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中山和記です。
ゴールデンウィーク真っ只中ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回は、ゴールデンウイーク・スペシャルということで(?)、
現在ヤフー動画で配信されている、共同テレビ制作の「ドラマ缶シリーズ」についてです。
実はこれ、4年ほど前に“ネットドラマのさきがけ”になることを狙って制作していた作品なんです。
今回こうして、ヤフー動画を舞台に復活するということで、当時制作プロデューサーをしていた制作センター業務部・松村俊二に、裏話を語ってもらうことにします。
Q,そもそものきっかけは?
2001年夏、ソニーの系列会社との提携が始まり。
相互で“やりたい”という思いで盛り上がり、一気に半年くらいで作り上げました。
最近はだいぶ様変わりしてきましたが、当時ネットドラマは素人作品が多かった。
やはりプロが作ってやる、という意地のような物が制作の原動力になりました。
それもPC前で長いものはだめだろうという判断でショート物、簡単に見られる3分物で作ろうと。
“全ての物は3分で解決出来る”という考えの下。
カップラーメンだって出来るし、ウルトラマンだって3分で怪獣退治するしって(笑)。
最初は7分という話もあったが“長い!”ってなって。
絶対出来ない、という人もいたが、「15秒のCMだってドラマを完結できるだからなぜ出来ない?」って言って。
4コマ落ちをどうやるか、っていう勝負をしたんですよね。
タイトルも、分かりやすくてインパクトのある「名詞」、というのを念頭において。
当時新人作家を集めて脚本選考もやったんですが、やはりいいものが出てこなくて。
結局プロの作家さんに安いギャラで一括してやってもらいましたよ。
Q,ドラマ“缶”って?
「ドラマ缶」という名前に「缶って?」という印象を持った方も多いと思うんですけど、実は当時このドラマを配信していた際、専用のプレーヤーがあって、そこのイメージを「ジュースの自動販売機」にしてたんです。
PC開くとジュースの缶が並ぶ、みたいな感じで。
その中に並んでいたひとつが「ドラマ缶」。そのパッケージが実はウリでした。
60年代風のアンティークなデザインの自販機、といった感じでなかなか可愛かったし、
気に入ってました。
そもそもこのドラマ缶シリーズは、1つ1つの作品というよりも全体のパッケージで見て欲しい、
という意図がありました。
全部見てみると何かがつながってる、という軸を作りたかったんですよ。
例えば今回のyahoo動画版では載っていませんが、当時は菊川怜さんにイメージキャラを勤めてもらい、
菊川さんが出演したオープニングムービーがありました。
第1シリーズドラマ缶本編の中で数箇所菊川さんが所々に出てるのは、当時はこれがクイズになっていて、全部チェックしてはがきを送ると抽選で1名様に菊川さんが育てた「AIBO」が当る、というキャンペーンをやってたからなんです。今送ってこられても何も出せませんけどね…。
まあそれでも第1シリーズ作ってみて、見直してみるとやっぱりバラバラな印象も強くて、第二シリーズでは「女子寮の5つの扉」「OLの怪談」と一連のシリーズパッケージにしました。
その中でも「エンディングが2バージョンある話」とか、5本全部見ると「真のエンディング」が専用プレーヤーに送られてくる、とか色々仕掛けを凝りました。
それがヤフー動画では初めっから全部見られる。
お得ですよね…。
という感じで、当時もそうだったんですがこのシリーズについては
「1つ1つのコンテンツ」というより、「全体のパッケージ感」
1つ1つの3分ドラマというより5本見ての15分物、10本見ての30分物、
という感じで見てもらえたらと思います。
細かくネタが変わるから飽きない、というのが狙い。
そうして初めてこちらの意図が分かってもらえるかと思います。
分かりやすく言ってしまえば、“「世にも奇妙な物語」のアナザーバージョン”なんですね。
ありそうでなさそうな、ちょっと新しい都市伝説といいますかね…。
Q,当時どんな苦労が?
やはり“仕掛け感”ですかね。
どうやったら見やすいかとか、どんな風に遊んだら面白いのか、とか。
当時は先例になるような物もなかったので、これをどうしたらいいのか、ずっと暗中模索。
これは、今でも変わりないですけどね。
インターネットショッピングみたいに、形になって家に送られてくる物と違うんですから。
最新のネットコンテンツ事情でも引き続き残っている課題だと思います。
それと、今ほどブロードバンド環境が整っていない状況下で、どれだけの画像表現が可能なのか、ということも大きな問題でした。
・色味はどうなのか?
・通信速度によって画質はどう変わるか?
・カメラを動かす映像はちゃんと送れるか?
・夜の画像は?
・雨はどう映る? などなどなど…
そうした様々な状況をクリアできるよう、何種類ものカメラ、レンズを使って一番適した撮影機材を選ぶ実験もしました。
映画用の機材も持ち込んで、その場でPC用のデータに変換できるような機材も持ち込んで1日掛かり。
こんだけ機材用意しておいて、「将来に向けて必要な事だ!」と言い張って、ほとんどタダでやっちゃいましたけどね。
今となっては、ありえないなこんなの。
Q,キャストの狙いは?
これも今も変わりありませんが、やっぱりネットコンテンツの主流は「アイドル好きの男性」向けのもの。
そういうところを意識して、当時のアイドル系、女優系で次に出てきそうな子達、というのを重視していたつもり。
そこにはドラマ初出演のMEGUMIがいたり、ほしのあきさんがいたり、松本まりかちゃんとか、後でNHK朝ドラ主演した中越典子さんがいたり、先日の嬢王で主演した北川弘美さんがいたり。
そういうキャストの“初々しい姿”というのも、今になってみるとウリかもしれませんね。
Q,5年が経っているわけですが、今見てみてどうですか?
よくやったよなこんなの!って(笑)
おかげでたくさんお金使っちゃいました…
1シチュエーションでたらっと、みたいなことでもないし。
ちゃんとカット割って長回ししないようにって、手間もかかってます。
クオリティ的にもいいと思いますよ。
まず“飽きない”し。
もちろん撮っているのが現役のドラマの監督、その後映画デビューした人もいますし、当時の主要なうちの監督みんな撮ってましたからね。
今のネットドラマと比べても、全然引けを取ってないと思いますよ。
ゴールデンウイークですし、ぜひ全部見てください(笑)
宜しくお願いします!
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