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「令和の御代」の始まりが・・

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 益々もって「自主防衛なくして同盟なし&同盟とは相互扶助」「令和の大攘夷体制」の履行&構築が待ったなし‥(思案)

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     島1つ失い敗北の道へ、南シナ海情勢でよみがえる日米戦の教訓


香港(CNN) 1944年7月初め、太平洋に浮かぶ小さな島をめぐって、米軍と日本軍が第2次大戦中で最悪の規模の死者を出す激戦を繰り広げた。

日本側は政府が送り込んだ兵員のほとんどすべてに相当する2万9000人が戦死。対する米軍は約3000人が命を落とし、1万人以上が負傷した。

マリアナ諸島のサイパン島におけるこの戦闘は、日米間の戦争の趨勢(すうせい)を決した戦いとして知られる。勝利を収めた米軍は近隣のテニアン、グアム両島を含む3島に滑走路を建設。これらの拠点から戦略爆撃機「B29」による日本本土への大規模空襲を行い、戦局で圧倒的優位を占めるに至ったからだ。

一時期、テニアン島の米空軍基地には6本の滑走路が敷かれ、約270機のB29が配備されていた。45年8月、広島と長崎に原子爆弾を投下したB29も、同島の基地から飛び立っている。

複数の国が領有権を争う現在の南シナ海で、中国が実効支配する島に滑走路を建設している状況を考察するとき、75年前の「サイパンの戦い」で得られた重要な教訓を改めて思い起こすべきだろう。

南シナ海

南シナ海は約337万平方キロにわたって広がる太平洋西部の海域で、国際水域と各国が領有権を主張する水域、島々とで構成されている。中国は同海域の環礁を埋め立てて滑走路や軍事拠点を建設している。これらの施設に航空機を配備すれば、より広範な領域への軍事攻撃が可能になる。


豪グリフィス大学アジア研究所の軍事アナリスト、ピーター・レイトン氏は、中国が長距離爆撃機を南シナ海の島々に配備した場合、「空中発射の巡航ミサイルをオーストラリア北部の飛行場や港湾に撃ち込むことができる」と指摘。北部の都市ダーウィンに近いティンダル空軍基地などの施設は、「高度化した脅威」に対して直ちに備えなくてはならないとの認識を示した。

レイトン氏によればティンダルをはじめとする各基地は、「状況が大きく変化する」以前には「中国の攻撃射程の外に位置する聖域」と考えられていた。米軍と豪州軍はダーウィンの近くで定期的に軍事訓練を行っている。

射程が1600キロ拡大

元米海軍将校のカール・シュスター氏は、南シナ海の滑走路の存在により、中国軍最大の爆撃機「H6K」の射程が事実上1600キロ以上拡大すると分析する。

長距離巡航ミサイルを搭載することで、これらの機体は対空防御システムの射程外からの爆撃が可能になる。


シュスター氏はまた、南シナ海を掌握することで、中国はインド洋への玄関口にあたるマラッカ海峡やスンダ海峡、ロンボク海峡といった海上交通の要衝で、その海軍力並びに空軍力を誇示できると語る。北に目を向ければ、日本や台湾もその影響力にさらされるのは確実だという。

米軍による75年前のサイパン島の制圧は、日本という特定の敵に対して行われた作戦だった。しかし、2019年の南シナ海において中国の支配が拡大すれば、当時とは比較にならない数の国や地域が影響を受けることになる。

中国側は南シナ海に建設している滑走路や軍事施設について、あくまでも防衛を目的としており、自国の主権の下にあるとする領域を守るためのものだと主張している。

供給網

小さな島々を勢力下に置く理由は、航空機やミサイルの配備による国力の誇示にとどまらない。ありきたりと思われがちだが、いかなる軍隊にとっても極めて重要な利点がそこには存在する。第2次大戦中は米軍もサイパン島からそうした恩恵を受けていた。すなわち、戦力を供給する中継地点としての役割だ。

当時のサイパン島を例にとれば、米軍はこの島を重要な足掛かりと位置づけ、日本本土により近い島々での作戦を遂行した。沖縄などでの戦闘は、サイパンから物資や兵員を供給することで継続が容易になった。


現在の南シナ海でも、中国が建設した施設は人民解放軍の艦船にとっての安全な寄港地となる可能性がある。その場合これらの船は、停泊や補給のために中国本土の基地へ引き返す必要がなくなる。

現時点では、第2次大戦並みの規模の戦闘は言うに及ばず、いかなる種類の紛争も南シナ海での差し迫ったリスクとはとらえられていない。ただひとたび戦争という事態になれば、中国の実効支配する島々が同国の軍隊に際立った優位性をもたらすのは必至だろう。

日本はサイパンの戦いで被った損失を挽回(ばんかい)することなく、敗戦への道を突き進んだ。南シナ海における米国とその同盟国についても、島の軍事拠点化による中国の優位を覆すのはもはや手遅れなのではないかとの見方が出ている。

軍事アナリスト、ピーター・レイトン氏は、拠点化した島々を通じ「中国が東南アジア地域の中心を支配している」と説明。「域内のどの国も、島々がもたらす脅威に対し現実的な対抗手段を持ち合わせていない」と懸念を示した。(CNNより抜粋)


米軍制服組の次期トップ、中国は「今後100年の課題」 上院公聴会で発言


(CNN) 米軍制服組トップの統合参謀本部議長に指名されているマーク・ミリー陸軍参謀総長は11日、中国が今後最大で100年にわたり、米軍にとっての「最重要の課題」であり続けるとの認識を表明した。

