歴史好きのダボラ吹き

「令和の御代」の始まりが・・

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 ある意味「現代の漫画家の先駆者」では・・(思案)

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       史上最高額のダビンチ絵画、8割は助手の筆か 英専門家


史上最高額で落札されて話題になったイタリアの巨匠レオナルド・ダビンチの名画「サルバトール・ムンディ」(世界の救世主)は、作品の大半の部分をダビンチ本人ではなく助手が描いていた――英オックスフォード大学に籍を置く美術史家がこのほどそうした見解を明らかにした。

サルバトール・ムンディは、ルネサンス期の服装をまとったイエス・キリストを描いた作品。昨年11月に米ニューヨークで開かれたオークションで、絵画としては史上最高額の4億5030万ドル(現在のレートで約500億円)で落札されて注目を浴びていた。

ダビンチについて研究するオックスフォード大学のマシュー・ランドラス博士はこのほど電話インタビューに答え、サルバトール・ムンディについて、ダビンチの工房で助手を務めていた別の芸術家が作品の大部分を描いたとの見方を示した。ダビンチ本人が手掛けたのは事前のデザインとキリストの手や顔といった部分の仕上げのみで、作品全体の20〜30%にとどまるという。

ランドラス氏は残りの部分の制作スタイルを分析し、当時工房にいたベルナルディーノ・ルイーニという画家の特徴に最も近いと結論。「(サルバトール・ムンディは)ダビンチが工房の助手らの手を借りて描いた作品で、ベルナルディーノ・ルイーニの協力がとりわけ顕著だ」「ルイーニの他の作品を見れば、サルバトール・ムンディに極めて近い特徴が確実に見て取れる」と述べた。


ベルナルディーノ・ルイーニは北イタリアの画家で1480年ごろ生まれた。ダビンチの作風を取り入れ、キリスト教をテーマにした作品を主に描いたことで知られる。昨年ロンドンで行われたオークションでは、ルイーニ作の宗教画が17万3000ポンド(現在のレートで約2500万円)で落札された。

サルバトール・ムンディが描かれた当時は、画家が工房の助手らと協力して作品を制作することは一般的な慣習だった。現代人は作品が特定の画家に帰属するものと考えがちだが、「当時の伝統として、工房全体が制作に協力していた」とランドラス氏は説明した。(CNNより抜粋)

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 CNN様によると、この手の「チーム・ダビンチ」的手法はこの時代デフォだったみたいでして、そうなるとこの時代の絵画の真贋判定はハードルが上がったようなモノ?(;´д`)トホホ
 ある意味「レトロゲームの魅力が再認識」されたわけでして、ねえ・・(感慨)

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ミニファミコン、全米でPS4とXbox Oneより売れる 再販後9日間で月間トップ Aug 8 2018


 6月下旬に販売再開したニンテンドークラシックミニ(以下ミニファミコン)が、全米セールス・チャートで現行世代のゲーム機を凌ぐ売れ行きを見せている。わずか9日間の販売台数がプレイステーション4(以下PS4)とXbox Oneそれぞれの月間販売数を上回り、オリジナルの発売から35年が経つハードの根強い人気が証明された。

♦︎最新機種を抑えて首位
 ミニファミコンは2016年11月に発売され、人気のため品切れとなっていた。任天堂は再生産を行い、今年6月29日に販売を再開している。市場調査会社の米NPDのデータによると、6月期(6月3日から7月7日まで)の販売台数でPS4とXbox Oneを上回った。集計対象期間はおよそ1ヶ月間だが、ミニファミコンの販売再開は6月29日であったため、実質9日間で他のプラットフォームの1ヶ月強の販売台数を抜いたことになる。なお、60ドルのミニファミコンに対してPS4は300ドルと高額であるため、販売額としてはPS4が首位を確保した。




 PS4とXbox Oneに加え、自社の最新ハードであるニンテンドースイッチも抜く結果となり、ヴァージ誌(8月2日)は、「1983年に元祖ファミコンが発売されてから35年経つが、明らかにまだ人気がある」と述べている。

♦︎北米版のオリジナリティ でも人気は日本版?
 北米版ミニファミコンは、ファミコンの欧米向け商品名であるNES(ニンテンドー・エンターテインメント・システム)を踏襲し、「NESクラシック・エディション」と呼ばれている。白と赤を基調にした日本版とは異なり、オリジナルのNESのデザインをそのまま小型化したグレーのデザインになっている。

 デザインに加え、日本版と北米版とでは収録タイトルが異なる。「スーパーマリオ」「ドンキーコング」「グラディウス」などのタイトルは共通して収録されているが、日本版でプレイできる「ファイナルファンタジー3」がなく、代わりに同作の一作目が付属するなどの違いがある。ソフトを差し替える初代ファミコンと異なり、どちらも事前にインストールされた合計30本を楽しむことができる。ギーク誌の記事では日本版のタイトルを遊びたい読者に個人輸入を勧めており、日本版の熱心なファンがいることを伺わせる。

 日本版は、スーパーファミコンのミニ版が昨年発売された際にもアメリカのファンの羨望の的となっていた。Kotaku誌は美しいデザインや「ファイアーエンブレム」の収録があることなどを挙げ、アメリカ版よりもPAL/JP版(日・欧・豪で販売)のスーパーファミコン・ミニの方が優れているとしている。

