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象徴ということ

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人間の記憶というのは、どこか分子構造にも似て、連想をジャングルジムのように構成して、星雲のような記憶を作る。

これは人間が『こころを持つようになったのは、記憶をエピソード記憶するようになったから』というのと深く結びついている。

たぶん、『ひとつの象徴の後ろに膨大な記憶をたばねる』やりかたはヒンドゥ―教や仏教のなかの密教が最も古く理論づけたのではないか?と私は考えている。ひとつの佛尊のお経をひとつ記憶して、そのお経の短いヴァージョンを作り記憶して、その中に書かれている様子を絵に描いて記憶して、それをさらにひとつの字、種字にまで圧縮させる。

クライスト教もそうしたものはある。クライストのつづりを分解して並べ直すと、『イクテュス』魚の意味になり、これは最後のサパーを連想させ、魚を捕っていた網を捨てクライストについていった『人をすなどる者としよう』と言ったエピソードなどとも重なる。そしてゴッドから人への上下の愛と、人と人との友愛の水平が、交わってクロスする2本の直線、さらにはりつけ、これも2本のクロスする直線で象徴される。

この『象徴』というのはじつに重要で、自分にとっても重要だし、他の人がどういう象徴を持って歩いているか?みると、だいたいその人のすべてがみえる。

自転車でも自動車でも、ブランド品でも、『その人がどういう象徴を評価しているか?』見える。また『そう見て欲しいと期待しているか』という現れである場合がほとんど。

それが、その通りになるかどうかは、保証の限りではない。

なぜかというと、『その象徴を、他人は違う風に読み解く』場合が少ないからだ。

たとえば、伊太利亜の超車に乗って、後ろから火を噴いて、カッコ良いつもりでロンドンの市中でバカでかい排気音をバラバラ言わせて、喜んでいる『油息子たち』がいる。たまに自分の排気炎でクルマが炎上したりする。

彼らの中では、『結婚式で花火の替わりにカラ仕ニコフを空に向かってぶっ放している中東マインド』でお祭りさわぎで楽しんでいるのだろう。砂漠の真ん中でバラバラ独りでふかしていても、誰も見てくれないから、わざわざロンドンまで来てやっているのだろうが、それは『彼らの文化レヴェルが低い』としかみられない。他人への迷惑も考えず人の国へ来て騒音を出しているだけ。そのクルマをみても、部ガッティだ、笛ラーリだ、猿ツオだ、乱暴ギーニだ、というだけで、『誰も、オマルだ、阿武ドラだ、詐ダムだ、とは言ってくれない』。『この地球環境問題が騒がれている中で、そういうものに乗って歩くのがカッコ良いと思っているのか?教養なさすぎだろう』とみる人もかなりの割合でいる。

一方で『象徴』を表に出さない人たちもいる。007の作者のイアン・フレミングはアームストロング・シドレーに乗っていたが、あれにはW.O.勉トレーがかかわっている。さんざん経験を積んだ最晩年の作だからかなり完成度は高い。それを『他人の眼を気にせず、自分だけの満足で乗る』というところがホンモノの奥ゆかしさだろうと私は思う。最後は種字ひとつまでもってゆく。

ノートルダムが燃えて、屋根のデザインを公募するという。『う〜〜ん』。もとどおりではいけないのか?『象徴』が燃えて、何か新しい別の『象徴』にしようという意図があるのかな?と私などは勘ぐってしまう。なにしろガラスのピ羅密度のてっぺんに赤いランプを付けたところの前で就任演説をした大棟梁のことですから、ノートルダムの新しい屋根のうえにPI羅密度など付けかねないと思う。

私はスカイフォール以後007を観ていない。なんだか、『ムカムカ、ジリジリ来る残酷シーン、過激シーン、くだらないアクションが多くて、洒落てスタイリッシュなものがない』。敵があまりに胸クソが悪い。クァンタム・オヴ・ソラス以降、だんだんその傾向が強まり、もはや週末にピカデリーのオデオンで映画を観て、そのあとどこかで食事というようなものではなくなっている。なんでも、最近のボンドの家族の話の設定は、バーバラ・ブロッコリ(アメリカ人)の個人的な体験が反映されているらしいが、もはや、『英国のボンド』ではない。『米国の過激ボンド』になり下がりつつある。

象徴としてのボンドはもはや別の者になっている。

さて、非虎ーが台頭してくる前夜、独逸では何者かによって火を付けられた国会議事堂が焼け落ちている。『議会』という話し合いの象徴が焼け落ちて非虎ーが出てきたというのはけっこう意味深だと思う。


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