ミリー氏は昨年、トランプ大統領からジョー・ダンフォード統合参謀本部議長の後任に指名された。中国に関する今回のコメントは、指名を承認する上院軍事委員会での公聴会で述べたもの。

この中でミリー氏は、過去に米軍が中東で展開してきた戦争に言及。「第1次及び第2次の湾岸戦争の間、中国は我々をつぶさに観察していた。我々の戦力を見極め、あらゆる方法でそれらを模倣してきた。軍隊に関する基本的な原理、組織体系の多くを取り入れてもいる」と語った。

同氏によると、中国軍の戦力は宇宙やサイバー空間を含む各領域で「極めて急速に向上している」。研究開発や武器の調達に米国をしのぐ巨額の費用を投じていることが背景にあるという。

指名が承認されれば、ミリー氏はトランプ大統領の軍事顧問としても最高の地位に就く。中国の軍事力は、南シナ海をはじめとする世界各地で拡大を続けている。

公聴会で、中国軍の再編が米国に長期的な脅威をもたらすかどうか問われたミリー氏は、「米国の安全保障にとって、向こう50年から100年は最重要の課題になると思う」と返答。100年後の2119年に歴史家が今世紀を振り返った本を書けば、米中関係を主題にする者がいるだろうと言及した。

ただ一方で、現時点において中国は「敵国」ではなく、あくまでも「競争相手」だとの見方を強調した。

ミリー氏は、これまで第10山岳師団や第101空挺師団などの司令官を歴任。アフガニスタンやイラクで数々の実戦任務をこなしている。(CNNより抜粋)


中国の空母「遼寧」が日本近海通過、その事実が暗示する恐ろしい未来


7/12(金) 8:00配信 現代ビジネス



 米中貿易摩擦の行方が最大の注目点となったG20サミットが開催される少し前の6月11日早朝、中国海軍のクズネツォフ級空母「遼寧(りょうねい/CV-16:65,000トン)」を中心とする6隻の空母艦艇群(グループ)が東シナ海から沖縄・宮古島間を通峡(南下)して太平洋へ進出した。


 同艦艇群がこの海峡を通峡したのは、平成28(2016)年12月25日(海峡南下)、同30(2018)年4月21日(海峡北上)に次いで3回目である。

 これは、西太平洋方面への外洋航海を兼ねた日米台(日本、米国、台湾)に対する軍事的示威行動(プレゼンス)であるのは明らかであるが、われわれが何より注目しなければならないのは、これら中国の運用の進化。即ち、「中国海軍の空母運用がどれほど実戦に即してきたか」ということである。
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人民解放軍がダミー会社まで作って手に入れた空母

 この空母「遼寧」というのは、元々旧ソ連海軍クズネツォフ級空母の2番艦として「ワリャーグ(ロシア語で戦士の意)」と名付けられ、ウクライナ造船所で建造されたものであった。

 しかし、完成間際にソ連が崩壊して整備計画がとん挫し、ウクライナがソ連から独立したため宙に浮いていた本艦は、ロシアとの交渉の後にウクライナの保有となった。

 これを中国の人民解放軍の息のかかったマカオの観光(ダミー)会社が、「カジノ付きの洋上ホテルに改修する」との名目で1998年にウクライナから買い取ったものである。

 この際、エンジンやその関連機器、電気系統などはほぼ元のままの状態であった模様である。その後、このダミー会社は消え失せ、購入時の契約で定められていた「軍事目的で使用しない」との約束は反故にされて、本艦は機関や設備から兵装に至るまで大幅な改修が加えられ、2011年に中国初の空母として完成に至ったのである。 

 人民解放軍がダミー会社まで作ってこの空母を何としても手に入れようとした背景には、1996年の(第三次)台湾危機が関係している。

 この年、中国が台湾海峡で弾道ミサイルなどの実射演習を行って(独立派の李登輝総統の再選が懸かった総統選挙直前であった)台湾を軍事恫喝した際、米国は「ニミッツ」と「インディペンデンス」を中心とする2個空母戦闘群(CVBG:Carrier Battle Group/空母を中心とする攻撃部隊)を台湾海峡周辺に派遣して中国をけん制し、台湾海峡は一触即発の状態となった。

 結局、戦闘は回避され、中国の目論見は失敗に終わり、李登輝総統は無事に再選を果たしたが、中国はこのCVBGによる米軍の機動力の高さを目の当たりにすることになり、将来的に米国に軍事力で対抗するためには、何としても空母を保有する必要があると痛感したのであろう。

外洋活動に必要なコマはそろった

 最初に空母「遼寧」艦艇群による沖縄・宮古島間の通峡が確認されたのは、前述のように「遼寧」完成から5年後の平成28(2016)年12月であった。この時の艦艇群の編成は、空母「遼寧」のほか、ルーヤン(ミサイル駆逐艦7,000トン級)1隻、ルーヤン(同)2隻、ジャンカイ(フリゲート艦4,000トン級)2隻の計6隻であった。

 2回目の平成30(2018)年4月は、「遼寧」のほか、ルーヤン1隻、ルーヤン3隻、ジャンカイ2隻の計7隻であり、ミサイル駆逐艦が1隻多いほかは、1回目とほぼ同じ編成であった。つまり、この編成が中国海軍の空母艦艇群としての基本編成なのであろう。

