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郡山二中合唱部の素晴らしさは、先にご紹介した動画からもはっきり伝わってくると思います。この奇跡的な歌声は、いったいどこから生み出されるのでしょうか。
一昨年の秋のことですが、朝日新聞の「ひと」欄に、郡山二中の顧問をされていた小針先生のインタビュー記事が掲載されていました。これを読んで、私は心を動かされました。
記事によると、郡山二中の合唱部に入部してくる部員は、ほとんどが初心者で、年度の初めは新入生に合唱のイロハを教えることから始まるのだそうです。
私、勘違いしていました。郡山二中の近くには、大島小学校という、やはり全国トップレベルの合唱部を持つ小学校があります。その子たちが郡山二中に進むのかと私は思っていました。でも、たしかに学区が違うんです。郡山二中の合唱部に入ってくる子たちは、大半が初心者だったんですね。
そこで先生は、まずは音楽の技術以前に「誠実であること」を教えるのだそうです。「地道にまじめに取り組まない限り、いい音楽は生まれない」というのが先生の持論だからです。
私たちは、全国大会で連覇を繰り返す郡山二中の凄さしか知りませんが、毎年4月にはスタートラインに立ち戻っているんですね。これは目からウロコでした。そのスタートラインが「地道にまじめに取り組む」ということ。当たり前のようですが、チームづくりの基本がここにあったんですね。
そう言われてみれば、かつての野田小マーチングバンドクラブの春先も、「これって大丈夫なの?」っていう感じでしたね(笑)。
小針先生は、独特の表現に身振りを加えながら、部員全員に曲のイメージを共有させていくのだそうです。
「ここは飛行機が着陸するように」とか、
「今度は除雪車が雪を押すように」など・・・
生徒全員が実感できる言葉でイメージを伝えていくんですね。
「ハーモニーが重なり合って、鳥肌が立つような瞬間を体感することで、合唱の魅力を感じてもらいたい」という先生の思いが現実になったとき、生徒たちの進化は加速していきます。
これらは、決して特別なことではないかもしれません。でも、素晴らしい指導者に出逢う事により、生徒たちの可能性は無限に引き出されて行くのでしょうね。
指導者が異動になっても、「こんな音じゃないぞ」、「こんな響きじゃないぞ」、「ここの表現はこうした方がいいぞ」というのを肌で感じた生徒たちは、イメージを共有しながら、先輩から後輩へとそれを伝えていくのだと思います。
先輩から後輩に引き継がれるイマジネーションと、地道で真面目な取り組みが実を結び、チームの和が「伝統」となって行くのではないでしょうか。
そうした学校があるからこそ、他の学校もどんどんレベルアップしていくという相乗効果が生まれます。さらには、その経験を経た子どもたちが教壇に立つようになり、ふくしまの音楽界を牽引しつつあるんですね。
第62回全日本合唱コンクール全国大会(2009/10/25)に出場した郡山二中合唱部(金賞受賞)
※写真はヤングオンステージ(2010/1/30-31福島県文化センター開催)のプログラムから
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