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新宿 新次
天井桟敷に限らずアングラ劇団の俳優には変わった
芸名が多いことは誰もが認めるところです。
新劇俳優が“普通の芸名”をつけていたのに対し
差別化を図ったのかもしれません。
芸名は本人が考案する場合と、周囲から
命名される場合があると思われますが、
天井桟敷では寺山が命名するケースも
少なくなかったようです。
新宿 新次
この芸名は寺山が命名したと確信しています。
寺山の処女小説「あゝ、荒野」に登場するプロボクサーを夢見る
主人公の二人が新宿新次とバリカン。
寺山にとってはとても思い入れのある大切な名前です。
その名前をもらった新宿新次がいかに期待された存在だったのかと
思わずにいられません。
新宿は天井桟敷新聞第5号(新宿版千一夜号)で次のように紹介されています。
今度舞台が新宿なので張りきっている。
新宿のバアーのホステスにもてる憎い奴。
やくざ相手に殴りあうのであぶない。
「新宿版千一夜物語」に新宿が出演したかどうかは
わかりませんでした。検索で見つけたポスターもサイズが小さくて
出演者の名前が読めません。
彼が出演者として確認できたのは下記の作品です。
「花札伝綺」(1967)
「青ひげ」(1968)
「さらば映画よ」(1968)
「書を捨てよ町へ出よう」(1968)
退団後の足跡は不明です。
「あゝ、荒野」は2011年に蜷川幸雄の演出で上演されていますが、
その舞台で新宿新次を演じたのはアイドルグループ「嵐」の松本潤です。
松本はこの役を好演し、本物のリングで10分間打ち合うラスト・シーンでは
観客を圧倒したと言います。
蜷川は流石に寺山のイメージを正確に捉えていたようです。
いいキャスティングだったのではないでしょうか。
私には小説の中の「新宿新次」、天井桟敷の「新宿新次」
松本潤が演じた「新宿新次」に共通点が多いような気がします。
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