 因みに、現在の米海軍空母打撃群(CVSG:Carrier Strike Group)の基本的な編成は、空母(100,000トン級)1隻、ミサイル巡洋艦(7,000トン級)1〜2隻、ミサイル駆逐艦(9,000トン級)2〜4隻、攻撃型潜水艦(6,000トン級)2隻、補給艦(40,000給油艦/高速戦闘支援艦等)1〜2隻の計7〜11隻となっており、中国はこれを参考にして保有する艦艇の中から編成を組んでいるものと考えられる。

 米海軍のCVSGと比較すると、この2回の「遼寧」艦艇群の中で欠落している艦艇がある。それは、攻撃型潜水艦と補給艦の存在である。

 この内、潜水艦については実際に艦艇群に先行するなどしていたかもしれないが、これは表には出てこないので何とも言えないものの、周辺で活動していた可能性はあるだろう。

 一方、補給艦については、この6月の空母「遼寧」艦艇群の編成で新たに確認された中国海軍の最新型補給艦である「フユ級高速戦闘支援艦(AOE-965:48,000トン)」の存在に刮目しなければならない。この高速戦闘支援艦(Fast Combat Support Ship)というのは、空母の運用に必要な補給を行うため特別に設計された補給艦であり、燃料から弾薬や数千人分の食料に至るまで、この1隻で全て空母艦艇群に関わる補給を賄うことができる能力を有している。満載排水量は今までの中国海軍の補給艦の倍以上で、速力も25ノットと高速で航行する空母に追随することが可能である。

 つまり、今回の艦艇群を見ると、編成上これで中国海軍の空母艦艇群が外洋で活動できる駒がそろったということになる。

訓練内容は格段に進化している

 では、この空母艦艇群の実際の運用能力はどうであろう。

 過去3回のこれら艦艇群が太平洋に展開した際の活動状況について、防衛省統合幕僚監部の公表資料から見てみるとその一端が窺える。

 (1)平成28(2016)年12月の状況
空母艦艇群は、青島(チンタオ)の母港に集結後、出港したものと見られ、東シナ海を経て沖縄・宮古島間を通峡して太平洋に進出した。

 海上自衛隊が確認したところによると、この東シナ海で活動した際には、「フチ級補給艦(AOR-966:23,000トン)」が随伴していたことから、訓練を兼ねて洋上補給を実施した後に太平洋へ進出したのであろう。太平洋へ進出後は特に目立った活動等はなく、程なく台湾を周回するように台湾南部のバシー海峡を西航して台湾海峡を北上し帰投したものと思われる。

 これらは、日米台に対する軍事的示威行動はもちろんのこと、艦艇群としてこれらの海峡を通峡することや太平洋へ進出することを主目的とした外洋航海訓練であったものと考えられる。

 (2)平成30(2018)年4月の状況
このときは、前回と逆コースで青島を出港した空母艦艇群は東シナ海を経て台湾海峡を南下した後、台湾を周回するようにバシー海峡を東航して西太平洋へ進出した。この際、西太平洋へ出たところで空母に搭載した複数の艦載戦闘機による離着艦訓練が行われているのを海上自衛隊が視認した。外洋で空母「遼寧」の艦載戦闘機による離着艦が行われるのを確認したのはこれが初めてであった。

 また、これら艦艇群が西太平洋へ進出して反転北上し、沖縄・宮古島間を通峡するまでの3日間にわたり、中国海軍の航空部隊と連携した訓練も実施した模様である。この爆撃機や支援機は、中国本土の基地を離陸して東シナ海を横断し、沖縄・宮古島間の海峡上空を南下して空母艦艇群とは逆コースを飛行して台湾を周回するように母基地へ帰投した。爆撃機が東シナ海から同海峡上空を西太平洋へ抜けるまでの間には、戦闘機2機による随伴(エスコート)も確認された。

 航空自衛隊のスクランブル機がこれらの航空機を写真撮影し、爆撃機(H-6)が対艦ミサイル(ASM)と思しきミサイルの搭載を確認したことなどから、この爆撃機等は空母艦艇群と対抗訓練を行ったものと推定される。

 恐らく、航空部隊は(米空母打撃群への攻撃を模擬して)艦隊攻撃を実施し、一方の空母艦艇群は空母を中心とした対空防護訓練を実施したのであろう。即ち、これらは前回のような外洋航海と示威行動が主体ではなく、外洋における実戦的な戦闘訓練を主眼に置いたものであったと考えられる。

 以上2回の状況を見ると、初めて西太平洋へ進出して1年半足らずの間で訓練内容は格段に進化していることが窺える。

今回から加わった最新型補給艦

 最初に太平洋へ進出した際は、空母に艦載機の搭載は確認されなかったが、2回目の通峡時は艦上に8機の戦闘機とヘリ1機の搭載が確認された。艦内にも艦載機は格納可能なので実際に何機搭載していたかは不明であるが、「遼寧」は20機ほどの戦闘機(J-15)が搭載可能とされている。

 最後に、今回の6月の状況を見ると、艦艇の種類や規模も今までとほぼ同等であったものの、今回は空母艦上に戦闘機等の搭載は認められなかった。しかし、今までと全く異なる点が三つ確認された。

 一つめは、先に触れたように最新型補給艦である「フユ級高速戦闘支援艦」が初めて随伴し、「今までよりさらに航海距離を延伸してグアム周辺まで航行した」ということ。

 二つめは、1回目と2回目は空母に随伴した艦艇の半数である3隻(ミサイル駆逐艦1隻、フリゲート艦2隻)が同じ個艦であったのに対し、今回は空母を除く全ての個艦が、「今まで空母に随伴して外洋(太平洋)に出たことが認められなかった艦であった」ということ。

