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「かべす」とは芝居用語で菓子・弁当・寿司の略語であります。
つまり、芝居見物の脇三役といいますか、お楽しみ三兄弟といいますか、舞台を観るだけでなくて、こうしてポリポリ・パクパクするのも含めて芝居を観る楽しみなわけです。
なにしろ最近の芝居は「鑑賞」したりするようになってしまい、楽しいのだか苦しいのだかわからなくなりましたが、それこそ江戸時代には今で云えばヘルスセンターの大衆演劇をみるような気軽さであったようで、みんな食べながら、退屈になれば寝ながら見ていたようです。
仮名手本忠臣蔵という芝居(といっても最初は人形浄瑠璃でしたが)の最初、まだ大序が始まる前に、定式幕(じょうしきまく)=写真参照
の前に人形がでてきまして口上を述べるのですが(この人形を口上人形といいます)、その口上の中にも「お茶、お菓子など召し上がりつつゆるゆると・・・」なんていう科白(せりふ)がある位。
ですので、「かべす」は芝居見物の正統派のお楽しみです。
ですので、今回の芝居見物にも張り切って弁当を買い込んで出かけました。
木挽町(こびきちょう)といえば現在の歌舞伎座建て替え中のあのあたり。
歌舞伎座の晴海通りを挟んだ向かいにある 木挽町辦松(べんまつ)で仕込みました。
このベンマツといえば、日本橋に同じ名前の弁当屋さんがありますが、こちらは日本橋弁松。
「べん」の字が違うのですが、いずれも江戸からの弁当を守っているお店です。
木挽町辦松は創業140年、日本橋弁松は160年とホームページで云ってますので、永い歴史であります。
現在では東西の人的交流も盛んになり、その結果東京の味も関西の味に近づき、関西の鰻屋のほとんどが江戸前の焼きようになってしまっておりますが、この両店の弁当のお味はまさしく江戸・東京のお味であります。
なんて口上はこの位にして、いよいよご対面
久しぶりの芝居見物に気合をいれて、赤飯の二段弁当にしましたが、これで950円位だったと思いますので、これまたウレシクなってしまいますね。
おかずの内容はこれぞTHE幕の内弁当といった内容です。
焼き魚・かまぼこ・野菜の含め煮・豆きんとん・玉子焼きなど、幕の内弁当の王道を歩んでいます。
そして、fなにより今回ご紹介したいのはこの味付け。
甘辛さ(これを「あまっからい」と発音していました)がキリリといたしておりまして、まさにこれこそ懐かしい江戸・東京のお味です。
煮物の色もぐっと濃くて、こんな黒い煮しめをご覧になった関西の方は腰を抜かすのではないかと心配になりますが、心配ご無用。
砂糖が効いているせいでしょうか、色のわりには辛くなく、こってりと煮てあります。
てなことで、どうも芝居よりもこっちの方がウレシクなってしまいました。
一体なにをしに新橋演舞場までやってきたかということなんですが、今度はこの折詰だけ買って帰って、これで一杯やるというのも、オツでござんしょうなあ。
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弁当しつつ
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これこそ芝居見物では超有名なお弁当ですね〜!
出来上がったお弁当は水蒸気でべたつかないように扇風機で冷ましてから折をするそうですね〜
2012/11/8(木) 午後 2:53
tommyさま
そこまでして作っているとは知りませんでした。
古くからのお店ですので、そんなノウハウが沢山あるのでしょうね。
どおりで美味しいはずです!
2012/11/8(木) 午後 3:37
包装紙からも「お弁当」の雰囲気が表れていますね
普段いただいている弁当とは雲泥の差です(当たり前ですけど)
昔の人の「遊び」は素晴らしいですね
2012/11/8(木) 午後 5:49
酎年おやじさま
確かに、包み紙からしてオーラが出ているような。
コンビニ弁当と比べると倍位のお値段ですが、芝居ともなるとどうしても張り切ってしまいました。
昔も今もそんな気分ではつながっているような〜。
2012/11/8(木) 午後 7:42
(((o(*゚▽゚*)o)))粋ですね〜
2012/11/8(木) 午後 7:58
アリエルさま
ありがとう!
2012/11/9(金) 午前 6:27
こういう楽しみ方って大事ですよね。
娯楽が少なかったっていうのもあったにしろ
いいなぁって思います。
「かべす」って言葉は初めて知りました。
べ・・・弁松さんの「べ」ではないですが、我が家も、デパ地下でですが日本橋のほうのものを時々買います。特に煮付けの味は大好き。
そう、あまっからいんですよね。常温の日本酒が進みます。
2012/11/9(金) 午前 8:46
korotaさま
仰る通り、江戸時代なんかというより、最近までこんなに娯楽がある時代ではなかったですからね。
子供だってファミコンが出るまでは、野球とメンコ位しかなかったのですから、大人にとっての芝居って娯楽の王様だったのでしょう。
料理に江戸・東京の味が無くなってしまった中、この弁当は貴重なものになってしまいましたね。
これで一杯は、楽しいだろうなあ。
2012/11/9(金) 午前 8:55
芝居はやっぱり弁当ですよね。歌舞伎座みたいに「吉兆」などがあっても庶民はなかなか行けません。3Fにある鯛焼きもかかせません。歌舞伎座のころは混んでいて買うのがめんどうでしたが、今はすぐ買えますし。
2012/11/10(土) 午前 0:10
ハバネロさま
幕間の短い時間で吉兆もないものですが、そんなときに弁当は本当に便利ですよね。
気軽で美味しいというところもアタシ向きであります。
これが埃っぽい空間でなければ・・・というウラミはありますが。
最近はたい焼きもあるとのことですが、これは知らなかったです。
2012/11/10(土) 午前 8:02