俗物の夕暮れ

かええってきたぞーかええってきたぞー!

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 正月はぶらぶらして過ごしました。あてもなく。
 冬というのに温かいから、(自分のなかでは)無茶な行軍もしました。
 日付は明確に覚えていませんが、かつて大学の先輩に、電車が終わってから、諸事情により家から放り出され(主観的表現)、吹きすさぶ、いやもうほんとに吹き荒れる寒風の下、2時間かけて自宅へ帰り着き、風邪で3日間寝込んだという、省みるたびに粉薬くさい思い出の道を、テクテク歩いてみたりしました。余談ですが、この時の病はかなり苦しく、19世紀のパリ市街に築いたバリケードを、官軍相手に1人で支えるというミゼラブルな幻覚を見ました。
 道すがら皇居の一般参賀を遠巻きに眺めたり、大学に通うのに使っていた道を歩いてみたりして、以前下宿していたところの前まで来て、満足して電車で帰ってきました。根性なくなっちゃって。
 私的な考えですが、年の瀬や年初め、とりわけ大晦日や元旦の東京は、散歩するのが一番楽しいです。時期柄の独特の雰囲気と言うのもあるのですが、東京の地肌の部分がいつもよりはっきり感じられる気がします。上京してきてから、正月はぶらぶら歩くのが定番となっていますね。
 
 まぁ、実家に帰るお金がなかったというのも正しい見方かも知れません。今となってはもう帰るに帰れませんし……。

 そして、現在は押入れの整理に精を出しています。
 かなり早い段階から、押入れの中に詰め込んだまま未整理の荷物がかなりの量で存在するということに気づいてはいました。どうせほとんど書籍だし、本棚もないのでそのままにしておいたのですが、何気なく押入れを開けてみると、突如三方から僕を襲い来る影!

 右手からはミヒャエル・エンデ全集(第13巻)が! 左手やや上空からは寺田寅彦随筆集(文庫版)が! そして正面からはロシヤ語便覧(極めて詳細な解説と「くたばりやがれ!」を代表とするやや気取った例文を満載したハラショーなソ連期ロシア語文法書。現在絶版なのが悔やまれる)が!

 彼らは巧みな連携で僕の目を翻弄し、一瞬できた隙をついて足元を急襲しました。幸いにも彼らの攻撃が僕を傷つけることはありませんでしたが、彼らのテロ行為は世論をうごかし、基本条約締結のための使節団を派遣させしむるに至りました。

 ということではじめたはいいですが、開けてびっくり玉手箱、ダンボール8箱、その他積まれた本や散乱したノートらしきものの断片や紙束の数々に、びっくりどころかうんざりしてしまいました。楽しくもありますが。


 ………埋蔵金でも……出てこないかなっ。



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