|
以前、つげ義春の作品と天栄村の温泉について記したことがありました(「岩瀬湯本温泉と二岐温泉」)。
その岩瀬湯本の界隈を、久しぶりに訪ねてみました。茅葺屋根のほとんどは赤屋根に替わってしまっていますが、湯治場のある宿場町の面影が残っています。
(1977「桃源行」より) (2017年8月撮影)
重厚な茅葺屋根を残す「源泉亭 湯口屋旅館」がこちら。
(1977「桃源行」より)
(2016年4月撮影)
茅葺職人が減っている現在、その維持管理にはたいへんな苦労が伴います。湯口屋さんの屋根は、このように改修されています。
(2017年8月撮影)
今年、湯口屋旅館の本館が、国登録有形文化財となりました。この建造物に文化財としての価値があることを国が認めたわけですね。でも、「指定文化財」ではなく「登録文化財」なので、維持管理への補助金などは交付されません。
なので、この建物を末永く後世に残していく方策は、とにかく多くの人がこの旅館を利用すること、その一点に尽きるのではないかと思います。
玄関を入ってまず目に入るのが、存在感抜群のこの階段。ピカピカにお手入れされていて、その奥がロビーとなっています。ロビー中央には「源泉亭」の扁額が掲げられ、その上は吹き抜けになっています。
階段昇り口の右側に小さな扉があります。意外にも、ここが殿方浴室の入口。 ↓
その扉を開けると、すぐに狭〜い脱衣所となります。反対側には宿泊者用の入口があり、「殿」と書かれた暖簾が下がっていました。
こちらが殿方浴室。ガラスとタイルと石によるレイアウトが素敵です。
カラン・シャワーは2人分のみ。
このとおり、静かに静かに源泉が注がれ、ゆったりと時が過ぎていきます。
少し黄色みを帯びたように見える湯は、ナトリウム・カルシウム−塩化物温泉。微かな金気臭に加え、微タマゴ臭に似た香りを感じました。成分分析では硫化水素が検出されていないんですけどね〜。
湯口はパイプ式で、湯面ギリギリの高さから源泉が少しずつ注がれてきます。塩化物泉ではありますが、口に含んでもそんなにしょっぱいわけではありません。
湯船内の湯温は、この日は41.5℃。実に気持ち良くて、ゆったりとくつろぐことができました。身体の内側からじわじわとあたたまってきて、浴後はなかなか汗が引きませんでした。
この浴室のすぐ脇に、地元住民専用の共同浴場「おもで湯」があります。長湯していると、そちらからの笑い声なども聞こえてきて、ほのぼのとした気分になります。
湯治場風情を残す山里にしばらく滞在し、疲れた心と身体を癒すことができたなら、それは現代人にとって最高の贅沢かもしれません。ここは、その贅沢を実現できる格好の場所だろうと思います。
ところで、このお隣には、茅葺屋根の温泉旅館がもう一軒あります。同じ源泉を用いているはずなのに、なぜか浴感が異なります。それについては次回!
泉 質 ナトリウム・カルシウムー塩化物泉
泉 温 49.2℃(自然湧出)
湧出量 69L/分 pH 6.8
外来入浴 500円(8:00〜20:00)
天栄村湯めぐり手形使用可
駐車場 宿から100mほど東に専用駐車場あり
|
過去の投稿日別表示
-
詳細
2017年08月28日
全1ページ
[1]
コメント(8)
全1ページ
[1]





