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「どうなんでしょーねー石原マラソン」
「距離はともかく、ちゃんとバリアフリー枠あったんでしょうかね」
「いまどきの市民マラソンはバリアフリーでなきゃ」
「それはそうと、どんだけ経済効果あったんでしょ」
「給食所の人形焼きね、発想はよかったんでしょうけど、
数がたりなかった…」
「あんなに食べられちゃうとは思わなかったんでしょ」
「そりゃみんながみんな2時間そこそこで帰ってくるわけないし、
だいたいが観光で走ってるランナーなんだし。腹も減るって」
「その人形焼きからして手焼きなんだから、すごい。
オートメーションとかあるでしょ、いくらでも。そこをあえて職人技で賄おうってんだから。
いったい何体焼かせたんだー」
「人形だからって何体ってのも」
「職人さん、腱鞘炎になってなきゃいいですけどねー。
きょうは代休をいただきますって張り紙あったりして。『割あわねー』なんてぼやいてないですかね」
「んなこたぁないですよ、世界各地から注文殺到しますから」
「飢餓状態でわけていただいた人形焼きの味がわすれられないってね」
「まちがいなく『ネットで注文承ります』ってなってるから。えっ、もうとっくに?」
「自分はね、都内のコンビニ店とかの搬送隊の心配をついついしちゃいますね」
「コンビニでまんじゅうにありついてたランナーいたいた」
「違いますよー、交通規制のほうですよ」
「地下道もあふれかえってたし」
「許容量超えてないんでしょうか。事故なかったらいいんですけどね」
「バイオテロには遭遇しなかったようなのでよかったよー」
「またまたおおげさなー」
「いやですよ、危機管理意識が低くって。ジャーナリストの間では真剣に囁かれてますって」
「なにしろ、異人種、異国籍の1極集中なんですから」
「実は厳戒態勢だったんですかー?」
「どちらにしても、いろんな点を見つめ直すいい機会にはなったんじゃないですか」
「え?何を見つめ直すって?」
「うーん…強いていえば、なんだろ、自分の足下…」
「こりゃまた、ずいぶんこじんまりとしたもんだ」
とんだハプニングこそ、
いろんなもんをつきつけてくれるってもんでこざいます。
沿道で食料を振る舞っていたギャラリーに
江戸の人情はまだまだすてたもんじゃあございません、とくりゃあ。
∴江戸川亭茶戸∵
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