 そして最後に、今までの2回は北海、東海、南海艦隊それぞれの艦隊所属艦からなる混合編成であったのに対して、今回は全て「空母の母港である北海艦隊所属艦で編成されていた」ということである。

 これはいったい何を意味するのか。筆者は、いよいよ「北海艦隊で『遼寧』を主体とする空母打撃部隊が本格的に編制された」のではないかと考えている。

 今回は、この手始めとして東シナ海から沖縄・宮古島間を通峡し、太平洋へ進出して新たに加わった高速戦闘支援艦による空母への洋上補給を演練したり、それぞれの戦闘艦艇が隊形を組んで空母を護衛したりする訓練を実施したのではないかと推定する。加えて、南シナ海への覇権や台湾の問題などで中国を抑え込もうとする米国に対する示威行動として、グアム周辺におけるプレゼンス活動を実施したのであろう。

 今回、艦上に艦載戦闘機等を搭載していなかったのは、米国を過度に刺激しないよう配慮した結果かもしれない。

早急に戦略面からの見直しが必要

 空母「遼寧」を中心とする中国海軍の空母打撃群は、ようやくその運用が緒に就いたばかりと見られる。しかし、もう間もなく艦載機を満載した「遼寧」艦艇群が定期的に西太平洋を周回するようになるであろう。最後に今後の動向とわが国や米国などに及ぼす影響について考えてみたい。

 (1)米国や他の地域に及ぼす影響
そもそも、空母というのは、その建造や運用に莫大なコストがかかる。旧ソ連も結局はこの負担に耐えられずに米国に匹敵するような空母部隊の建設を断念した。

 一方で、中国が未だ堅調な経済基盤を背景にこの建設計画を推進し、独自に建造した新たな国産空母「001A型:70,000トン級」が進水して試験航行を実施中であるほか、「002型」と呼称される2隻目の国産空母も上海郊外の造船所で建造中の模様である。米国防総省は、この空母について2022年にも完成する可能性があると予想している。今後、中国は少なくとも4個以上の空母打撃部隊を編制するつもりであろう。これは、それほどまでに莫大な経費を投入しても、この投資に見合うだけの戦略上のメリットがあると確信しているからに他ならない。

 中国の空母打撃群は、現時点ではとうてい米国の空母打撃群に匹敵するような戦力ではないし、将来的にも、中国軍が米軍に戦術面で互角に戦って勝てる相手ではないだろう。しかしながら、中国の空母打撃群によってグアムやハワイさらには米本土が弾道ミサイル以外の戦力で直接脅威にさらされるというのは、とても看過できないことであるだろうから、この対応に一定の戦力を拘置する必要が出てくる。したがって、いずれかの地域で米軍が多大な戦力を展開しなければならないときには、「極めて厄介な存在たりうる」ことが予想される。

 また、米軍不在の地域における国々にとっては、この空母打撃群は相当な脅威となる。つまり、「世界の警察」という役割を放棄して孤立主義化する米国のすきを狙った戦略的地域における「力の外交」が可能となるということである。中国は、これだけでも十分なメリットがあると考えているのであろう。

 (2)わが国に及ぼす影響
また、中国はこの空母打撃群を前述のような戦略的アイテムとして以外に、実際の作戦行動においても、南シナ海などにおける海洋権益の確保やシーレーン防衛に加えて、何よりも台湾有事の際に必須の機動部隊であると考えているに違いない。まさに前述した空母「遼寧」艦艇群の台湾周辺における活動がこれを裏付けている。

 これは取りも直さず、尖閣諸島における有事の際にも同様にこの機動部隊が有効であるということであり、わが国はこの空母打撃部隊に対する防御作戦も考慮しておかなければならない。そのためには、東シナ海方面だけではなく、比較的防御が脆弱である太平洋方面からの攻撃にも備えなければならない。

 たとえば、航空自衛隊は、F-35の配備推進はもとより国内各地域における機動展開能力をさらに拡大する必要があろう。また、海上自衛隊は、空母部隊の建設もさることながら空母機動部隊に有効な潜水艦部隊の増強を考慮する必要があろう。

 そして、何より重要なのは、海空自衛隊の協同作戦及び日米共同作戦の強化であることは言うまでもない。しかし、トランプ大統領になってから、日米安保の片務性があらためて取りざたされるなど、日米共同作戦に過度に期待するリスクも考えなければならなくなってきている。

 わが国は、独自に国を護る防衛力について、早急に戦略面からの見直しが必要となっているのではないだろうか。中国が、台湾や尖閣諸島での緊張をさらにエスカレートさせて、わが国が軍事的に対応しなければならなくなった際に、「中国の空母打撃部隊が日本海と太平洋からわが国を挟み撃ちするように取り巻く」というような事態が顕現する前に。(Yahoo!より抜粋)



韓国・文大統領が日本に報復できない理由、元駐韓大使が解説


7/12(金) 6:01配信 ダイヤモンド・オンライン


● 文大統領はリーダーシップを取らない

 文大統領政治の数ある特徴は、拙著新刊『文在寅という災厄』でも述べたが、以下の3つに集約できると考えている。


 1、 現実を直視せず自分に都合のいいように解釈する

 2、 国益を考えず原理原則にこだわる

 3、誤りを認めて謝罪せず常に自分が正しいと主張する

 さらに今回目立ったことは、責任回避である。韓国の文在寅政権を批判する際によく言われることは、文大統領とその側近グループは自分たちが評価されることには前面に立って取り組むが、都合が悪くなると官僚に責任を負わせて知らんぷりするということだ。

