歴史好きのダボラ吹き

「令和の御代」の始まりが・・

全体表示

[ リスト ]




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【緊迫・南シナ海】米軍3度目の「航行の自由」作戦に中国猛反発 イージス艦にスクランブル、艦船派遣も

 【ワシントン=青木伸行、北京=川越一】米海軍のイージス駆逐艦「ウィリアム・P・ローレンス」が、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島にあるファイアリークロス(永暑)礁で現地時間の10日、「航行の自由」作戦を実施した。中国を牽制(けんせい)する同作戦は昨年10月、今年1月に続き3回目。

 ファイアリークロス礁で中国が造成した人工島には、3000メートル級の滑走路など大規模な施設が建設されている。米国防総省によると、駆逐艦は10日午前、中国に事前通報することなく、人工島から12カイリ(約22キロ)内を通過した。軍事行動を伴わない「無害通航」だとしている。

 一方、中国国防省は10日、米イージス駆逐艦に対し、戦闘機を緊急発進(スクランブル)させたほか、軍艦船を現場海域に派遣し離れるよう米軍側に警告したことを明らかにした。

 さらに中国外務省の陸慷報道官は10日の定例記者会見で、イージス駆逐艦派遣に関し「中国の主権や安全保障上の利益を脅かし、地域の平和や安定を損なう行為だ」と厳しく非難。中国側が今後も監視や追跡、警告措置などの必要な措置を取り続けると強調した。

 中国側は范長竜・中央軍事委員会副主席が先月、同礁の人工島を訪問したほか、今月には揚陸艦を派遣している。(産経より抜粋)


フィリピン次期大統領ドゥテルテ氏、意外に深い華人とのつながり

2016年05月10日(火)15時45分


 9日に投票が行われたフィリピン大統領選で、当初の予想を裏切って当選を確実にしたロドリゴ・ドゥテルテ・ダバオ市長は、フィリピンにおける中国系移民の華人社会のなかでも歓迎された候補者だった。基本的には所得面で中間層以上に属する華人が、「庶民の味方」を打ち出して華人とは利害が一致しなさそうに見えるドゥテルテ氏に好感情を抱く理由は、一体どこにあったのだろうか。

 ドゥテルテ氏には華人の血が流れている。母方の祖母が華人の女性だった。中国語についても「聞いて分かる」ということを本人は言っている。フィリピンにおける華人の90%は福建省出身で、その大半は晉江という地域から渡ってきている。ドゥテルテ氏が理解できるとしても、おそらくは福建方言であろう。華人社会と近い関係を持っていることは確かで、ドゥテルテ氏のすべてを取り仕切っていると言われている側近中の側近も華人であり、その人物は、ドゥテルテ氏の早期からの支持者である華人企業者の家族であるという。

 なかなか正確な統計を出すのが難しいが、一般には、フィリピンにおける華人は100万人いるとされる。フィリピン人口の5000万人からすれば決して大きな数ではない。しかし、経済においては大きな力を持っているのは確かだ。「シー財閥」「ルシオ・タン財閥」「コファンコ財閥」「ユーチュンコ財閥」などの名前が有名だが、これらの華人財閥が、ビールで有名なサンミゲル、フィリピンの2大チェーン・スーパーマーケット、大手ドラッグストア、フィリピン航空、セブパシフィックなどの航空会社、農場、鉱山などを経営している。

 華人がフィリピン経済の半分を牛耳っているという説もあったが、これはいささか誇張が過ぎるだろう。しかし、資産家ランキングのうちトップ10人は常に半数以上を華人系が占めており、フィリピン経済のなかで無視できない力量を持っているのは確かだ。ただ、華人の企業家たちが結束して1人の候補を推すというより、フィリピン政治の有力者とそれぞれの華人系の財閥グループが密接につながっている、というイメージである。このコラムで論じているのも、華人財閥の政治的行動ではなく、一般的な華人社会の心理面の問題である。

当初は台湾と親密だったフィリピン

 フィリピン華人の特徴は、マレーシアやインドネシアと違って商業移民が中心であり、苦力(クーリー)のような労働移民は非常に少なかったことだ。前述のとおり、出身地は90%以上が福建で、ほかの広東など別地方の出身者の華人も、フィリピンでは福建語を話さないと生きてはいけない。また、スペイン植民地政府時代の排華政策で16世紀以来の華人移民が一時はほとんどいなくなったため、現在の華人は基本的に19世紀以降に新たに移民してきた人々で、いまの最も若い世代でも第3代か第4代に過ぎない。

