特定非営利活動法人てのひら・人身売買に立ち向かう会

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11月1日(火)15時から17時まで、内閣官房本庁5階会議室で人身売買禁止ネットワーク(人身取引に取り組むNGOや研究者、支援者等の国内ネットワーク)と政府の人身取引対策関係省庁との意見交換会が開かれました。この発案は、今年6月にてのひらが行ったもので、今回の意見交換会の人身売買禁止ネットワーク側の事務局をてのひらが努めました。内閣官房との連絡調整、会議資料作り等、実務面で相当なコミットメントを行いましたが、無事に意見交換会を開催できたことは、本当にうれしい限りです。

意見交換会では、まず議長役の内閣官房から行動計画2009以後の実施状況について報告がありました。2010年6月、2011年7月に関係省庁連絡会議を実施し、政府関係省庁で情報交換を行ったということでした。また、関係省庁の取り組み実現のためにはNGOの協力なしにはできないという認識を持っており、政府への取り組みの批判もあると思うが、今回の意見交換会で挙がる内容については政府としても謙虚に受け止めていきたいと思っているという表明がありました。

政府からの回答のなかで、特筆すべきものをいくつか挙げたいと思います。

まず、内閣府男女共同参画局からの報告でした。女性に関する暴力をなくしていくという観点から、ポスター、リーフレットを今年86,000枚作成し、地方公共団体、警察、民間団体、大学、高等専門学校、在京の大使館等500か所以上に掲示しているという報告でした。2004年、この問題に日本政府が取り組み出した頃にはこれほど制作されておりませんでしたし、方々への掲示はまだまだな状況でしたので、500か所以上に掲示しているという報告は、人々への意識啓発という点でも大きな成果であると感じました。

また、警察庁からは「匿名通報ダイヤル」という民間委託をしている取り組みについて報告がありました。2010年度より児童買春、強制売春、児童虐待、入管法違反等で4,065件の通報を受理しているということでした。そのなかで、人身取引に関するものを含め福祉犯等含め21件が検挙につながり、毎年夏に検挙事例などを関係者で共有し合うコンタクトポイント連絡会議も開催し、この取り組みを含め、警察庁、法務省入国管理局、厚生労働省等の実務者レベルで横のつながりで以って取り組もうとしていることが発表されました。

なお、被害者保護の取り組みについては、厚生労働省から発表がありました。現在でも婦人相談所で被害者を一時保護していること、また医療費・通訳費の補助等を行っていることが挙げられました。また、2009年の行動計画改正の折に課題となった中長期の婦人保護施設を被害者が利用できるように取り組んでいるそうです。婦人保護施設を利用した場合でも、医療費・通訳費は補助が受けられるよう改正されたことも報告されました。こうした保護を受けたあと帰国する際には、国際移住機関(IOM)が外務省からの資金を受けて帰国支援を行います。延べ人数224名に帰国支援したという発表がありました。

こうしてみると、政府が精力的に取り組み一定の成果を挙げてもいることが理解できるかと思います。私も意見交換会に参加しながら、政府の成果はきちんと評価できるものであるとも感じました。ただ、肝心な取りまとめ役が行動計画策定から7年が経つにもかかわらずいないのです。もちろん、内閣官房が議長や座長としての立場を果たすのかもしれませんが、「人身取引対策室」というような専門部署ではありません。結果、それぞれの関係省庁の盲点や横のつながりの穴等を指摘できないような状態であることがよくわかりました。

また、認識として、警察、検察、厚労省、内閣府等、密度濃く関わっているところはそれなりに想いを持って取り組まれているようですが、オブザーバーとして部分的に関連するという理由で呼ばれている省庁に至っては、心ここに非ずという状況を垣間見たことも残念でした。

ただ、私たちNGOの立場の失敗も露呈しました。時間がない、十分なコミュニケーションが出来ていない等、持ち回り、細切れの時間を使ってのネットワーク活動のため、それぞれの発言者や質問内容が十分に統合されておらず、バラバラの状態であったことも否めません。また、政府側に伝わるような言葉で発言をする人もいれば、せっかく有意義な意見を提示しているのに政府側に伝わらないような言葉のために伝わらない等、多くの課題が残るものとなりました。議題が多すぎたために、時間内にすべての議題を提示できなかったことも繰り返してはならないことだと思います。

いろいろな課題が見えた意見交換会でしたが、とにかく実施し、今後も開催できるような糸口は見つかりました。また、政府とも時には対峙する必要もありますが、無用な敵対は人身売買に取り組む上では非効率で、むしろお互いに活用し合うような間柄として協働していく必要性もあらためて感じました。来年6月頃、予算についての議論が国会内で展開している最中に政府側に開催を申し込む予定です。

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