 日本が1日、フッ化ポリイミドとエッチングガス(フッ化水素)、レジストの3品目について、輸出管理を包括的な許可から個別審査に切り替えると発表してからも、文大統領はその対応を洪楠基(ホン・ナムギ)経済副総理以下の経済チームに任せ、自らは米朝会談以降の北朝鮮との融和に取り組んできた。

 この問題が日韓経済関係を揺るがす事態に発展する懸念が高まったところで、文大統領はようやく重い腰を上げた。しかし、自ら主宰した会議の結論は、経済関係の閣僚たちが出した結論と何ら変わるものではなく、大統領としてこの問題にどのように取り組むのかは、輪郭さえも見えてきていない。
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● 日本の輸出規制措置は 韓国経済を直撃

 日本の対韓国輸出規制強化によって、韓国の半導体業界が打撃を受けることは、韓国経済の致命傷になりかねない。韓国の国内総生産(GDP)の37%は輸出が占め、半導体は輸出の20%を占めている。世界の半導体市場でサムスン電子とSKハイニックスは50%を超えるシェアを持ち、ディスプレーはLGディスプレイとサムスン電子でシェア30%を占めている。

 文大統領は8日に青瓦台で主宰した首席秘書官・補佐官会議で、この問題は前例のない非常事態と認めた上で、「韓国企業に被害が実際に発生する場合に、わが国政府としても必要な対応を取らざるを得ない」「日本側の措置撤回と両国の誠意のある協議を求める」「政府は企業とともに被害を最小限に抑える短期的な対応と処方箋を抜かりなく講じる」と述べた。この問題で文大統領が初めて表明した立場だ。

 だがこれに対し、世耕弘成・経済産業相は、「今回の措置は輸出管理を適切に実施する上での必要な日本国内の運用見直し」であり「協議の対象ではなく、撤回も全く考えていない」と直ちに拒否した。

 文大統領が前面に立ち、日本への対応を指揮するようになったのは、韓国政府にとって一歩前進ではある。しかし、その中身に全く新味はなく、経済官庁がまとめた案を基に指示しただけだった。

● 財界も見放した 文大統領の対策

 文大統領は、「短期的な対応と処方箋を抜かりなく講じる」と述べたが、韓国政府が今検討している対策は、好意的に見ても中長期的対策であり、当面の効果は期待できない。その間に韓国経済が被る損失は計り知れない。

 10日に白芝娥(ペク・ジア)在ジュネーブ代表部大使は、WTOの商品貿易理事会のその他の議題において、「日本は政治的動機で貿易制限措置を取った」「韓国企業だけでなく世界の貿易にも否定的な影響を及ぼす」「日本側は国際的な貿易ルールに違反しており、措置の撤回を強く求める」と訴えた。これに対し日本の伊原在ジュネーブ代表部大使は「規制措置ではなく、安全保障に関する貿易管理上の見直し」であり、「韓国を簡素化手続きの対象から通常の手続きに戻したものでありWTOの協定上問題はない」とその訴えを退けた。韓国がWTOに提訴したとしても、結論が出るまでには数年要するといわれる。

 文大統領は、「部品、素材、装備産業の育成を最優先事項の一つとして企業を支援する」とし、このため毎年予算を1兆ウォン割り当てるという。

韓国政府はこれに加え、兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長を米国に派遣して、日韓間の問題の仲裁を要請した。兪本部長は米国の主要通商当局者と会い、日本の措置が国際ルールに違反する理由や、アップル、クアルコムなど米国企業に与える被害の可能性などを説明すると見られている。だが、米国が耳を貸すかどうかは分からない。米国は日韓で問題になったレーダー照射事件に介入してこなかったからだ。米国政府にとってみれば、日韓の対立は面倒なので介入したくない、というのが本音であろう。

 韓国の財界はこうした状況に焦りを感じ始めており、独自に半導体素材の調達に乗り出している。サムスンとSKハイニックス、LGは第三国での在庫確保に乗り出しており、台湾や欧州などの第三国で製造している日本企業の製品を調達すべく、文字どおり東奔西走している。特にサムスンの李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は10日、文大統領が主宰する財界人との会合を欠席してまで日本出張に乗り出している。もともと財界との重要な意見交換は、各企業個別に行われなければ本音は聞けない。今回のような会合は、文大統領の「自分は努力している」という国民向けのアピールであろう。財界は、もはや文大統領は頼れないということか。

● 韓国は日本に対して 貿易政策で報復できない

 そもそも日本の輸出管理の措置は、韓国が主張するような「元徴用工」問題への報復として取ったものではない。あくまでも、日本企業が韓国に輸出した上記3品目の取り扱いについて「不適切な事案」があったためで、輸出に当たって個別の審査と許可を経るよう求めることにしただけだ。

 ただ、日本政府は何が「不適切な事案か」は説明していない。西村康稔官房副長官は、韓国とは「輸出管理をめぐり3年以上十分なコミュニケーション、意見交換が行われていないという点も背景にある」と指摘している。

 今年5月に朝鮮日報が報じたところによれば、韓国政府が作成したリストで、2015年から19年にかけ戦略物資が韓国から流出した不正輸出案件は156件に上るといわれる。韓国はこうした不正輸出を摘発しているというかもしれないが、それではなぜこれまでそれを公表しなかったのか、日本との適正な貿易管理のための協議に応じなかったのか。これでは文政権は日本との情報の共有を回避し、不適切事案について隠ぺいしようとしていると受け取られても、やむを得ない状況である。