♦︎任天堂の過去と未来の戦略
 人気絶頂のミニファミコンだが、シリーズをめぐる任天堂の戦略は謎に包まれている。エンガジェット誌は、ミニファミコンが絶大な人気を集めたにもかかわらず、なぜ一時販売中止となっていたのかは明かされていないと指摘。供給を抑えるマーケティング戦略であったか、またはスイッチの販売促進を狙ったのではという推測を披露している。

「ミニ」シリーズの将来的な展開も現時点では明かされていない。ヴァージ誌は、ニンテンドー64やゲームボーイなど、一世を風靡した他のハードについても復刻版がリリースされる可能性があると見ている。記事では、ファミコンとスーパーファミコンの復刻版、そしてニンテンドースイッチの発売の際には、生産が追いつかなかったと振り返っており、任天堂のゲーム機には全般的に高い需要があるとしている。

 入手困難だとして国内で話題になったミニファミコンだが、アメリカでもファンの熱烈な支持を受けているようだ。(ニュースフィアより抜粋)

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 これが「任天堂の新たなる発展」につながる事を・・(祈願)


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      20光年先に「浮遊惑星」が存在、恒星を周回せずに漂流


(CNN) 地球から20光年離れた宇宙空間に、恒星を周回せずに宇宙空間を漂う「浮遊惑星」とみられる天体が存在する――。学術誌「アストロフィジカルジャーナル・サプリメントシリーズ」にこのほど、論文が発表された。この天体の磁場を分析した結果としている。

天体の名称は「SIMP J01365663+0933473」。質量は太陽系最大の惑星である木星の12.7倍で、磁場の強さも木星の200倍以上だという。

表面温度は815度を超える。ただこれは、約5500度に達する太陽の表面温度に比べれば「寒冷」と言える。

太陽系外に存在するこうした天体の磁場を電波望遠鏡で検知・測定したのは今回が初めて。米ニューメキシコ州にあるカール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群の観測所を使って突き止めた。

この天体は惑星以外には、褐色矮星(わいせい)である可能性も指摘されてきた。

褐色矮星は通常、惑星としては質量が大きすぎるものの、恒星のエネルギー源となる水素核融合のプロセスを維持できるほどの質量がない天体とみなされている。理論的には1960年代から存在が予想されていたが、95年に初めて発見された。

論文の著者であるアリゾナ州立大学のメロディー・カオ氏は今回の星について、惑星と褐色矮星のちょうど境界に位置づけられる天体との見方を示す。

この天体が2016年に他の4つの褐色矮星と一緒に見つかった際、その年齢は今回の測定よりも古く、質量もより大きいとみられていた。

しかし科学者のチームが昨年、実際には若い恒星群の一部であり、質量も当初の想定より小さいことを発見。質量を特定した上で、自由浮遊惑星の可能性があると突き止めた。(CNNより抜粋)


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英政府発行のブレグジット白書の各国語翻訳がひどい! 他言語への敬意が足りない?


      2018年8月7日(火)17時25分 モーゲンスタン陽子


<英政府がEU離脱方針をまとめた要項の各国語版の翻訳が、あまりにひどいと評判だ>

7月半ば、英政府は欧州連合(EU)離脱方針をまとめた要項、「ブレグジット白書」を発表した。同白書は欧州22の言語に翻訳されたのだが、その翻訳があまりにひどいと話題だ。翻訳ソフトを使ったのではないかと、ネットでもさっそく叩かれている。



英語で読んだほうがマシ

各翻訳バージョンは、奇妙な言葉、文語、創作語などを含み、各語ネイティブスピーカーのあいだに混乱と批判、嘲笑を引き起こしている。ある翻訳家は「政府のブレグジット白書の翻訳は本当にひどい。調子外れで、言葉遣いが間違っている。メニューページでは、各語の名前のスペルさえ間違っている(ドイツ語、フィン語、エストニア語)」と、iNewsに語っている。

なかでもとくにひどいと言われているのがドイツ語だ。ドイツ語のリンクはDeutscheのタグで表示されていたが、正しくはDeutschでなければならない。後に他の言葉が続く場合は、たとえばDeutsche Bahn 「ドイツ鉄道」のように-e がつくことがあるが、単独では使わない。EU圏内で最大の人口と経済力を誇るドイツ語でのこのミスは問題だ。ドイツ語のネイティブスピーカーたちの目には「古代ドイツ語」のような摩訶不思議な言語に映るようだ(インディペンデント)。

アイルランド語やクロアチア語にも間違いが多いようだ。また、100ページすべてが翻訳されたのはウェールズ語のみだが、これはEUの公用語ではない。またむしろ、アイルランド語、ウェールズ語の話者、あるいはマルタなど英語が公用語の1つである国の人々にとっては、おかしな翻訳を読むより英語を読む方がずっと早いだろう。

ドイツ人やオランダ人の多くも英語が達者だ。あるオランダ人はツイッターに「親愛なるイギリス政府へ。努力は感謝いたします。おそらくお気づきではないでしょうが、あなたたちを理解してほしいなら、どうぞ英語を使い続けてください。これはひどすぎます。心を込めて、オランダより」と投稿している。

