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《今年の初鑑賞は小津監督サイレント特集》
みなさん、あけましておめでとうございます。
昨年の映画の観納めは紀伊国屋ホールの『笑う男』でしたが、今年の初鑑賞は神保町シアターの小津安二郎監督特集、サイレント映画の『東京の合唱(コーラス)』です。
この会場は100席足らず、満員が予想されましたので、朝早く整理番号付きのチケットを購入、その後、神田明神まで歩いてお参り。正月三日目はさほど混雑しておらず、ゆっくりと一年の祈念をしまして、また神保町へ戻りました。
神保町の古本街はほとんど正月休みでしたが、交差点から明治大学寄りに「カロリー」という食堂があり、ここで早めの昼食、カロリー焼を食べました。
午後一番の『東京の合唱』は予想通りの満員で、チケットは売り切れ、ああ、朝早く並んでよかった。と、胸をなでおろしました。
昭和6年の作品。サイレントです。今回は弁士がドイツから帰国されたばかりの片岡一郎さん、ピアノ演奏が柳下美恵さん。
かつて、無声映画はたくさん作られ、巨匠として名を残している監督も多いのですが、フィルムがほとんど現存せず、特集が組めるほど残っているのは小津監督ぐらいであるとか。
こうして観られるのは、ほんとに貴重な体験であると思います。
岡田時彦ふんする主人公は保険会社のサラリーマン。
給料日、小学生の息子は自転車を欲しがります。
ところが会社で老社員の不当解雇に抗議して社長と喧嘩になり、いっしょにクビになってしまいます。
自転車は買えず、息子は怒り、不況の時世で仕事も見つからず、中学時代の恩師が食堂を開くのを手伝ったり。
小津安二郎監督、若い時期のペーソスあふれるコメディです。
幼い娘役で子役時代の高峰秀子が出ています。
岡田時彦はこの映画の三年後に肺結核で亡くなります。そのとき二歳だった娘が後の女優、岡田茉莉子さんですね。
映画に出てくる洋食屋が「カロリー軒」、私が昼食を食べたのが神保町の「カロリー」、関連はないと思いますが、同じ名前です。
東京の合唱/1931/日本/公開1931・8・15
監督:小津安二郎
出演:岡田時彦、八雲恵美子、菅原秀雄、高峰秀子、斎藤達雄、飯田蝶子、坂本武、宮島健一、山口勇
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