 文大統領は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の機嫌を損なわないよう、北朝鮮が嫌がることは極力避けてきた。韓国船が北朝鮮への石油の瀬取りへの関与が疑われても、その調査に及び腰だ。その上、北朝鮮産の石炭をロシア経由で輸入した韓国企業もかばっている。日本が個別許可を求めた3品目は、化学兵器やレーダーなど、軍事転用され得るものであり、それが北朝鮮に流れたとしたら、日本や東アジアの安全保障に甚大な影響を与えかねない。こうした物品の輸出管理を適正に行うことは日本政府の国際的義務であり、WTO違反とは全く関係のないことだ。
文大統領は、韓国企業に被害が及ぶ場合には必要な対応を取らざるを得ないと述べている。しかし、文大統領はこれまで政府の無策や道徳性を批判されることを嫌い、マスコミや司法当局を締め付けてきたような人物だ。そもそも、日本の報復措置が発動されると指摘されて久しいにもかかわらず、無為無策でここまできた。今、打てる手があれば、今ごろそれを発表しているはずだろう。

● 手詰まりの韓国 日本への報復は「火に油」

 韓国には、貿易面で日本に報復し、効果を期待できる方策は少ない。半導体の日本向け輸出を止めるとしても、韓国の半導体の輸出先は8割が中国、日本は1割だ。しかも、サムスンの連結営業利益は4〜6月期で対前年度比56%減少した。大口顧客向けに価格を大幅に引き下げたのが原因といわれる。その上、製品在庫は通常の3倍の3ヵ月分に膨らんでいる。こうした状況を見ても、韓国が半導体の輸出を止めることは難しい。韓国の得意な欧米向けハイエンドテレビの液晶パネルも、第三国で代替可能な製品が多い。

 日本の自動車関連の輸入を差し止めるという策も考えられるが、これは火に油を注ぐことになるだろう。日本が韓国を「ホワイト国」指定から外すという追加措置が待ち受けており、貿易戦争が激化するだけだ。「外交的解決に向けても努力していく」と述べたのはこのためであろう。

 韓国の経済は、日本の明治維新をモデルとして発展してきた。今般の日本の輸出管理措置は、韓国製造業がいかに発展したとはいえ、構造上日本に多くの面で依存していることを露呈した。韓国財界は、これ以上日本との経済関係を悪化させたくない、というのが偽らざる本音なのではないだろうか。

● 日本に対する無策な文政権に 国民感情は反発も

 文政権は、日本が輸出管理を個別審査に変えたことを、対抗策で止める手段がなかなか見当たらない。

 韓国では、中小商人自営業者総連合会が、日本製品の販売を中止すると発表した。日本製品不買運動、日本への旅行自粛運動の影響も出始めている。韓国の一般国民は冷静であっても、国民感情を刺激しようとする一部の人々の動きがあり、彼ら・彼女らは止められない。感情的な反発の連鎖につながる恐れがある。

 そのため、日本政府は韓国の国民感情をいたずらに刺激しない方が得策である。輸出管理措置として、これら3品目の許可制を導入したことは、北朝鮮の脅威という安全保障上の観点が絡むため、やむを得ない。ただ、日本政府は導入に当たり、文大統領がG20で安倍総理との会談もできずに帰国した2日後に突如公表した。韓国国民はこれを「後ろからいきなり殴られた」と解釈し、日本への国民的反発を強めることが懸念される。

韓国政府にとっても韓国国民の反日感情は両刃の剣だ。必ずしも韓国政府に味方し、後押しするものばかりではないことを肝に銘じるべきである。文政権に日本に対抗する有効な手段があれば、これを後押しするだろうが、有効な手段がない場合には、逆に文政権の無為無策を批判する運動にも発展しかねない。

 日韓双方で国民感情がぶつかり合うことは、日韓の対立を深め、泥沼化する方向へ導くだろう。

● 問題解決の道は、韓国政府が 問題の本質を理解し対応すること

 こうした両国の争いを解決する道としては、両国の首脳が会談して忌憚のない意見交換をするのが最善の道である。しかし、問題の本質を避け、独善的な道を歩む文大統領と会談して、成果が上げられるだろうか。文大統領には、この問題の本質をもう一度考えてもらいたい。

 まず、この問題は輸出管理の問題であること。金正恩委員長のご機嫌ばかりとり、北朝鮮の制裁破りを黙認し、場合によっては助長する政策を止め、北朝鮮の核ミサイル、生物化学兵器の開発を制止する姿勢を明確にするべきだ。そして韓国企業で北朝鮮に加担する企業があれば、これを取り締まることである。

 今回の問題は、「元徴用工」問題への報復ではない。しかし、これまで日本が韓国をホワイト国として遇していたのは、韓国と戦略的価値を共有し、信頼できる友好国として扱ってきたからである。韓国が日本との信頼関係を回復し、再び友好国となるには、1965年の国交正常化の際に合意した事項を、誠実に順守する姿勢が重要になってくる。

 今回の争いを「雨降って地固まる」としたいものである。

 (元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)・(Yahoo!より抜粋)