ブレグジット遂行能力に疑問も

しかし、笑ってばかりもいられない。欧州連合の拠点であるブリュッセルには、世界でもっとも洗練された翻訳センターが置かれ、込み入った法的条項などをEUの24の公用語に常に翻訳している。間違いは訴訟につながることもあり、とにかくあってはならないものだ。イギリスが自国の白書さえ正しく要約できないのなら、役人たちはブレグジットという非常に複雑な交渉をどうやって切り抜けられるというのだろうと、テレグラフは指摘する。



また、インディペンデントの別の記事では、イギリス人の他言語に対する敬意の足りなさを自嘲している。

EUのある調査では、就業年齢にあるイギリス人のなかで、もっとも得意とする外国語において自分が流暢であるとみなしているのはたったの11.5パーセントだという。そして、そのことについてほとんど何も対策をとっていない。

英語を母語とする莫大な人口に、第二言語としての英語話者を加えると、その数は10億以上にものぼる。世界のリンガ・フランカ(共通語)として英語は便利だが、だからといってイギリス人が多言語を学ばなくてよいというわけではないと筆者は述べている。(ニューズウィークより抜粋)


「日本の発言力と対外発信」の著者が伝えたかったこと


2018年08月08日 06:00 小林 恭子


日本の海外に向けた発信力は、今一つなのではないか?そんな疑問を持ったことはないだろうか。




本書の著者原野城治氏は、日本の発言力や対外発信の現状に強い危機感を抱く。同氏は時事通信社で政治部、パリ特派員、解説委員、編集局次長を務めた後で対外発信の現場に飛び込んだ。多言語季刊誌「ジャパンエコー」を経営・編集し、多言語サイト「ニッポンドットコム」の運営を約15年間、担当した。世界の舞台での日本の発言力・発信力を観察するには絶好の立場にいた。

原野氏は、日本からの対外発信の目玉として「マンガ・アニメ」ばかりという選択肢のなさを見て、「日本の文化的劣化さえ覚える」という。また、「IT時代において、政府レベルに最低限必要な『国連公用語六カ国語』(英、仏、西、中、露、アラビア各語)の対外発信基盤が常設されていない現実は、『ダメな国だ』という諦めより虚しさに近いものだった」。

第1章から3章まで、著者が見聞きした対外発信の具体例がつづられてゆく。

第3章では多言語発信の現状が紹介されているが、最も多くの言語でラジオ放送を行っているのは「中国国際放送」(CRI)で61言語、これに米「ボイス・オブ・アメリカ」(42言語)、ロシアの「スプートニク」(39言語)と続く。NHKの国際放送(「NHKワールド」)は18言語だという。国際戦略の違いが出た格好だが、このままで良いのかと著者は問う。

第4章では、日本のメディアによる英語での情報発信が「規模が小さく、採算的にも赤字を垂れ流し」、「英語力も質量的に不十分」と指摘する。かつて日本の英字媒体で働いていた筆者にとっては、耳が痛い。何とかならないものかと筆者自身が焦燥感を持ってきた。

著者は第5章以下で、日本や欧米諸国が対外発信、対外文化事業に力を入れた1930年代の歴史を紐解く。1934年に発刊されたのが日本初の本格的なグラフ誌「Nippon」。写真家・編集者の名取洋之助氏が中心となって編集され、日本と日本文化の国際性をアピールすることを主眼とした。44年までの10年間に英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語で刊行されている。同じ頃に設立された「国際文化振興会」の資金援助を得て、名取は「国内の多様な写真撮影を行い、アーカイブス化して海外に配信した」。

第6章は戦後の動きを扱う。「国際交流、異文化交流の『民力』の拠点となった」、「国際文化会館」の創設に尽力したジャーナリスト、松本重治氏に焦点があてられる。


米エール大学に留学した松本氏は歴史学の教授だった朝河貫一博士に出会い、「本物の国際人は、本物の日本人でなければならない」と教えられる。1951年に締結されたサンフランシスコ講和条約をめぐる過程で、松本氏は戦前の日米人脈を活用したという。日米文化交流の土台が作られてゆく経緯が本書に詳細に記されている。

国際文化会館を舞台とする松本氏らの国際交流は「日米の学者や有識者を中心とする人的ネットワークに依存したもの」で、終戦から独立の回復へという混乱の中で「物事を多面的に見ようとする知的エリートによる交流と対話の復活」を軸とした。これには「日米両国間のコミュニケーションが不全状態に陥った歴史に対する」松本氏の「強い反省の意が込められていた」。

終章では著者が深く関わっていた「ジャパンエコー」創刊にまつわる話や、日本の等身大の姿を伝えるためのコンテンツ作りの肝が紹介される。例えば「知ったかぶりをしない」、「しっかり時間をかける」、「海外の読者をどんなことがあっても『見くびらない』」など。

著者は、これからの日本は「静かなる有事」に備えなければならない、という。「静かなる有事」とは、「有事」ではないが、漫然とした「平和な時」でもない状態を指す。国際社会において日本からの発言力をこれまで以上に高め、「等身大の姿を説明するための持続的で強力な対外発信基盤の構築」を提唱する。そのための必要最低限の条件として著者が勧めるのは、国連公用語による対外発信だ。「言語戦略は極めて重要な国家戦略であって、言語はソフトパワーそのもの」だからだ。

日本の対外発信の歴史を振り返り、今後を考えるための一冊と言えよう。(アゴラより抜粋)

 それこそ「自主防衛無くして同盟無し&同盟とは相互扶助」「平成の大攘夷体制」の履行&構築が待った無し・・(思案)