また、フィリピンの華人は、現地との融合度が高い。マレーシア、インドネシアは、もとの英国統治時代の分離統治の伝統に加え、宗教の関係もあって融合が進まないが、タイでは同じ仏教信仰という部分もあり、現地社会との融合はアジアでは最も進んでいる方だ。フィリピンもタイに次ぐ形で融合が進んでいる。カトリックの開放的な性格もあって多くの華人がカトリックに改宗していて、通婚も普通に行われており、「華人問題」というくくりではなかなか論じにくいところがある。


 戦後、同じ西側陣営の一員としてともに反共を掲げたフィリピンと台湾は、親密な関係を結んだ。フィリピン華人に対する台湾の影響力は強く、その名残は、いまもフィリピンの華人向け学校に「中正学院」という名前の学校があることにもうかがえる(「中正」とは蒋介石の本名で、台湾には「中正大学」という大学もある)。使っている文字も、マレーシアやシンガポールと違っていまも台湾の繁体字である。

 フィリピンはマルコス時代の1975年に台湾と断交し、中華人民共和国と国交を結んだ。その前後、マルコス大統領(当時)はフィリピン生まれの華人に対して、ほかのフィリピン人たちと同等の国民待遇を与える法律を制定した。そのため、いまでも年齢層の高い華人の間ではマルコス氏への思い入れがあり、マルコス同情論は根強い。今回の選挙では、マルコス氏の長男である副大統領候補のフェルディナンド・マルコス上院議員に入れた華人も多かっただろう(フィリピンでは大統領選と別に副大統領選の投票が行われるが、フェルディナンド・マルコス氏とレニ・ロブレド下院議員の大接戦となっている。10日正午時点でまだ結果は出ていない)。

腐敗・犯罪への取り締まりに華人社会は期待

 今回、華人社会の世論が総じてドゥテルテ氏に好意的だった理由はいくつかある。フィリピンにおける華人研究の第一人者であり、同国の華字紙「世界日報」のコラムニストである呉文煥氏に聞いたところ、ドゥテルテ氏が掲げる腐敗や犯罪への取り締まりは、華人社会が常に歴代政府に強く願いながら十分に叶わなかった部分であり、アキノ現政権でも、治安や腐敗の問題は大きな改善がなかった、という認識が華人の間にはあるという。また、中国との対立を辞さないアキノ大統領の姿勢は、中国に対して「愛国」や「祖国」という意識を持っており、中国との良好な関係を心理的に期待する華人の政治的習性からすれば、決して好ましいものではない。一方、中国に対して対話を排除しないとしているドゥテルテ氏に期待感を持つのは自然だ。

また、華人に対するアキノ大統領自身の姿勢も厳しかったとされる。呉氏が強く印象づけられたのは、在任中のアキノ大統領がフィリピン最大の華人団体である「菲華商人総会」において、華人たちが脱税や逃税に熱心で、納税の義務を果たしていないと批判したことだった。お金の話には、華人はとりわけ敏感だ。アキノ氏にも華人の血が流れているとされるが、この「脱税批判」発言以後、華人社会ではアキノ大統領への不信が固まったという。

「わたしたち華人が求めているのは、法的にも制度的にも公平で、治安もよい安定的な環境のもと、経済活動に存分に集中できることと、中国とは激しい喧嘩をしないことです」と、マニラで会った40代の華人ビジネスマンは語った。もちろん世代間や個人で考えに違いはあろうが、総じていえば、そんな華人特有の心理が、今回、フィリピンの大統領選において、華人を相対的にドゥテルテ支持の方向に導いたと見ることもできるかもしれない。(ニューズウィークより抜粋)


トランプが大統領でもアジアを手放せないアメリカ

米大統領選であらわになる根強い内向き志向。日本はアメリカとアジアの共生の足掛かりとなれるか

2016年5月10日(火)16時00分 河東哲夫(本誌コラムニスト)


 米大統領選の予備選たけなわ。民主党のクリントン前国務長官と共和党のドナルド・トランプが優勢だ。クリントンは中国とロシアに警戒心が強く、アジア重視。トランプは「アメリカ第一」のようだ。

