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長年人間をやっていると、さまざま『タイプ』の存在に気が付きます。たとえば英国へ行って、乗り物のミーティングへ行くと、その車種に応じて、同じようなタイプの人が集まっているのがわかる。
これは外観、収入状態、教育背景、職業、すべてが面白いほど揃っている。例外はほぼないと言ってよい。クルマを選ぶ時、『どのグループへ出入りするようになるか?』ということもクルマを選ぶ基準になりうる。
私がフラフラしていた時、古いベントレーが蔵雲ぐらいの価格で買えたので、そういうところへ行ってみた。みんなデカい(笑)。身長185cm〜200cmという人たちが多かった。アレックスも彼の顧客の知るところとならないように(爆)、写真に写るときはいつも『こぐるま』でしたが、じつはベントレーを持っていた。彼の身長はやはり186cmぐらいですから例外ではない。
信奉者のお布施はジャッキアップされたドニントンのこぐるまの写真撮影用の保存費用として(彼はメトロにもっぱら乗っていたので)、あとはベントレーのMOT(車検)と保険料になっていたことは疑いの余地がありません(笑)。
彼は蔵雲でも「狭いっ!」と文句を言っていましたから、あのサイズが必要だったのだろう。こぐるまも、助手席を外して後席から足を投げ出し、リムジンにしていたくらいだ(笑)。私は英国でブリストル410とか603やランドーレのようなクルマが生き延びた背景は、その身長問題だと考える。日本も力士を国技館へ送り迎えするにはランドーレが最適だろうと思う。
私がもっとも気があったのは、ROVERのP4,もしくはP5のオーナーの人たち、それとドロマイトのオーナーの人たちだった。パブで働いている運転の上手いクルマ好きの若い女性などがドロマイト・オーナーにはいた。ジャグのオーナーにはまずいない。P6のオーナーは歴然とP4やP5のオーナーとは違った。ドロマイトのオーナーのように気さくにさばけてもいない。英国フォードの古いもののクラブの人たちは、「何をしゃべっているかわからない」(爆)。もう60年代の疑似アメリカにあこがれるドロドロのワーキングクラスで、日本は香港沖にある同じくらいの島という考えの人たちが多かった気がする(笑)。
こういう『タイプ別の生息地図』は自転車にもあてはまる。まあ、面白くないので省く。日本でいうなら、Z系の人やJ系の人は決してH神社に行かないのと似ている。ZとHが犬猿の仲だったことは御存知の方も多いはず。必ず、乗り物世界にはそういうグループがある。
さて、日本のクルマでも、Nを選ぶ人とTを選ぶ人は明らかに違う。Nのほうがちょっと斜にかまえている人が選ぶケースが多い。HとかMZだとかはもっとはっきりする。選択する時点で何らかの表明をしているのだと思う。
シャーロック・ホームズ的に『そのこころは?』と考えてみると興味深いし、乗り物からその人を考えてみるのも面白い。私のまわりで輸入高級ヨーロッパ車に乗っている人、特にスポーツカーの所有者の7割強が医療関係者であることは考察に値する。大学病院の医師が3人、救急病院の医師が1人、小児科の先生が2人、歯科医が3人、医療器具メーカーの人が3人、製薬会社の人が2人。ちょっと思いつくだけでこのくらいの人数になる。
あっ!関西で英国自転車をやっていて、ブラックプール魂に乗っている彼も救急病院だ(笑)。英仏両自転車を関西でやって、自動車も好きな、GPSに名前が出る病院のあの方も院長さんだ。増え続けますね(爆)。
こういうのは単なる偶然ではないんではないかな?工場主とかはそういう高額車両は普通避ける。「あいつ儲かっているな」と思われたくないのと、実際苦しい。マルチ・ミリオネアも通常避けます。そういう大企業などのオーナー一族は、目立つことを嫌う。また『クルマが目印になってトラブルに巻き込まれたり』、『何曜日の何時ごろにどこにいた』とクルマが目立つとわかってしまい、ビジネスにマイナスになる。そういう人たちは蔵雲に「消極的理由」で乗っていたところがあると思う。下からは「いつかは蔵雲」であがってきて、上からは目立たないし、ということで、上からも下からもそこへ来るところに市場を掴んでいたと私は見ていた。
そこにバイエルン・プロペラ自動車と「会うでぃ」がやってきて、目立たなさ加減で、じわじわと支持を伸ばしたと思う。私は「会うでぃ」が『苦阿吐呂』の前に、作りうる最も凡庸な、ある意味『鉄のカーテンの向こうのサルーンのような地味系』をやっていた時を知っているので、その性能を誰に説得されても乗ろうと思いませんが、若い世代は受け入れた。そこへかつての蔵雲を買うはずの層がけっこう流れたのだと思う。きっかけは零蔵雲ではなかったのか?やがてジリ貧の理由がわからず、会うでぃそっくりにしたのだろうというのが私の見方です。
企業の企画の人やデザイナー、建築家などの『自分は趣味が良い』と自己顕示したい人もそういう高級車を所有したがる傾向がある。
自転車もまったく同じに、その人の『傾向』がもろに出るものなので、私などはそれがレアなものかどうかより、『何がこの自転車に固まったか』を考えて見飽きることがない。
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