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   <欧州>「ハイブリッド攻撃」への対策強化 ロシアは反発

           8/7(火) 20:19配信 毎日新聞


 欧州が、軍事作戦に情報操作などを組み合わせた「ハイブリッド攻撃」への対策強化に乗り出している。念頭に置く主要な「敵国」はロシア。ただ、サイバー空間などを利用したハイブリッド攻撃は実態がつかみにくく対策は難しい。ロシアは攻撃を否定し、「架空の脅威をでっち上げるべきではない」(プーチン大統領)と反論している。【山衛守剛、ヘルシンキで岩佐淳士】

 北欧フィンランド。ロシアの隣国にあるこの国の首都ヘルシンキに昨年、「欧州ハイブリッド脅威対策センター」が設立された。センターには欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)加盟国から16カ国が参加。職員は十数人だが、各国の専門家と連携して調査や分析を行い、ハイブリッド攻撃に対応する最前線となっている。

 「(ハイブリッド攻撃は)言論の自由や経済の開放性など民主主義国家の組織的な脆弱(ぜいじゃく)性を狙っている」。同センターのパイビ・タンペレ広報室長は解説する。

 政権の弱体化や国民の分断を誘うハイブリッド攻撃の手法は多岐にわたるが、特徴的なのはSNSによるフェイク(偽)ニュースの拡散や、インフラ設備などを狙ったサイバー攻撃。こうした攻撃は、メディアや経済の規制が少ない民主国家ほど標的にされやすいというのだ。タンペレ氏は、こうした攻撃を仕掛ける国家や組織は「(民主主義の)重要な価値観を共有しない相手」だと続け、その一つがロシアだと指摘した。

 西側諸国がハイブリッド攻撃への警戒を強めたのは、2014年のロシアによるクリミア編入以降。ロシアはフェイクニュース拡散による大衆扇動など従来の戦争とは違う手法で一方的な編入を成功させたと指摘される。

 欧米側はロシアの関与が疑われる情報操作やサイバー攻撃を広くハイブリッド攻撃とみなす。具体的には▽英国のEU離脱を問う国民投票(16年)への介入疑惑▽米大統領選(同)への介入疑惑▽英国で元露情報機関員が神経剤「ノビチョク」で襲撃された暗殺未遂事件(今年3月)▽独エネルギー会社へのサイバー攻撃(同6月)−−などだ。

 欧米諸国にとって、フェイクニュースなどへの対策強化は、言論の自由など本来の民主的な価値観を損なう恐れもある。フィンランド元首相のカタイネンEU欧州委員会副委員長は「言論の自由は重要で過度な規制はできない。正しい情報を発信する方法を探す必要がある。(フェイクニュースに対し)従来型の倫理的なメディアが再び求められている」と語るが、各国で既存メディアはソーシャルメディアに劣勢を強いられ、影響力を弱めているのが現状だ。(Yahoo!より抜粋)


元二重スパイ暗殺未遂事件で英政府が露容疑者2人引き渡し要請へ 英露関係は悪化も、米独仏はロシアに接近

木村正人 | 在英国際ジャーナリスト 8/7(火) 14:09


[ロンドン発]英イングランド南西部ソールズベリーでロシアの元二重スパイと娘が旧ソ連で開発・製造された兵器級の神経剤(神経伝達を阻害する作用を持つ化合物の総称)ノビチョクで暗殺されそうになった事件で、英政府はロシア政府に対し、特定した容疑者2人の引き渡しを求める方針だそうです。

英メディアが一斉に報じました。

3月4日、ソールズベリーの公園で、元二重スパイのロシア人男性セルゲイ・スクリパリ氏(67)と娘のユリアさん(33)が意識不明の重体で見つかり、ロンドン警視庁は神経剤ノビチョクがスクリパリ氏宅玄関に塗りつけられていたと断定。防犯カメラ(CCTV)や出入国管理記録を入念に調べた結果、容疑者2人を特定しました。

スクリパリ氏とユリアさんは回復して退院。しかし6月末になって、ソールズベリーで拾ったノビチョク入りの香水瓶を手首にふりかけた英南部エームズベリーの英国人女性ドーン・スタージェスさん(44)が死亡。英国人男性チャーリー・ロウリーさん(45)も一時、重体になるなど、一般市民にも被害が広がりました。

テリーザ・メイ英首相は外交ルートを通じてロシア政府に容疑者の引き渡しを求めるとみられています。こうした場合、ロシア憲法はロシア人を外国に引き渡すことを禁止しています。ウラジーミル・プーチン露大統領が英政府の引き渡し要請を受け入れることはなく、冷戦後、最悪の状態に陥っている英露関係がさらに悪化するのは必至です。

裏切り者は罪の重さで自壊する豚野郎

元ロシア連邦保安庁(FSB)幹部アレクサンダー・リトビネンコ氏(当時43歳)が2006年、ロンドンで放射性物質ポロニウム210により暗殺された事件で、ロンドン警視庁はメイフェアのホテルでリトビネンコ氏と会っていた旧ソ連国家保安委員会(KGB)元職員アンドレイ・ルゴボイとドミトリ・コフトゥンの容疑者2人を特定。

