|
中山和記です。 |
携帯小説関連
[ リスト | 詳細 ]
|
中山です。 2月28日より、菊地謙三郎氏の小説『目を閉じて三秒』がケータイサイトにて配信されています。 そこで今回は、菊地謙三郎氏ご本人に登場いただこうと思います。 ______________________________________________ こんにちは。菊地謙三郎です。 突然ですが、フィキサチフって知ってますか? 絵を描く人ならわかると思いますが、木炭や鉛筆、チョークなど、粉っぽくて定着が弱い画材を作品へ定着させる為の液体です。 ごく簡単にいうと、鉛筆で描いた絵を消しゴムで消せなくするスプレーです。 そんなつもりで小説を書きました。 小学生の頃、札幌市の郊外にある新興住宅街の外れ、まだ開発の手が入っていない草原の中に、ポツリ、ポツリと、まるで島のように森がありました。草の海に点在するその島は、子供には格好の遊び場で、学校から拾ってきた木切れや、釘で樹々の上にベンチをつくったりして遊んだものです。 森の中の一番高い場所に作ったベンチからは、遠くの国道を走るトラックが夕日を反射してキラキラ光るのが見えました。 木の葉の間から見たその風景は、とても素晴らしいもので、僕は小学生ながらに思いました。 「この風景を一生憶えていれたら素敵なのになぁ…」 時は流れて2003年、小学生は二十代の若者になり、東京で役者をしていました。その年は、日々の生活に摩耗して疲れが溜まっていたので、数年ぶりにお盆に帰省してみました。 実家では何もすることがなく、暇だったので、これまた数年ぶりに札幌の中心街を無目的にぶらつくことにしました。 札幌の中心街にはアーケード通りがあり、僕はそこで働いていたことがありました。正しくは、アーケード通りに面したビルの中にあるギャラリーで働いていたのですが、事実上は路上が職場だったのです。 僕は街頭の人をギャラリーへ導引し、絵画を販売していました。 運良く人を導引できたとしても、絵を売るにはその人が買う気になるまで延々と話をしなくてはいけません。しかし大抵の人は延々と話を聞いてはくれません。当然、途中で席を立たれることの方が多いです。だからギャラリーの外に立っている時間の方が多かったのです。 当時、その職場でこの言葉が使われたことは一度もありませんでしたが、あれは紛れもなくキャッチセールスでした。 過去に僕が立っていた路上、そこに当然いると思っていたスーツ姿の面々は見あたりませんでした。 雑踏の中、いくら目を凝らしても彼らはいませんでした。 彼らがいるはずの日、彼らがいるはずの時間、彼らがいるはずの場所にいるのに、彼らはいませんでせんでした。 それの意味するものは単純でした。ギャラリーは閉店していたのです。 薄暗いビルの中にあるギャラリーの入り口には、鉄格子が降り、室内灯は消され、変に静かでした。 こんな時、昔の癖で、ある女性の姿が浮かび上がります。もう好きとか愛してるとかいう感情はないのですが、鉄格子の前に立つと、彼女のつけていた、やけに甘い香水の匂いまで思い出してしまうのです。 「この鉄格子の中にあったものを忘れてはいけないな…」 鉄格子の中には、僕が体験した1998年12月から1999年6月までのことが詰まっていました。そして、僕はそれを記憶に定着させる方法を知っていました。 そんな切っ掛けで書かれたキャッチセールスマンの恋愛物語、「目を閉じて三秒」は、共同テレビプロデュースで、携帯小説サイト「どこでも読書」、「快読!ケータイbookクラブ」で2月28日より配信させて頂いてます。 事実を元に書かれた小説なので、おいしい焼き肉屋や、僕が個人的に好きな店は実名で掲載してあります。札幌観光の折には是非ご活用下さい。 キャッチセールスに引っかかる人は、どんな人物なのか想像できますか? キャッチされる人は、大体において普通の人です。なぜならキャッチする側の人が、「自分だったら、どうやっらたらキャッチされるのだろうか」と、常に考えているからです。 例えば、最初に掛ける言葉を疑問系にしてみたらどうでしょうか、これだけで無視される確率がグッと減ります。 また、セールストークを、風景が想像できるものにしたらどうでしょうか、そうすると、お客が退屈しないので途中で席を立たれる確率が減ります。 ここまで読んでピンと来た方は相当感の鋭い人です。 この文章は上記の二つを踏まえた上で書かれています。 書き出しは「突然ですが、フィキサチフって知ってますか?」、疑問系にしてあります。 そして「札幌市の郊外にある新興住宅街の外れ、まだ開発の手が入っていない草原の中」、書かれているのは風景です。 この文章はネット上のキャッチセールスなのです。 もしよろしければ、このセールス方法に引っかかって下さい。 きっと楽しい時間を提供できると思っています。 ______________________________________________ ■PROFILE 菊地 謙三郎 Kenzaburo Kikuchi <Birthday> 1978年9月29日生まれ <Size> Height 183 B 87 W 70 H 89 S 28 <Qualification> 大型二輪 <Ability> ハイジャンプ・イラスト描写 <デビュー作品> '02 ANB「仮面ライダー龍騎」神崎士郎 役 レギュラー出演 東映 「劇場版 仮面ライダー龍騎 エピソードファイナル」 <TVドラマ> '04 1〜3月 TX「エコエコ アザラク 〜眼〜」 (DVD エイベックスより) <ビデオシネマ> '04 秋 「聖女 ダブルフェイス」準主演 (KSS MEより) <Net シネマ> '04 秋 「戦ガール〜IKUSA GIRL〜」 主演 (インターネット配信にて日韓同時公開) |