悪化の一途の日韓関係を米国が傍観する理由


7/12(金) 6:15配信 JBpress



■ 「日韓貿易戦争」とはしゃぐ米メディア

 日本政府は7月4日、半導体や有機ELパネルなどの製造に使われる3品目のハイテク関連素材に関する「包括的輸出許可制度」対象から韓国を除外した。

 日本政府は、こう説明している。

 「文在寅政権が徴用工問題はじめ慰安婦問題などすでに両国政府間で取り交わしていた外交上の約束事を一方的に反故にしたこととは無関係だ」

 「韓国が対北朝鮮経済制裁に反して北朝鮮に物資を流している。最恵国待遇に匹敵する『ホワイト国』の対象国としての信用を失ったためだ」

 日本政府はあくまでも「報復措置ではない」と否定している。

 しかし、一部米メディアは「ドナルド・トランプ大統領が中国に仕かけているトランプ流を真似た日本の報復措置」(ウォール・ストリート・ジャーナル)と燥いでいる。

 まだ大々的な報道ではないが、テレビではNBCが同じようなトーンで日韓の確執をかなり詳細に報じている。

 (https://www.cnbc.com/2019/07/08/japan-south-korea-tensions-appear-set-to-drag-down-trade.html)

 東アジアに関心のある専門家や日韓オタクも東アジアでは「米中貿易戦争」に加え、「日韓貿易戦争」の様相を呈してきたと見ている。

 米一般大衆の大半はまだ日韓の対立については知らないようだが、韓国製のスマートフォンは米国内でも出回っている。

 「日韓貿易戦争」が長引けば、日韓関係には無関心なトランプ大統領の支持者の間でも話題になるだろう。票田の南部や中西部に住む一般大衆にも若干の影響は出てくるだろう。
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■ いずれトランプ大統領が仲裁してくれるはず 韓国の甘い期待

 日本や韓国で言い争いが起こると、兄貴分の米国がしゃしゃり出てきた。日本と韓国は、米国にとってはともに「同盟国」関係にある。

 その両者が喧嘩をすれば、東アジアにおける米国の国益に反する。だから仲裁役を買って出る。

 少なくとも米外交政策に携わってきた米政府当局者はそう判断し、行動してきた。現に2014年3月、バラク・オバマ大統領が安倍晋三首相と朴槿恵大統領との間を取り持った。

 そうした経緯もあり、韓国メディアによると、韓国政府部内には「遅かれ早かれ、米国がまた韓日の対立解消のために本格的に介入してくれるだろう」といった希望的観測が出始めているという。

 希望的観測が出る根拠がないわけではない。

 国務省朝鮮部長だったジョイ・ヤマモト氏(6月28日に退官)は、6月24日、ワシントンで開かれた戦略国際問題研究所(CSIS)と韓国国際交流財団共催の会議でこう述べている。

 「韓国も日本も米国にとっては非常に重要な同盟国である。日韓相互間の協力もまた非常に需要だ」

 「これらの同盟関係が強力でなければ北朝鮮との(非核化を巡る)交渉は成功しない。遺憾なことに現時点での両国の関係は良くない。この状況を解きほぐすのに米国ができることあればやる」

 (https://www.c-span.org/video/? 462007-5/us-south-korea-relations-asia-pacific-security-panel-2)

 ところが日本政府には、米国に仲介役を頼むような空気はさらさらないようだ。その理由は、後述したい。

■ 大統領に助言できない米国務省の実務者

 韓国から仲介役を期待されているトランプ大統領と外交実務者たちはどうしているのだろうか。

 確かに前述のように、朴槿恵政権当時、歴史問題が再燃し、オバマ政権は舞台裏で動いた。2014年3月、ヘーグで開かれた会議を利用して安倍首相と朴大統領と会わせた。

 これを受けて、日韓両首脳にメッセージを送り、2015年12月の慰安婦問題の「最終解決」合意につながった。

 ところが、ドナルド・トランプ大統領は、オバマ氏とはすべてにおいて異なる。オバマ氏のやったことは内政でも外交でもすべてひっくり返そうとしている。

 「オバマのやったことは俺は絶対にやらない」というのだ。

 国務省担当の主要紙記者は筆者にこう指摘する。

 「東アジアにおける米国の安全保障上の国益から考えて米国が日韓の間に割って入るべきだし、国務省の東アジア政策の実務者たちはそう考えている」

 「ヤマモト朝鮮部長が辞める前にそうした見解を明らかにしたのもそうした実務レベルの総意を代弁した」

 「ところがこうした実務者の声が省内の上には上がらない状況にある」

 「マイク・ポンペオ国務長官は北朝鮮、イラン、中東と飛び回っているし、日韓どころではない」

 「東アジア政策担当の最高責任者である国務次官補(東アジア・太平洋担当)は2017年以降、空席で代行が務めていた。去る6月20日退役空軍准将のデイビッド・スティルウェル氏が就任したばかり」

 「とてもではないが、実際に日韓関係に精通する実務者たちの声が国務長官に届くような状況にはない。もっとも長官に届いたとしてもそれがトランプ大統領に届くかどうか」

 「トランプ大統領のイエスマン的存在であるポンペオ長官から見て、日韓問題で大統領に進言することなど無理だろう」

「ではホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)はどうか。最高責任者のジョン・ボルトン国家安全保障担当補佐官*
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、はイラン情勢の対応に追われているとされている」 *1=7月5日付で報じたボルトン補佐官解任説について9日現在、ホワイトハウスは一切コメントしていない。また米メディアによる続報もない。

「ボルトン氏の部下のマット・ポティンガ―・アジア上級部長が日韓問題を担当しているが、若干45歳の退役海軍大佐(その前にはウォール・ストリート・ジャーナル北京特派員)が大統領に日韓の仲裁を進言できるような立場にはない」