これを受け、英政府はロシアに引き渡しを要請しましたが、拒否されています。事件の公聴会(公開調査)は、ルゴボイとコフトゥン両容疑者がFSBに指示されたのはほぼ間違いないと断定、「おそらくプーチン大統領やニコライ・パトルシェフFSB長官(当時)は承認していた」と指摘しました。

ロシアNIS調査月報に掲載された共同通信の小熊宏尚記者のエッセイ「裏切り者の街角@英国」によると、スロバキア人が19世紀に書いた汎スラブ主義をたたえる歌「スラブ人よ」の旧ソ連・ユーゴスラビア・バージョンは「裏切らんとする者は、呪われんことを!」という歌詞で締めくくられています。

そしてプーチン氏自身、こんな言葉を残しているそうです。

「スターリン時代は裏切り者を消す特殊部局があったが、ロシアの特務機関はそんな手法は用いない。なぜなら裏切り者は罪の重さで自壊する『豚野郎』だから」(10年12月の首相時代)。「裏切り者は酒や麻薬におぼれて死んだり、路上で野垂れ死んだり、ろくな死に方をしないのが世の常だ」(同年7月)

西側諸国の本音と建前

ソールズベリー事件を受け、英国はロシア外交官23人を追放。米国の60人を含む西側諸国計28カ国と北大西洋条約機構(NATO)が計150人以上のロシア外交官を国外退去処分にしました。しかし、安倍晋三首相がプーチン大統領と親しい日本はこの隊列には加わりませんでした。

ドナルド・トランプ米大統領は3月のロシア大統領選で再選を果たしたプーチン大統領に祝福の電話を入れ、先進7カ国(G7)首脳会議へのロシアの復帰を提唱。ヘルシンキで米露首脳会談を開き、プーチン大統領を秋にワシントンに招待するとまで言い出しました。さすがに支持層からも批判され、プーチン大統領への訪米要請は来年に延期しました。

サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で20年ぶり2度目の優勝を果たしたフランスのエマニュエル・マクロン大統領は準決勝と決勝の応援に駆けつけ、大統領としては前代未聞のガッツポーズを世界に向けて発信しました。マクロン大統領は、イスラム過激派によるテロや難民問題で揺らぐ国民の統合をアピールする絶好の舞台をプーチン大統領にお膳立てしてもらったかたちです。



プーチン大統領の外交術は相当なもので、バルト海経由でロシアとドイツを結ぶロシア国営企業ガスプロムの新たなパイプライン「ノルド・ストリーム2」(全長1200キロメートル)が来年後半の操業開始を目指して建設中です。石油・天然ガスという資源を持ち、武力行使をためらわないプーチン大統領は西側諸国にとって軽んずることができない存在です。

ノルド・ストリーム2(ガスプロムのHPより)
ノルド・ストリーム2(ガスプロムのHPより)

対ロシア関係を悪化させる英国と同調する西側諸国が果たしてどれぐらいいるのでしょうか。

支持率が急落するプーチン大統領

ウクライナのクリミア併合でプーチン大統領の支持指標(支持率から不支持率を引いた数値、国営世論調査会社WCIOM)は一時70%ポイント近くに達しますが、国民は「プーチノクラシー」と呼ばれる腐敗と癒着構造に嫌気が差し、さらにW杯開幕に合わせた年金制度改革の支給開始年齢引き上げで30%ポイント台前半まで急落しています。

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プーチン大統領にとって英国は手頃な「外敵」です。欧州連合(EU)から離脱していく英国はロシアにとって取るに足らない相手です。英政府がソールズベリー事件で容疑者2人の引き渡しを要請してくれば対抗することで国民の目を少しでも不人気な年金制度改革からそらすことができます。

まさにプーチン大統領の思う壺ですが、EU離脱交渉で求心力を失うメイ首相にとってもソールズベリー事件は毅然としたリーダーシップを示すまたとない機会なのです。

情報機関・軍出身者の「シロビキ」に権力基盤を持つプーチン大統領は当初、天然資源の国家統制を強めるとともに、ドミートリー・メドベージェフ首相に象徴される経済改革派「シビリキ」の力を借りて構造改革を進めようとしました。

しかし権力基盤を強化するため「シロビキ」との関係を重視。今は年金制度改革の責任をメドベージェフ首相に押し付けて「シビリキ」の弱体化を図ろうとしているようにうかがえます。

プーチン大統領にとって最も重要なのは自らの「サバイバル」です。そのためには「シロビキ」の支持をつなぎとめることが不可欠です。冷戦時代を彷彿(ほうふつ)とさせる英国とのスパイ戦争は「シロビキ」のKGBメンタリティーを呼び起こす引き金になっているようです。

【主な出来事】

04年3月 プーチン大統領が再選

06年11月 リトビネンコ事件

07年2月 プーチン大統領がミュンヘン安全保障会議で「アメリカが世界の安定を損なっている」と批判

08年3月 メドベージェフ大統領誕生。プーチンは首相に

08年8月 南オセチア紛争勃発

12年3月 プーチン大統領が返り咲き(通算3期目)

14年2月 ウクライナ危機勃発

15年9月 ロシアがシリア空爆

18年3月 スクリパリ事件、プーチン大統領が再選(通算4期目)・(Yahoo!より抜粋)


