の間ではバイブルとも呼ばれる、深田久弥の『日本百名山』で取り上げられた百名山のそばにも、必ず温泉が寄りそっていました。かくしてBSフジ、山と溪谷社とタッグを組み、日本百名山+名湯の数々を、余すところなく紹介する壮大な企画「百名山温泉紀行」がスタートしました。 制作にあたってはふたつのポイントにこだわっています。 ひとつはリバーサルフィルムに匹敵する画質の、ハイビジョン映像。 これまでも数多くの自然を撮影する機会を得ましたが、通常のテレビ映像のクオリティでは、どんなに素晴らしい光景であっても表現しきれないジレンマがつきまといました。しかし小型ハイビジョンカメラの登場がそれを解消してくれました。 ふたつめは、それぞれの山の個性をきちんと描くこと。 深田久弥の視点はもちろん、登山者の目線で特徴を丹念に描けば、山を愛するすべての人たちに満足してもらえると思えたからです。 あっという間に過ぎた七ヵ月。ロケハンから仕上げ作業終了までの期間です。 この間に、三人の演出担当が日本百名山のうち十二座に登り、名湯をカメラに収めました。 山と温泉が切っても切れないことを実感した安達太良山。 不順な天候に悩まされながらも、年に数度という大展望に出会った美ヶ原。 人と自然の、連綿と続く歴史を知った筑波山。 名峰の貫禄と貴重な動植物を撮影できた磐梯山。 山中の秘湯にどっぷりつかった那須岳。 修験道の名残を辿った上州武尊山。 当たり年だったニッコウキスゲの大群落を堪能した霧ケ峰。 天上の地塘と澄んだ空気までが撮影できた気がした会津駒ケ岳。 同じ山域ながら、北と南の自然の対照の妙が楽しい八ヶ岳と蓼科山。 吹雪となりながらも、山スキーでの大滑降と貴重な咲き始めのミズバショウの姿に出会った尾瀬至仏山。 その尾瀬を、今度は夏に満喫し、尾瀬ヶ原を眺めながら温泉にひたった燧岳……。 これでもまだ、八十八座も残っています! 山のガイド役も、それぞれの山を愛し、精通したベテランや、その山をふるさとに育った方々から快いご協力を頂きました。番組にもそうした山への思いがあふれています。山を通じた一期一会には、本当に感謝の念を禁じえません。 作品は、いわゆる“スタンダード”な構成を重視し、いつ見ても、誰が見ても百名山と温泉を、ゆったりと擬似体験(行ったことのある方は追体験!)できる内容に仕上がったと思いますので、ぜひ、DVDでご確認いただければ幸いです。 では、次回以降はドキュメンタリーの制作現場での苦労談や感動秘話を、『百名山温泉紀行』を題材にご紹介していきますのでお楽しみに。 http://deetv.com/yblog/jacket1.jpg http://deetv.com/yblog/jacket2.jpg http://deetv.com/yblog/jacket3.jpg 『百名山温泉紀行』
1. 安達太良山・磐梯山・那須岳・会津駒ヶ岳
カラー60分+特典映像 価格 各3,675円(税込)2. 燧ヶ岳・至仏山・武尊山・筑波山 3. 八ヶ岳・蓼科山・霧ヶ峰・美ヶ原 DVDの詳細は、以下の「山と溪谷社ホームページ」でご覧いただけます。 ●黒川隆史プロフィール 制作プロデューサー (写真:右端が筆者) 共同テレビジョン 番組宣伝部プロデューサー。 ドキュメンタリー、エンターテインメントを中心に、金曜バラエティ(CX)「感動の看護婦最前線シリーズ」他、数多くの作品を手掛ける。また「奇跡の生還者シリーズ」では、山岳を舞台にした感動の物語を制作。東海大学山岳部OBで、積雪期剣岳バリエーションルートを中心に登攀を続け、1982年、ネパール・ジュガールヒマラヤ、ビッグホワイトピーク(7083・)第2登など、本格的な登山家でもある。 |

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