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「元親米」グルジアがイランに急接近 米露蜜月の陰でアメリカに見捨てられ、生き残りを模索する孤独な小国


      2010年07月01日(木)17時00分 オーウェン・マシューズ(モスクワ支局長)


 グルジアのミハイル・サーカシビリ大統領は、かつて味わったことのない孤独に打ちひしがれている。

 グルジアは2008年夏、南オセチア自治州とアブハジア自治共和国を取り戻すために同地域に攻め入り、旧宗主国のロシアと激しい戦闘を繰り広げた。

 アメリカをはじめとする西側諸国は、グルジアを支援。ロシアが南オセチアとアブハジアを占領すると、チェイニー米副大統領(当時)はグルジアの首都トビリシに飛んで、ロシアの「侵攻」を非難し、欧米で教育を受けたサーカシビリ大統領への支持を表明した。大統領選候補だったジョン・マケインも即座に、両自治区におけるグルジアの主権を認める声明を出し、バラク・オバマもそれに続いた。

 だが今や、そんな蜜月時代は過去のものだ。旧ソ連地域における親欧米政権を支援し、グルジアとウクライナをNATO(北大西洋条約機構)に加盟させようとしたブッシュ政権時代の情熱は消え失せ、オバマ政権は「ロシアとの健全な関係」を優先させている。核軍縮やイランへの制裁、さらにはミサイル防衛についても、米ロは認識を共有。先週行われたロシアのメドベージェフ大統領とオバマの友好的な会談によって、両国関係はこの10年で最高潮に達した。

フランスはロシアに軍艦を売却

 もっとも、そのためにオバマは、グルジアとの関係を見直さざるをえなかった。ホワイトハウスの報道官は5月、核軍縮条約の米議会での批准に関して、ロシアによる南オセチアとアブハジアの占領は「もはや障害とは考えられていない」と語った。グルジアを支援するために設立されたNATOグルジア委員会も、ロシアを刺激しかねないグルジアのNATO加盟について具体的な計画を定めていない。NATOがグルジアの加盟を急いでいない証だ。

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相も、アメリカとグルジアが経済・技術・政治面で協力を進めるために昨年締結した戦略的パートナー協定は「アメリカ外交の過去の遺物」だと議会で語った。しかもフランスは、ロシア海軍がアブハジアの防衛に使う軍艦をロシアに売却する話を進めている。

 孤立感を深めたグルジア政府が、支援を求めて近隣諸国にアプローチするのは当然だろう。

 サーカシビリ大統領は5月、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン首相を首都トビリシを招待。両国の間では、トビリシからトルコ北東部の都市カルスまで鉄道を敷設してグルジアとヨーロッパを結ぶ計画が進んでいるが、そうした経済協力以外にもさまざまな課題が議論された。トルコはすでにグルジア最大の貿易相手国で、両国は年内にもビザなしの渡航を認め合う予定だ。

 それ以上に驚きなのは、グルジアがイランに接近していることだろう。このところ両国の外交関係者が頻繁に行き来しており、今月にはイランのマヌーチェフル・モッタキ外相がトビリシを訪問。さらに、グルジアのニカ・ギラウリ首相もイランを公式訪問する予定だ。

 どれも、国連によるイランへの制裁体制に違反するものではない。近隣国グルジアとの友好ムードに勢いづくイランは、マフムード・アハマディネジャド大統領によるグルジア訪問を提案しているが、アメリカの機嫌を損ねたくないグルジアは今のところ返答を先延ばしにしている。


イランと手を組んでリスクヘッジを

 米政府は、グルジアの経済活動には立ち入らないとして、イランとの急接近についてコメントを控えている。「アメリカは喜んではいないが、現実問題としてグルジアが近隣諸国と良好な関係を築く必要があることは理解している」と、グルジア戦略的国際問題基金のアレクサンダー・ロンデリ所長は言う。「イランがそこにあるという地理を無視することはできない」

 グルジアの政府関係者も、イランとの交流は「グルジアの外交政策の変更を意味するものではない。また、EU(欧州連合)とNATOへの加盟という優先目標と相容れないものでもない」と強調する。

 実際、ロンデリに言わせれば、グルジアがイランに接近した背景には、アメリカとイランの対立を解消したいという思惑があるという。対立が長引けばロシアのアメリカへの影響力がさらに強まり(オバマは安保理でロシアの賛成票が必要だ)、グルジアにとって脅威となるからだ。

 ただし、近隣に新たな「友人」をつくることで、グルジア政府がリスクヘッジをしている面があるのも間違いない。たとえ、その相手がアメリカの敵であったとしても。(ニューズウィークより抜粋)



高くついた?オバマの対露リセット外交

2010年06月30日(水)15時37分 オーエン・マシューズ(モスクワ支局長)

 オバマ米大統領とメドベージェフ露大統領の首脳会談が6月24日、ホワイトハウスで行われた。現在の米ロ関係は、95年のクリントン大統領のモスクワ訪問以来の雪解けムード。両国は今回の会談で、対イラン制裁やヨーロッパのミサイル防衛構想、NATO東方拡大の事実上の中止など、多くの重要課題で合意に達した。

 とはいえアメリカばかりが譲歩している印象が残る。ポーランドとチェコへのミサイル配備は中止。親米国のグルジアをロシアが占領していることも、ほぼ既成事実扱い。ロシア国内の集会の自由に対する締め付け強化や、服役中の石油富豪ミハイル・ホドルコフスキーの新たな裁判についても沈黙を守っている。

 ロシアは、アフガニスタンでの軍事作戦に不可欠なキルギスの米空軍基地を閉鎖させようとするのをやめた。4月には新しい戦略兵器削減条約(START)に調印。5月には(手ぬるい内容ながら)対イラン制裁に合意したが、アメリカの見返りのほうが少ない。

 アメリカがこれだけ犠牲を払うのは、永続的な真の平和という配当を手にするため。ロシアの利害をベネズエラやイラン、シリアといった「ならず者国家」でなく、欧米に近づけようというわけだ。


ロシアのWTO加盟も全面支持

 24日の会談は外交よりビジネスの話題が中心だった。アメリカにしてみれば、ロシアが欧米経済に組み込まれるほど、プーチン時代の対決姿勢に逆戻りする可能性は減る。ロシアも欧米の資本とノウハウを手に入れて、瀕死の経済を立て直そうとしている。

 23日にカリフォルニア州のシリコンバレーを訪れたメドベージェフは、ロシア版シリコンバレー計画への投資を呼び掛けた。ロシア国営企業が総額40億ドル相当のボーイング737型機50機を購入することも明らかになった。

 米ロの蜜月が結婚に発展すれば、ロシアにはメリットが大きい。米議会で審議中の民生用原子力協力協定はロシアに巨額の利益をもたらすし、93年以来、歴代米大統領がロシアの前にぶら下げてきた「WTO加盟」も、オバマ大統領は全面支持している。

 賭けには違いない。だがブッシュ前大統領時代の「正面衝突」政策は、ひどく逆効果だった。オバマ流のリセットは、ロシアを味方にするには一番かもしれない。(ニューズウィークより抜粋)

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トホホホホ

2010/7/1(木) 午後 8:48 うまやど 返信する

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日本じゃ、こういう視点から記事を書いていたのは「(皮肉な事に)毎日さんだけ」でしたね・・

2010/7/2(金) 午前 5:26 [ tero19632001 ] 返信する

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