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7月1日(土)より、共同テレビプロデュース☆ケータイオリジナル小説に書き下ろし新作、2作品が投入されました! 『みんなおんなじ空の下』 小川 未玲 『メール vs LOVE』 北條 俊正 の2作品の登場です! そこで、2日に渡って、小説作りの裏話を作家ご本人に語っていただくことにします。 まず今日は、小川未玲さんにご登場いただきます。 『みんなおんなじ空の下』創作日記 小川 未玲 ●2005年9月×日 携帯ドラマ『王子さまの梅干し』を書き終え、ほっと一息ついているところへ、共同テレビI氏からメール。 その内容に目を疑う。 「さて、次回作はどんなものをお考えですか?」 「〆切はいつにしましょう?」 一作目の評判もわからないうちに、なんというチャレンジ精神だろう。 冒険野郎I氏に敬意を表し、「では、とりあえずお打合せを」と返信を打つ。 ●2005年10月×日 共同テレビのオフィスは11階という高所にある。 そして私は高所が嫌いだ。 この二点については、前回の創作日誌の中でもしつこいくらいに述べた。 にも関わらず、またそこに呼ばれたということは、ひょっとして共同テレビが2階あたりにお引越ししたのかもしれない。 淡い期待を抱いて打合せに臨む。 「絵本になるようなお話を」 「動物が主人公で」 「プロットは年内に」 心ここにあらずの私は、何を言われても「はい」「はい」とうなずくことしかできなかった。 共同テレビのオフィスがお引越しなどしていなかったためである。 ●2005年12月×日 「絵本になるようなお話とは子ども向けの童話だよね?でも、最初は携帯配信になるわけだし、やっぱり読むのは大人なのかな?」 などと、誰になにを書くべきか悩んでいるうちに、年も押し迫ってしまった。 結局、「どなたが読んでくださるにしても、自分の書きたいように書く」といういつものやり方で方針を固める。 大慌てでタイトルと簡単なあらすじを作り、非常識にも世の中が仕事納めをしようという日に送信。 するとすぐにI氏から「これで進めてください」との返信が。 あまりにも迅速な対応に、「I氏もさっさと仕事を終え、あんな高い所からは一刻も早く抜けだしたいのだ」と確信する。 I氏のお正月休みが、日頃、高所で働く緊張をときほぐすものになることを祈る。 タイトルとあらすじを提出してからまるまる2ヶ月が経過してしまった。 しかし本編のための準備は着々と進んでいる。 まず、動物図鑑を読み込んだ私は、動物の生態に大変詳しくなった。 カモノハシが哺乳類なのに卵を産むことや、クジラがなぜ長時間もぐっていられるかなどの貴重な知識を得たのである。 やや気がかりなのは、今回の物語にカモノハシもクジラも登場しないことだが、生態系の中ではそんなこと大した問題ではない。 そして最も大きな進展は、昨年末に送ったタイトルとあらすじを白紙に戻したことだ。 さすがにこれは大した問題のような気もしたが、事態は間違いなく好転している。 そう自分に言い聞かせ、新たな筋立てにとりかかる。 一話読み切りの形にした原稿七話分をタイトル未定のまま送信。 度重なる変更のせいで大幅に予定が遅れている。 しかしI氏は怒るどころか 「いいですね。この調子でどんどんいきましょう!」と、励ましてくれた。 広い空に近い所で働いていると、心まで広くなるのだろうか。 その上、慰労会まで開いてくれるというので、へらへらと出かけて行く。 真冬の寒さだったこの日、待ち合わせ場所に立っていた薄着のI氏は、小刻みに震えながらこう言った。 「もう3月も終わるので、今週からコートは着ないって決めたんです」 日頃から高い場所で鍛錬を積んでいるだけあって、自分に厳しい見上げた人物である。 震えのとまらない体で、地上11階ではなく地下1階のお店に案内するという心憎い気配りまで見せてくれたI氏。 絶対、風邪を引いたと思う。 ●2006年4月×日 今月はなにひとつ仕事に手をつけなかったので、いいわけを考える。 「私も一応人間ですから、そうそう動物のことばかり考えてもいられないんですよ」 ……ダメだろう。いくらI氏ができた人物だといっても「それはそうですよね」と同意してくれるとはとても思えない。 それによく考えたら、人間だって動物である。 あれこれ悩み続けたが、ゴールデンウィークに突入したと同時に 「いいわけを考えるよりも、話の内容を考えた方がいい」ということに気がつく。 ●2006年5月×日 連休初めに心を入れ替えたことが功を奏して、なんとか全十二話が完成。 しかし、書きたいように書くという方針を貫き通したため、子どもさんが読んでも楽しい物語になっているか自信がない。 そこで友人の一人娘である小学三年生のYちゃんに全編を読んでもらう。 Yちゃんは声に出して読んでくれたり、すごく笑ったりしてくれた上に、お話のイラストまで書いてくれた。 さらに思考錯誤の末ようやくつけたタイトル『みんなおんなじ空の下』についても、「すごくいいと思う」と太鼓判を押してくれた。 勇気をもらって、タイトルをI氏に送信。 もしも異議をとなえられたら 「でもYちゃんはいいって言ったもん!」と押しきる決意を固めていたところ 「すごくいいと思います!」というYちゃんとまったく同じ感想が返ってきた。 I氏とYちゃんはかなり気が合うのではないか。 そう言えばYちゃんも、家の中で一番高い場所に自分のお部屋を持っている。 『みんなおんなじ空の下』作品紹介 ゴリラくんはびっくりしていた。 さっきまで両手いっぱいにかかえていたはずのバナナが、気がつくと一本残らずなくなっていたからだ。 「……どうして?」 ゴリラくんにはわからなかった。 バナナがなくなった理由はわかっている。 全部ゴリラくんが食べてしまったのだ。 わからないのは、大好きなチンパンジーちゃんにプレゼントするはずのバナナを、どうしてすっかり食べてしまったのか、その理由の方だった。(本文より) 「王子さまの梅干し」の小川未玲が書き下ろす童話「みんなおんなじ空の下」ついに登場! 個性豊かな動物たちがおりなす、もれなくまぬけなストーリーの数々。 小川未玲テイストは、相変わらず健在! 大人も子供も楽しめる、ステキな童話です。 小川 未玲(おがわ みれい)プロフィール 1967年、神奈川県生まれ。 女子美術短期大学卒業。 93年、テアトル・エコー戯曲募集において「深く眠ろう死の手前ぐらいまで」で佳作入選。 新進気鋭の劇作家として、主にテアトル・エコーで活躍。 ●主な作品● 『お勝手の姫』(1998年/テアトル・エコー) 『やっかいな楽園』(2000年/テアトル・エコー) 『ちゃんとした道』(2003年/テアトル・エコー) 『涙で頬が傷だらけ』(2003年/テアトル・エコー) 『もやしの唄』(2004年/テアトル・エコー) 『ジュリエットたち』(2004年/劇団昴ザ・サードステージ) 『みんなおんなじ空の下』はこちらで読めます! NTT Docomo「どこでも読書」 【iMENU】→【メニューリスト】→【TV/ラジオ/雑誌/小説】→【小説】→【どこでも読書】 au「どこでも読書」(WIN)
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