■ 元国務省高官: 「米不介入が事態をここまで悪化させた」

 安倍首相とは「親友関係」にあるとされるトランプ大統領は日韓関係の現状についてどう考えているのだろうか。

 オバマ政権で国務省北朝鮮担当特別代表(国務副次官補を兼務)を務めたことのある韓国系米国人、ジョセフ・ユン氏は、「朝鮮日報」の姜仁仙(カン・インソン)記者にこう答えている。

 「トランプ大統領は同盟とか同盟間の結びつきを気にしていない。だから日韓がもめていても自らが水面下で何かやるといった役割はしてこなかったし、できなかった」

 「米国がこれまで伝統的に行ってきた日韓間の調整役をトランプ氏は一切やらなかったために事態はここまで悪化した面がある」

 「トランプ政権になってからというもの、日米韓3か国の首脳同士が会って真摯に問題解決のために話し合ったことはない」

 「今となっては、3者による首脳会談の枠組みが機能するのは難しい状況になってしまった」

 かって東アジア太平洋担当の首席国務次官補だった元外交官もユン氏の分析に同意している。筆者にこう語る。

 「政府部内外の東アジア専門家たちは日韓関係の現状を非常に憂慮している。影響は単に通商貿易関係に及ぶだけではない。安全保障問題にも飛び火する。中国も最大限の関心を持って見ているはずだ」

 「ところがトランプ氏には同盟関係というものを評価(Appreciation)したり、その意義について理解(Understand)したり、『管理・維持』(Manage)することがいかに重要かが全く分かっていない」

 「NSCメンバーを見ても集まっているスタッフは単独行動主義者(Unilateralist)と通商貿易にしか関心のない人間ばかり。彼らは、日韓のいざござなどには全く関心がないのか、関心はあってもそれほど重視しない者ばかりだ」


■ 下手な「譲歩」は政治生命を失う

 トランプ政権内部には、日本、あるいは韓国が米国に仲介役を頼んでくれば、大統領としても動かざるを得ないという声はあるようだ。

 それでは日本、あるいは韓国はいつ、頼んでくるのか。どういったタイミングで依頼してくるのか、だ。

 最近、ソウルと東京で日韓の政官界要人と会って帰国した主要シンクタンクの学者は筆者に意外なことを吐露した。

 「安倍首相は当面、トランプ大統領に仲介役など頼んできそうもないね。文在寅大統領も頼んではこないだろう」

 「特に左翼勢力を支持基盤に大統領になった文氏は徴用工、慰安婦問題などで日本に対して少しでも妥協的な姿勢を見せれば、岩盤支持者の支持を失う。下手をすれば、政治生命すら失いかねないので動けない」

 「一見外交問題のように見えるが、韓国にとっては内政問題だといった印象を受けた」

 「安倍首相とて、戦後政治の総決算を掲げて、韓国からの法外な要求を受け入れるわけにはいかない。近年、日本の国内世論はナショナリスティックになっている」

 「今回切った対韓カード、つまり韓国を『包括的輸出許可制度』の対象から外す措置も全面的排除ではないそうだ。韓国が世界貿易機関(WTO)違反で提訴しても日本は負けるつもりはさらさらないと、日本政府関係者は言っていた」

 「安倍首相は、余裕しゃくしゃくだ。だとすれば、トランプ大統領に仲介役を頼む必要もないし、トランプ氏もしゃしゃり出る必要もないわけだ」

 「安倍首相としては、切るべきカードは切って、あとは文大統領の出方をじっと見ていればいいということのようだ」
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 だが、日韓の確執の発端が、純粋に韓国の国内問題だったにしろ、時間の経過とともに東アジアの力学に影響を与えることは避けられない。

 特に非核化交渉は膠着状態が続いており、朝鮮半島周辺における自国の影響力拡大を巡る米中ロのつばぜり合いは新たな段階に入っている。

 米国にとっての同盟国である日本と韓国の対立激化が新たな不安定要因になっている。

 ジョージ・W・ブッシュ政権の国家安全保障会議(NSC)で日本・韓国部長を務めたカトリン・フレイザー・カッツ博士(現在CSIS研究員)は次のように指摘している。

 「たとえ米国が日韓間の調整役を買って出ても短期的な成功は望めないだろう。だが何もせずに知らん顔していることで生じるコストは計り知れないことも確かだ」

 「日韓が深い溝にはまっていくのを米国が傍観していて漁夫の利を得るのは誰か。北朝鮮の非核化交渉のテーブルの向かい側に座っている連中だ」

 「その結果、米国にとって最重要な短期的、中長期的戦略チャレンジに直面しているトランプ大統領は手元にある数少ない交渉カードをさらに少なくさせてしまうことになる」

 (https://thediplomat.com/2019/03/when-tokyo-and-seoul-fight-a-complacent-washington-loses/)

 日韓のいがみ合いを見てほくそ笑んでいるのは、金正恩朝鮮労働党委員長だけではない。東アジアにおける覇権を狙う中国の習近平国家主席、ロシアのウラジミール・プーチン大統領もその成り行きを息を殺して見守っている。(Yahoo!より抜粋)



      トルコにロシアの地対空ミサイルシステムが到着


(CNN) トルコ国防省は12日までに、ロシア製の地対空ミサイルシステム「S―400」の装備品が首都アンカラに到着したと明らかにした。

ロシア製システムの購入決定は、ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領の関係を強める一方、米国とトルコの関係を後退させる結果となる。米国とトルコは共に北大西洋条約機構(NA

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