 誰が大統領になろうと、アジアを突き放すわけにはいかない。アメリカにとり、掛け値なしに重要な地域になっているからだ。


 アメリカには建国以来、内向き志向と帝国主義が併存してきた。西部開拓が完成した19世紀後半頃から、対外拡張の時代となり、アジアがターゲットとなる。ペリー艦隊を日本に送り、中国との貿易の中継港を確保。ハワイ王国を併合し、米西戦争で勝利を収めるとフィリピンを植民地支配してしまう。

 1905年には日露戦争の和平を仲介し、日本がロシアから入手した南満州鉄道の利権折半を求めたが失敗。中国での利権をめぐって、日本との因縁は太平洋戦争に至る。アメリカはアジアでのプレゼンス確立のために、米兵約10万人もの血という犠牲を払った。

 戦後は中国利権を独占できるはずが、共産化で実現しなかった。しかし中国が経済開放を一段と進めた90年代半ば以降、米証券会社は中国株の急伸を演出して、しこたま儲けた。現在ではゼネラル・モーターズ(GM)がアメリカより中国で多くの台数を売り上げるなど、中国での利権を思うがままに貪っている。


 以前から米企業はアジアへの投資を増やしてきた。今では日本、中国、韓国、台湾、東南アジアへの直接投資残高は約5000億ドル。アメリカによる世界への直接投資残高総額の約10%を占める。貿易も緊密で、日中韓の東アジア諸国はアメリカにとって、NAFTA(北米貿易自由協定)のカナダとメキシコに次ぐ輸出相手。輸入に至ってはNAFTAの27.3%をも上回って35%強と、断然の首位だ。

アジアでの紛争抑止はアメリカの利益

 東アジア・東南アジアとの貿易でアメリカは約4700億ドル余りの赤字だが、ドルで支払える以上、大きな問題ではない。日本企業だけでも、その対米直接投資で米国民約70万人に雇用をもたらしているし、アジアからの安価な輸入品はアメリカでインフレが起きるのを防いでいる。

 このために、アジアでの紛争を抑止し、貿易と投資の自由を維持することは、アメリカ自身の大きな利益となっている。アメリカの一部論者が言うように「アジアは中国に任せろ」とでもなれば、対中貿易・投資だけでなく、アジア全域でのルールや利権は中国のさじ加減で決まることになってしまう。だからこそ、アメリカはアジアを外交の軸と定め、来年度の国防予算案でもアジア重視継続を明言している。
逆に日本を含めたアジア諸国も、アメリカの重要性を認識する必要がある。東アジアの経済は、対米輸出を成長のエンジンとしてきた。稼いだドルはアメリカに再投資し、それで経済を膨らませたアメリカはアジアからさらに多くの輸入をする。

 つまり、アジアとアメリカは経済面で共生関係にある。貿易や投資の自由が保持されていれば、(北朝鮮を除く)すべての国や地域がハッピーで、ことさらいがみ合う必要はない。

非現実的な完全自主防衛

 リーマン・ショックでアメリカの地位が一時的に沈むまでは、多くの中国人識者も共生関係を認めていた。「アメリカはアジアの安定を維持してくれる勢力」と言っていたものだ。


 日本では「アジアはアジア人で」「アメリカには出て行ってもらう」といった根強い反米主義がある。そんなことをすれば、日本は中国の圧力に裸でさらされる。日本はアメリカ、中国、ロシアという軍事大国の間で完全自主防衛を実現する力はない。そのことを冷厳に見据えつつ、その中で最大限外交の自主性を確保していくしかない。

 アメリカにとって日本の価値は、「アジアにおけるアメリカの利益を維持していく上での最有力な足掛かり」だ。それを支えに、日本は賢く立ち振る舞うことが求められている。(ニューズウィークより抜粋)


核保有国宣言 強硬路線に展望などない

 北朝鮮は「核保有国」である。36年ぶりに開かれた朝鮮労働党大会で、金正恩氏がもっとも言いたかったことがこれのようだ。

 核放棄の意思がないと露骨に示す姿勢は、決して受け入れられない。

 正恩氏は自国が「責任ある核保有国」であると称し、世界の非核化実現に努力すると語ったが、まったく説得力を持たない。

 世界の平和と安全への脅威をふりまいているのは、ほかならぬ北朝鮮だからだ。

 北は核拡散防止条約(NPT)からの一方的脱退を宣言し、不拡散体制に挑戦している。南北非核化共同宣言など国際的な約束を破り、核開発を推し進めている。

 そうした国がすぐ近くにあり、核・ミサイル開発を続けている現実を、日本も真剣に考えなければならない。軍事挑発はもちろん、体制崩壊を含む異変など、あらゆる事態への備えが必要だ。

