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静岡に行ったので、駅弁の名門 東海軒の「鯛めし」、それも「元祖 鯛めし」を買った。
なにしろこの東海軒といえば駅弁事始めに出てくるような由緒ある駅弁屋さんの一軒だそうで、その上、この「鯛めし」の開発物語が、なかなかふるっていた。
駅弁学講座(林順信・小林しのぶ 集英社新書)によれば、明治25年1月の静岡に大火があって、その大火の後日談的にこの駅弁が誕生したとのことである。
今や弁当の掛け紙は紙蓋と一体化するといった改良はあったものの、この元祖 鯛めしは当時の姿を残しているものだと思う。
というのは、もっとオカズが充実した鯛めし弁当もあって、お代は200円ほど高かったように記憶している。
新幹線の前席の後ろ利用したテーブルと比べて欲しいのだが、現在主流の弁当と比較するとかなり小ぶりな弁当である。
鯛(はなんの鯛かはわからねど)のそぼろが茶飯にかかったご飯にたくあん二きれというこの弁当は、明治の素朴さというか質実剛健さが伝わってくる。
これでなにか文句があるのか!といった歴史と伝統に裏付けされた力強よさすら感じられるのは、さすがである。
小田原の東華軒にもこの東海軒の鯛めしにインスパイアされたと思われる鯛めしの弁当があるが、東海軒の方が甘味が少なくてさっぱりしている印象である。
なので、一気に食べてしまったのだが、付け合せに東華軒に入っていたと記憶している、静岡名物「わさび漬け」が入っていたらもっと嬉しかったようにも感じる。
しかし、本家・元祖の風格があるので、いたずらに変化を加える必要もないのかな。
このあたり、変化・進化のさせ方というのは難しいのだろうなと思う。
駅弁が生まれてからもはや100年は過ぎていると思われるが、このような懐かしさを停滞とみるか伝統と感じるか、なかなか複雑であります。
そんなことを考えるに、オカズの多い「上級の鯛めし」と食べ比べてみるもの次の機会のお楽しみであります。 |
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2012年06月18日
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