「東のクリミア」と化す南シナ海 強まる中国の実効支配、米の封じ込め効果なし
Aug 7 2018


 中国の南シナ海の軍事拠点化の動きが止まらない。域内の人工島に対艦巡航ミサイル・地対空ミサイルを展開、長距離爆撃機を配備したのに続き、電子戦兵器の運用も開始したことが先月、明らかになった。アメリカや領有権を争う周辺諸国は有効な対抗策が取れず、中国の実効支配は強化されるばかりだ。米メディアは「中国が南シナ海を手中に収めつつある」(ウォール・ストリート・ジャーナル紙=WSJ)などと危機感を強めている。
 
◆米中が場外で火花散らす
 中国は、電子戦兵器の展開と運用試験を実施していることについて、事実関係を照会したフィリピンに対して否定しなかったという。ただし、それはフィリピンを含む南シナ海の領有権を主張する当事国に向けたものではなく、周辺で「航行の自由作戦」を展開するなど軍事的圧力をかけるアメリカを念頭に置いた措置だと説明した。

 中国の王毅外相とアメリカのポンペオ国務長官は4日までシンガポールで開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議で、南シナ海問題を巡って火花を散らした。ポンペオ国務長官が中国の南シナ海の軍事拠点化にあらためて懸念を表明したのに対し、王外相はアメリカこそが南シナ海を侵略している最大の国で、中国が展開するミサイルや電子戦兵器はあくまで「防衛的な設備」だと強調。米側が勝手に「軍事化」のレッテルを貼っているだけだと強弁した。

 南シナ海を巡るこの中国側の強い反米感情は、今月初めまで行われていたアメリカを中心とした環太平洋合同演習(RIMPAC)を意識したものでもあるようだ。RIMPACは、米海軍主催で環太平洋諸国を招いて毎年開かれている。オバマ政権時代には中国も招待されていたが、25ヶ国が参加した今年は、南シナ海の軍事化を理由に招待されなかった。しかし、ハワイ・カリフォルニア沖で展開された演習には、“招かれざる客”として中国の情報収集艦の姿が見られたという。




◆南シナ海は「東のクリミア」
 このような“場外乱闘”が散見される状態を背景に、米シンクタンク、ヘンリー・ジャクソン・ソサエティのアジア研究員、ジェームズ・アメデオ氏は、米側は「緩やかな封じ込め作戦」を行っていると指摘する(ナショナル・インタレスト誌)。とはいえ、中国が着々と実効支配を固めている現状を見れば、それが全く効果を上げていないことは明らかだとしている。同氏は、アメリカがこのままの姿勢でいけば、「最終的に、独裁国家が南シナ海を支配することになるだろう」と懸念する。

 これに代わるアメリカのオプションの一つは、軍事作戦を伴う「巻き返し」だ。ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、南シナ海問題の軍事的解決も視野に入れていると見られているが、アメデオ氏は、ボルトン氏に同調する勢力はホワイトハウスでは少数派だとしている。米識者には、既に中国の軍事的進出を許し、西側が有効な対策が取れていない現状を指して、南シナ海を「東のクリミア」と呼ぶ者もいる。

 中国と南シナ海の領有権を争うベトナム、フィリピンといった東南アジア諸国も、中国の軍事的圧力と経済援助という餌を前に声を上げられなくなってきている。ベトナムは、昨年7月に中国の圧力で南シナ海での石油・天然ガスの掘削を中止。今年に入ってから再開を試みたが、やはり中国が軍事力の行使をちらつかせたため断念した。当初は南シナ海の領有権の主張に積極的だったフィリピンのドゥテルテ大統領も、経済的利益を優先して親中路線に転換。現在は南シナ海問題でもむしろ中国の主張を支持する姿勢を見せている。

◆国際法の遵守を求める道はあるが……
 このまま中国の思惑通りに進むのか。米シンクタンク国際戦略研究所と英ケンブリッジ大学で南シナ海問題を研究するリン・クオック氏は、WSJにオピニオン記事を寄せ、事態は中国有利に進んでいるものの、米側にまだわずかに逆転のチャンスはあるとしている。

 同氏が拠り所にするのは、2016年の常設仲裁裁判所(PCA)による国際判決だ。同法廷は、中国が南シナ海全域の領有の根拠にしている中華民国時代の「九段線」を元にした歴史的権利を「国際法上の根拠がなく、国際法に違反する」と却下。クオック氏は、この判決やその根拠となった「海洋法に関する国際連合条約」に基づけば、少なくとも中国が軍事拠点化しているサンゴ礁の一つであるミスチーフ礁はフィリピンに属し、他の島に関しても「良くてグレーゾーン」だとしている。

 クオック氏は、アメリカと国際社会は、このPCA判決を遵守するよう中国に圧力をかけることが唯一の逆転の道だと言う。しかし、現実にはアメリカはPCA判決を積極的に利用してこなかった。中国寄りにシフトしたフィリピンなどが乗ってこないことと、この判決に従うと離島を起点としたアメリカ自身の領有権の主張が揺らぐからだと、同氏は解説する。中国もPCA判決に対抗して新たな独自の法解釈を発表するなど、南シナ海支配の「合法化」に余念がない。オプションが狭まる中、中国の海洋進出を抑えることが難しくなってきている。(ニュースフィアより抜粋)