 報告では、核開発と経済建設を同時に進める並進路線が公式に示された。

 だが、核開発を進める姿勢が国際社会からの批判や制裁を招き、経済立て直しを困難にしている。その現実を認めたくないのか。

 矛盾する2つを高く掲げ、自由を奪った国民から支持を取り付けたと見せかけている。全体主義国家の限界と危険さを示すものというしかない。

 正恩氏は、核兵器の先制使用はしないとも語った。だが、北は国連安全保障理事会の累次の決議で核放棄を求められながら、守ろうともしてこなかった。

 身勝手な姿勢を繰り返し見せられてきた国際社会からすれば、信用してよい指導者の言葉と受け止めることなどできない。

 対外関係の改善への言及もあったが、いまの状況下で、交易の拡大などをどう進めるのだろう。北は今年に入り、韓国の朴槿恵政権を激しく攻撃してきた。

 党大会の報告で経済発展もうたわれたが、裏付ける手法や数値目標は示されなかった。

 日米韓としては、対北連携を維持し、制裁の厳格な履行に目を光らせ、核放棄へ強い圧力をかけ続ける。その基本姿勢を変えようがなく、むしろ警戒を強めることが求められる。

 長時間の演説の中で、日本の拉致被害者の問題にまったく触れなかった。忘れてはならない。(産経より抜粋)


場違いだった三木首相の言動…日本はサミットで経済的な国際協調の成果を示せ 学習院大学学長・井上寿一

 5月26、27日に伊勢志摩サミットが開催される。8年ぶり6回目の議長国として、日本はどのような役割を果たすべきか。1975(昭和50)年の第1回ランブイエ(フランス)サミットと比較しながら、歴史的な視点から考える。

場違いだった三木首相の言動

 第1回サミットはフランスと西ドイツ(当時)が主導する欧州先進国の首脳会議として構想された。主要議題は石油危機後の世界経済の再建策だった。欧州諸国は対日警戒心が強かった。それでも日本に招請状が届く。経済的な先進国協調を進める上で日本の存在は無視できなかったからである。

 ランブイエに到着した日本代表団は困惑する。ランブイエ城内で行われる首脳会議は首脳同士の議論の場だった。中に入れるのは1つの国につき5人までと制限された。ジスカールデスタン仏大統領やシュミット西独首相が激しくやり合う中に日本は入っていけるのか。随員の宮崎弘道外務省経済局長(当時)や吉野文六外務審議官(当時)、個人代表の牛場信彦氏といった戦後経済外交のプロフェッショナルたちの力量が試されることになった。

 ランブイエ城での日本代表団は場違いな存在だった。より正確には三木武夫首相(当時)の存在が場違いだったと言うべきだろう。第1回サミットの日本代表として、三木は張り切っていた。サミットの場で三木は、欧米諸国に対して日本独自の立場を主張することに熱心だった。三木は社会主義国との関係や非産油途上国の「窮状」にまで言及した。

 三木の言動に困惑する宮崎の一言が新聞に漏れた。「東南西北は端パイだ」。宮崎はマージャンにたとえて東西問題や南北問題を論じようとする三木を批判した。宮崎たちにとってサミットとは世界経済をめぐる先進国間の政策協調の場だった。東西問題や南北問題を話し合う場ではなかった。

 それでも日本は責任を果たすことができた。宮崎たちの努力の甲斐があった。石油依存度を引き下げる。エネルギーを節約する。産業構造を転換する。これらの重要な政策課題をめぐって、日本は先進国間協調と国益の確保のバランスを保つことができた。

利害が錯綜する経済分野

 サミットはその後、参加国が増え議題も拡大する。第1回サミットは6カ国だった。カナダが加わってG7になったのは第2回からである。98年の第24回バーミンガム(イギリス)サミットにロシアが参加し、サミットは変質する。この間に議題は東西問題や南北問題をも扱うようになっていた。

