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「みんなのミシマガジン」を読んでいる。
軽くて持ち運びしやすいし、内容も面白い。
この「みんなのミシマガジン」というのは、名前の通り“みんなの”マガジン。
WEB版で見られる記事が一ヶ月分の紙版(マガジン)として発行される。
そういう企画に賛同する人はサポーターとして年間登録料を納めて
その紙版「みんなのミシマガジン」が月刊誌として手元に送られてくる、という仕組み。
「ほぼ日」みたいに、いろいろな書き手さんが日替わりで記事を投稿しているので
いろいろな分野の話が少しずつ載っていて面白い。
私は長い記事をパソコン上で読むのが苦手なんで
紙媒体になって我が家にやって来る仕組みはありがたい。
きっと本が好きなんだと思う。
文字を使った媒体の中でも、きっと紙媒体が好きなんだと思う。
いまや古臭い人間かもしれないけど
本の重みとか匂いとか、手触りとか、余白とか
めくる時の音とか、しおりのはさみ具合とか、
線が引けたり、端が折れたりとか、汚れやしみとか
そういう勝手に自分仕様になっていく過程とか
そういうのが好きだし、なじみがあるんだと思う。
「もしも世の中に本がなかったら…」と想像するだけで悲しいし
それはもう長年の“私だけの友”を失うに等しい辛さを感じる。
私にとって、本は滋養のいっぱいつまった箱みたいなものだ。
インターネットがなかった時代に、「一生出会えるはずのなかった誰か」や
「自分の人生には起こりえない物語」にアクセスする唯一の手段で
私は本の表紙を開くことで、いつでもどこにでも行ける気がしたし
実際に“そちら側”に心を飛ばすことができたし、
ひとりなのに孤独じゃない気がしたこともたくさんあった。
もちろん、今もある。
だから、そういう「私が本を手にするまでの仕組み」に携わっている人たちに
無条件に感謝してしまうし、尊敬してしまう。
仕事で縁あって、出版社の人たちと一緒にお仕事をさせていただくこともあるのだけれど
その人たちにとてもエラソーにはできない。
これまでにもいくつかの行き違いや無礼に思えるようなこともないではなかったが
それでも元々ありがたさを感じているので、やっぱりエラソーにはできない。
一緒にいいものを作りたい。
単純にそう思う。
だから応援したい、とも思う。
誰かの思いや考えや作品を文字として世の中に届ける仕組みを。
患者さんたちのつくる新聞や冊子もそうだし
自分が原稿を届ける専門誌もそうだし
それと同列に「みんなのミシマガジン」も加わった、ということ。
この前、亡くなったN先生のことを記事にしたけれど
あの後、自費出版的な形で先生の手記を本にする企画が持ち上がっている、と聞き
それにも参加することにした。
自費出版の“自費”の部分を参加者みんなで出し合うらしい。
その企画には先生が生前、一緒に仕事をしていた複数の出版社の人たちが出版社の枠を越えて
共同で参加するらしい。
素晴らしいことだなと思う。
枠を越えさせてしまう先生もすごいが、出版社の人たちもすごいなと思う。
これは商業ベースに乗せない本だから、誰にもどこにも利益が発生しない。
思い入れのある人たちが、そういう本作りに力を貸し合うということ。
私たちの中には「利益にならないこと」に向き合うことで初めて
(あるいはあらためて)そのことの“本来の価値”に向き合えるというか
そういう部分があるように思う。
たとえば出版社に勤める人たちは
「本が好きで、自分がいいと思えるものを世に出したい」という思いで
その分野に飛び込むんだけれど
お給料がもらえる仕事の中で、純粋にその価値に向き合えるチャンスは実はとても少なくて
だからこそ利害の関係のないところで、純粋に“思い”を持ち寄ることで
ふだんは出来ない“何か”をやってみたいという気持ちを持っていたりするんじゃないだろうか
…というようなことを私は想像してみる。
そして、私のように読者の中にも
本が好きで、でも本作りに携わる仕事はしていないけれど
何かしら本を作る過程にも接点を持っていたいなぁ…という人もいるんだろうと思う。
なので、私はそういう思いをつないでくれる企画や機会があったら
そこに関わってみたいなぁと思うのだ。
それが今回「みんなのミシマガジン」のサポーターになった理由。
こうした一つひとつが私にとっての“恩返し”みたいなものだ。
本や本屋さんや本を作っている人たちに対する、ささやかな恩返しみたいなものなのだ。
http://www.mishimaga.com/
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わたしはケイクスという有料コンテンツを購読していますが、これは完全に電子媒体ですね。
何でか、電子媒体で面白い文章と、紙で活字になっても面白い文章ってちょっと違う気がします。
どこがどう違うのか、うまく言えないのですが、自分で本を出した経験から言うと、やっぱり編集者の方とかなり喧々諤々論議して、原稿を何度も目で読むだけでなく、音読しながら文章を詰めてゆく、その感じかなぁと思うのです。
PCのキーボードってすらっと叩けてしまいますから、当然すらっと読める文章が立ち上がる。その辺の違いなのかなぁと。
2013/8/15(木) 午後 2:52 [ - ]
てはぬーさん、コメントありがとうございます。
電子媒体の文章と、紙媒体の文章…考えたことなかったです。
面白いですね、その感じ。
もしかすると、私の好きな人が書く文章は
活字向きなのかもしれません。
頂いたコメントを読んで、ふとそんな感じがしました。
2013/8/16(金) 午前 6:37