出現した中国の「新植民地主義」 文化人類学者静岡大学教授・楊海英

 中国の習近平国家主席が7月、中東・アフリカ5カ国を歴訪した。習氏の外遊は今年3月に国家主席に再選され終身的独裁体制を築いて以降、初めてとなる。彼は訪問先で中国が推進する巨大経済圏構想「一帯一路」を通じた金銭支援を打ち出し、アメリカの保護主義を批判した。習氏の外遊は「中国流新植民地体制」の幕開けを改めて印象付けた。

 ≪定住型と搾取型のパターン≫

 一般的に植民地体制には2つのパターンがある。定住型と搾取型だ。習氏が訪問した南アフリカにはさまざまな先住民が暮らしてきたが、そこへオランダ系の白人が入植し、武力を駆使してアパルトヘイト国家を創建した。マンデラ氏のような平和運動家が終生にわたって闘争した結果、人種差別制度が撤廃された。しかし経済は外来の白人や定住した元植民地者に牛耳られたままだから、植民地統治の影響が消えたわけではない。

 もう一つは搾取型だ。入植者の白人が植民地で勃発した民族解放運動によって追放され、本国に戻ってからも、旧来のルートで入植地の経済と政治に影響力を及ぼし続け、利権を手放さない間接支配を指す。習氏が訪れたセネガルなど西アフリカの諸国はフランスの統治から離脱しても、今日に至るまで経済的依存から脱却できないのが、その典型的な例だ。

 フランスはその気になれば、いつでも現地の「子飼い」=代理人を通して宗主国の権益を確保する。こうしたヘゲモニックな状況は現在も全く変わっていない。

 ≪「一帯一路」こそ合致する≫

 従来の植民地体制はどちらも1960年代に崩壊した、といわれてきたが、われわれが見落とした現代史の別の側面がある。それは、中国による「新植民地」体制の確立だ。チュニジアの首都チュニスで60年1月に「第2回全アフリカ人民会議」が開かれた際に、独立したばかりのアフリカ諸国は「新しい形態の植民地主義の出現に警戒しよう」と呼びかけた。そして「新植民地」には以下のような特徴がある、と予想していた。

 第1は自らに従属する現地政府を擁護しながら内政干渉する。第2は経済援助を盾に多国間の権力構造を作り、軍事同盟と基地提供、ひいては軍隊派遣を通して弱小国を抑圧する-というものだ。

 58年も前の警戒心は実に先見の明を有していた、と高く評価しなければならない。というのも、習近平体制が進める「一帯一路」構想はまさにその「予言」にぴったりと合致しているからだ。アフリカ諸国の最大の貿易相手国となった中国の狙いは、資源と「天然の同盟軍」を獲得するところにある、と習氏は公言している。大規模投資や多額の借款で相手国を負債に追い込み、そして港湾と要衝を軍事基地として永年借用する。

 インド洋に面したパキスタンのグワダル港をはじめ、スリランカのコロンボ港とハンバントタ港、そしてアフリカのジブチなどは既に「成功例」とされている。

 「中国流新植民地主義」には旧来の植民地開拓と異なる特徴がある。それは、現地の政治体制に対し、人権や民主、投資運用の透明化など、うるさいことを一切、言わない点だ。巨大な工場や港湾を整備しても、働いているのは中国国内から連れていかれた労働者たちだ。労働者たちの僅かな給料を搾り取ろうとしてやってきた性産業従事者もまた中国人だ。

 こうして北京は「中国のアフリカ」を経営しているが、内政には干渉していないと宣言ができる。現地の独裁政府も地元の雇用につながっていない点に多少不満があっても、裏から大金が入るので、ほどよく解消されている。

 ≪国内の民族統治術が適用された≫

 中国はどこからこのような「豊富な経験」を積んできたのだろうか。答えは、国内の植民地経営にある。1930年代にアメリカの「歩く歴史家」、オーウェン・ラティモアはその名著『満洲に於ける蒙古民族』(善隣協会)の中で次のように指摘している。

 中国は確かに西洋列強の半植民地に転落してしまったが、同時に中国はモンゴルやチベットなどの諸民族に対し、西洋列強よりも苛烈な「植民地支配」を強制している、と喝破している。無数の漢民族をモンゴルの草原に入植させては軍閥政権を打ち立て、そして現地の人々が少しでも抵抗すれば、容赦なく虐殺する。

 西洋列強と中国に比べて、新生の満州国はモンゴル人の生来の権益を守り、民族自治が実現できている、とラティモアは評価している。彼は生涯、日本に厳しい態度を取ってきたが、満州国の政策に関しては賛辞を惜しまなかった。

 モンゴルとチベット、「東トルキスタン」(新疆)を漢民族の「国内植民地」として開拓して運営してきた中国共産党は現在、その統治術をアフリカ諸国に適用し始めた。こうした兆候は既に49年以降に表れていたものの、世界は共産主義体制に甘かったので不問にされてきた。「中国流新植民地主義」が世界を席巻しつつある今日において、国際社会はいかなる措置を講じるかが問われている。(産経より抜粋)



【2018米中間選挙】(1)貿易戦争「ファームベルト」の懸念

 「米国は各国にカネを強奪される貯金箱ではない」。トランプ米大統領は3カ月後の中間選挙に向けて本格化させた遊説で繰り返しこう訴え、貿易赤字の解消を争点の中心に据える。好調な米国経済に支えられ、共和党支持層からの「米国第一」を唱えるトランプ氏への支持は衰えをみせていないが、米中の「貿易戦争」は共和党の候補に不穏な影を落としている。