 2014年からロシアが参加しなくなる。サミットの参加国は本来の姿に戻る。議題の方はどうか。外務省の伊勢志摩サミットの公式ホームページはサミットの歴史を次のように概観している。「世界経済問題について首脳間で政策協調を議論する場として、1975年から開始。その後、政治問題、地球規模の問題についても議論されるようになった」

 この流れは変わらないだろう。テロ対策や難民問題、東アジアの安全保障問題が議題になることは確実である。これらの問題が難問であることはまちがいない。他方でG7が足並みをそろえることはむずかしくない。4月11日のG7広島外相会合共同コミュニケが共同歩調の方向性を示している。

 足並みがそろいにくいのは各国の利害関係が錯綜(さくそう)する経済分野の諸問題である。経済政策の国際協調や貿易自由化の推進は調整がむずかしい。この点を踏まえれば、5月1日から7日までの安倍晋三首相の欧州歴訪(ロシアを含む)の重要性がわかる。サミットの前の事前調整は欠かせない。

楽観は許さない日本の舵取り

 安倍首相は5月4日(日本時間)に欧州連合(EU)本部を訪れた。日EU経済連携協定(EPA)の年内大筋合意をめざすことが確認された。サミットの成功にとって悪くない収穫だった。翌5日、安倍首相はメルケル独首相と会談し、財政出動の必要性を訴えた。メルケル首相は明言を避けた。議論はサミットの場に持ち越されることになった。参議院選挙を控えて国内景気対策を優先させたい立場と議長国の立場は矛盾、対立することがあるかもしれないだろう。

 もう一度、原点に立ち返って考えるならば、伊勢志摩サミットの最重要課題は先進国間の経済的な国際協調である。第1回サミットは石油価格の高騰への対応策を議論した。今は石油価格の下落への対応策が必要になっている。資源エネルギー問題が世界経済に及ぼす影響は当時も今も変わらない。

 直接には円高の加速に伴って、「アベノミクス」による日本経済の先行き不透明感が強くなっている。国内経済対策と世界経済政策との間で、議長国日本の舵(かじ)取りは楽観を許さない状況にある。日本の国際的な責任は重い。世界経済の中に「アベノミクス」を位置づけ直しながら、伊勢志摩サミットにおいて日本が経済的な先進国間国際協調の成果を上げることに期待したい。(産経より抜粋)


【豪次期潜水艦】豪国防軍副司令官が単独会見 「仏提案採用の決め手は航続力」「ミサイル防衛で日本と協力」

 オーストラリア国防軍のレイ・グリッグス副司令官(海軍中将)は10日、都内で産経新聞との単独インタビューに応じた。副司令官は、日独仏が参画を目指していた次期潜水艦の共同開発相手にフランス政府系造船会社DCNSを選定した理由について、「豪海軍が作戦海域まで極めて長距離を航行しなければならないという事情が検討要素として大きく作用した」と述べ、仏提案では長大な航続性能を見込めることが選定の最大理由の一つだったことを明らかにした。

 仏提案は、同国のバラクーダ級攻撃原子力潜水艦(水中排水量5300トン)を通常動力型に改修する。改修型は「ショートフィン・バラクーダ」と呼ばれ、計12隻が豪南部アデレードで建造される。

 副司令官は、日本の「そうりゅう型」が選ばれなかった理由については言及しなかったが、在日豪大使館高官は「第三国の懸念は、豪政府の決定とは何の関係もない」と語り、日本案の採用に難色を示していた中国からの圧力は判断に影響しなかったと主張した。

 副司令官はまた、豪政府が仏提案を採用したのは将来的に原潜を導入する可能性を残すため、との見方が広がっていることについて、「臆測に過ぎない。国内に原発や核関連施設がない豪州が原潜を運用・維持していくのはほぼ不可能だ」と全面否定した。

 「そうりゅう型」が選ばれなかったことについて、日本政府の関係者からは「失望感が伝わってきた」と語り、「(失望は)十分に理解できる」とした上で、「われわれは同時に、関係を一層漸進させていくことも確認した。われわれの関係の深さは、価値観を共有して共通の課題に取り組んでいるからだ」と指摘した。

 日豪が今後、防衛装備品の調達または共同開発を進めていく可能性が高い分野として「ミサイル防衛」を挙げ、「日本の方が特定の脅威に近接しているが、両国にとり重要な問題だ」とし、防衛装備移転三原則の制定で本格的な軍事技術移転に乗り出した日本との協力推進に強い意欲を示した。

 今後、日本と豪州、さらに米国が共同で作戦行動を行っていくことに関しては、昨年豪州での日豪合同演習「タリスマン・セイバー」に日本とニュージーランドが初めて参加したことを引き合いに、日豪や日米豪でさまざまな共同訓練や演習が実施されていることを紹介し、「合同演習の回数が増えるに従い、質的にも格段に充実してきている」と語った。

 一方、中国が領有権を主張する南シナ海で環礁を埋め立てて滑走路などを造成し、軍事拠点化している問題では、「豪政府は、領有権を主張するいずれの国の立場にも立たない」としつつも、「いずれの国であろうと現状を一方的に変更することはできない」と強調し、中国の行動を牽制(けんせい)した。

 副司令官はさらに、「航行の自由の重要性」を強調し、豪軍の艦船や航空機を定期的に南シナ海に派遣し、「国際法に従って航行の自由を行使する行動を展開し続ける」とした。(産経より抜粋)


トランプ氏の同盟国への負担増要求に一理あり…日本、欧州はどう受け止めるべきか
更新日:2016年5月11日

 米大統領選で、ライバル候補が撤退し、ドナルド・トランプ氏が共和党候補指名を確実にした。外交・防衛に関しては、同盟国の「タダ乗り」を正す意図を明確にしており、トランプ大統領誕生の可能性を予測していなかった各国を動揺させている。しかし識者の中には、同氏の考えはあながち間違いではない、教訓とすべきだという声もある。

◆驚きの発言に関係国は動揺
 トランプ氏は3月に行われた講演で、「同盟国は、自国の防衛にかかる費用はアメリカに頼らずきっちり負担。できない国は、自力で防衛すべき」という持論を披露した。ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)は、NATOからの撤退や、日韓をアメリカの核の傘から除外することを匂わせた同氏の発言が、各国で警戒と当惑を持って受け止められたと報じている。

 イタリア大統領の外交アドバイザーを務めたステファノ・ステファニーニ氏は、「トランプ氏(が大統領になった場合)への不測の事態への対応策はない」と述べつつも、トランプ現象はフェードアウトすると考えるのは間違いで、同氏の考えは確実に次の政権や議会に影響を与えると憂慮している(NYT)。

◆NATOは今やアメリカにとってのお荷物?
 そもそも同盟国へのアメリカの不満表明は、トランプ氏以前から行われており、オバマ大統領自身が、欧州や中東の同盟国を「タダ乗り」と批判したことさえある。2011年には、オバマ政権の国防長官であったロバート・ゲイツ氏が、できることをしない同盟国のために大事な資金を使うことへの議会の意欲や忍耐力も薄れてきているとNATOに対し発言している(ディプロマット誌)。

 強いアメリカン・リーダーシップを求める欧州の政治家は、オバマ政権が他国の国益のための戦争に介入することに消極的なこと、また同氏が欧州諸国に「リスクを見込んで自ら(軍事に)投資する」ことを求めている現状に不満だという(NYT)。

 このような欧州の考えに、疑問を呈す識者もいる。イギリスの元駐米大使、ピーター・ウエストマコット氏は、NATOという集団安全保障の70%の費用をアメリカに払わせることが正しい、または持続可能なのかを欧州は考えて見るべきだと述べる(NYT)。

 米ケイトー研究所のシニアフェローで、防衛外交研究の専門家、テッド・ギャレン・カーペンター氏は、経済や安全保障の環境は大きく変化したと主張。アメリカは財政的ストレスを抱えるが、EUは人口、経済においてもアメリカを上回り、脅威であるロシアの力も低下しているため、何千マイルも離れたアメリカに頼らずとも、自前で地域を守る軍事力を持つ余裕があるはずだと述べる。トランプ氏のNATOに対する苦情は問題の症状を言い当てていると述べる同氏は、真の問題は、欧州がアメリカに安全保障を不自然かつ不健康に頼り続けることだと述べ、アメリカは古いNATOという重荷を振り払うべきだとしている。

◆日米への教訓?トランプ氏が示す、政府と民意のずれ。
 ディプロマット誌に寄稿した米スティムソン・センター主任研究員の辰巳由紀氏は、日本は駐留米軍のオペレーションコストの約75%を負担する最も寛大な同盟国だが、自国の防衛費はGDPのわずか1%強で、1997年度よりも減少していると述べ、現状ではゲーツ元国防長官が同盟国に求めた「自国の防衛において真剣で能力あるパートナー」への変貌を遂げるのは難しいとしている。

 辰巳氏は、安全保障関連法が施行された後、日本ができることは増えたとする。しかし日本の世論は自国の防衛を固めるという政府の努力には理解を示すが、国境を超えた安全保障上の国際協力には確信が持てず、これでは日米同盟をグローバルな戦略パートナーシップへという熱望とは裏腹に、政府が目指すことと国民が政府に許せることの間に深刻なずれが生じてしまうと述べる。

 また辰巳氏は、同盟国はタダ乗りというトランプ氏の見解には不備があるものの、トランプ氏の主張、そして批判はあっても同氏が共和党指名を手中にしたという政治的事実は、アメリカにも日本と同様に政府が目指すことと有権者が望むことの間にずれがあることを示した、と述べる。トランプ氏を軽視するのではなく、日米両政府が、「独りよがりにならないこと、また同盟の戦略的重要性を明確にするための努力において、リスク覚悟でさらに積極的になるべき」というサインとしてトランプ氏の台頭を受け止めるのなら、両政府にとって有益だろうとしている。(ニュースフィアより抜粋)


【日の蔭りの中で】「強いアメリカ」は米国の閉塞感の表れにすぎない 京都大名誉教授・佐伯啓思

 民主政治というものにさして信頼を置いていないものからすれば、米大統領選にからむトランプ現象はさして驚くほどのものではないであろう。とはいっても、かくも平然かつ公然と民主政治の大衆化あるいはデマゴーグ化が現前で繰り広げられると、あまり心中穏やかというわけにもいくまい。トランプ氏の勢いは止まらず、共和党大統領候補の指名獲得は確実になった。民主党はヒラリー・クリントン氏が選出されるであろうから、実際にトランプ氏が大統領に就任するかどうかは不明であるものの、このかくも盛大な騒動は、それ自体が重要な意味をもっている。それはただトランプ氏の強烈な個性によるというだけではなく、それを生み出し、支える米社会の深い混迷を示唆しているからである。しかもそのことは日本にとっても決して無縁ではないからだ。

 人によっては、トランプ氏は大変に頭のよい現実感覚をもった人物であり、あの物議をかもす物言いも、実は計算ずくだ、という。その真偽は私にはわからないが、この人物の一貫したメッセージは明白で、米経済を立て直して「強いアメリカ」を再現する。そのためにはアメリカの得にならないことはしないというものである。移民政策やアジアへの関与はアメリカの得にならないならやめよという。

 ここには、これまで米大統領が曲がりなりにも掲げてきた、自由や民主主義の理想、世界秩序の牽引者という理想はない。世界秩序の構築や、世界を民主化するなどという理想などかなぐり捨てて、アメリカの現実的利益を優先するというむき出しの「アメリカ中心主義」である。もはや、自由主義の理想も民主主義の理念も多民族の共存という理想も語られない。そして、トランプ氏への支持とは、そのパフォーマンスは別にしても、この「アメリカ中心主義」への共感であろう。

 そこまで米社会の閉塞感が強まったともいえるし、この20年ほどのアメリカの世界への関与がもはやアメリカの利益には直結しない、という事情もある。確かに、自由・民主主義の世界化、安定した世界秩序の形成といった「理念」を取り払って、いわば本音をむき出しにすれば、米国内が不調なのに、なぜアメリカはアジアや中東に関与し、自由貿易の擁護者でなければならないのか、ということにもなろう。なぜ、アメリカがわざわざ日本を守る必要があるのか。いったい、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は誰の得になるのか、という本音が出てくる。この本音が公然と政治的公開性を帯びて語られることとなったのである。

 誰が大統領になるにせよ、米社会の混迷の深さをわれわれは知るべきである。日米同盟さえ維持すれば、日本の安全は保障される、という時代ではなくなりつつある。また、良好な対米関係を維持するためにTPPを実現するなどというわけにもいかない。不安定なアメリカの民主政治に攪乱されることのない日本独自の防衛や経済の循環構造を構想するよいチャンスでもあるのだ。(産経より抜粋)

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事