 トランプ氏は7月26日、中西部アイオワ州ダビューク郡の短大で対話集会に臨んだ。米国から鉄鋼・アルミニウムの輸入制限措置を受けた中国が報復関税を課した大豆やトウモロコシ生産の中心地だ。

 「中国がファームベルト(中西部の大穀倉地帯)を攻撃したがっているのは、農家が私を大好きだと知っているからだ」

 トランプ氏がこう述べて中国との貿易戦争で「関税ゼロ」を勝ち取る決意を示すと、下院州第1選挙区で改選を目指す共和党のロッド・ブラム氏(63)が「短期的に高熱は出るが、長期的にみれば農家の暮らし向きは良くなる」と同調した。

 米国のファームベルトは中西部のラストベルト(さびた工業地帯)と並ぶトランプ政権誕生の原動力で、特にアイオワ州は大統領選の党指名候補を決める党員集会が最初に開かれる注目州だ。中間選挙で農家の支持をつなぎ留められるかはトランプ氏の再選戦略に重要で、政権は7月、120億ドル(約1兆3000億円)規模の農家支援策を発表した。

 「農家に大事なのは補助金ではなく良い価格だ。各国との自由貿易協定で、関税を引き下げさせようとするトランプ氏を支持する」

 州内でトウモロコシ・大豆農家団体の役員を務めるラリー・ジョンズさん(78)はこう語った。米国の輸入制限措置は保護主義ではなく、自由貿易を実現する手段という理解だ。

 トランプ氏を「政治家ではなく実業家として物事をやり遂げられる人」とたたえる。ただ、秋に収穫を迎える大豆が中国への輸出減で荷動き停滞を起こし、価格低下=図=することへの懸念が仲間うちで出始めていることは認める。

 ブラム氏との接戦が予想される民主党候補、アビー・フィンケナウアー州下院議員(29)は中国を「厄介者」だとしつつも、貿易戦争は地域経済への打撃が大きいとして政権を批判している。

 米公共ラジオ(NPR)などが7月後半に実施した世論調査によると、トランプ氏の貿易政策への賛否はいずれも4割強で拮抗(きっこう)していたが、共和党支持層では77%が支持、民主党支持層では68%が不支持と党派性が顕著に出ていた。

 中国は米国で世論工作を始めている。中国国営テレビ傘下の国際放送「中国グローバルテレビネットワーク(CGTN)」は、大豆のキャラクターが登場する英語動画を作成し、「有権者は財布を直撃されてもトランプ氏や共和党に投票するのか」と挑発した。

 外国企業の誘致数で屈指の州として知られる南部テネシー州では、経済成長が続くことへの期待とは裏腹に、貿易戦争への不安が頭をもたげていた。

 「関税は自動車企業や農家を傷つける。(ウイスキーの)ジャック・ダニエルズもだ」。上院選民主党候補フィル・ブレーデセン元知事(74)はCMで政権を攻撃した。

 州内では日産自動車やブリヂストンが地域に根付き、ドイツのフォルクスワーゲンも主力工場を置く。米国の自動車・部品への追加関税によるコスト増は雇用に影響し、欧州連合(EU)の報復関税は約6割が輸出される州産ウイスキーの需要低下につながる。

 ブレーデセン氏はトランプ氏に近い下院議員と接戦になるとみられ、政権の通商政策を全面批判する戦略を取る。日産が拠点を置く中部スマーナ市では共和党からも懸念の声が上がる。

 「日産はこの街の最大の雇用者だ。関税が雇用に影響を及ぼさないか本当に心配だ」。党地元市議の一人は眉をひそめた。(産経より抜粋)

【2018米中間選挙】(2)忍び寄る露の干渉 投票システム侵入で結果書き換え狙う

 7月13日。米首都ワシントンに隣接するメリーランド州で、有権者を驚愕させる出来事が発覚した。

 「州選管の票集計や有権者登録システムの運営を請け負う地元のソフトウエア企業が、ロシアの投資会社に買収されていた」

 州都アナポリスで緊急記者会見を開いたトーマス・ミラー州上院議長とマイケル・ブッシュ州下院議長によると、問題の投資会社は「アルトポイント」という名称で、2015年に地元ソフト企業「バイトグリッド」を買収した。

 州議会トップ2人が衝撃を受けたのは、投資会社の最大出資者がウラジーミル・ポターニン氏というロシアの大富豪であることが最近になって分かったためだ。

 選管関係者によると、ポターニン氏はプーチン露大統領と「親密な関係」にある。アルトポイントの業務執行役員もジェラルド・バンクス(旧名ゲルマン・アリエフ)氏という、姓名を米国風に変えた露大富豪だった。

 2人は連邦捜査局(FBI)に通報し捜査を依頼。ミラー氏は、ロシアが投資会社を通じて州選管に不正行為を仕掛けた証拠は現時点で見つかっていないとしつつ、こう訴える。

 「(米露の)冷戦は現在も続いている。ロシアは悪の帝国だ。私たちの選挙プロセスをカネで買い、玄関先まで押し寄せている」

 アナポリスでの記者会見と同じ日、連邦大陪審は16年の大統領選で民主党候補だったクリントン元国務長官の陣営幹部らのメールをハッキングで入手してネット上で暴露する「選挙干渉」に関与したとして、露軍情報機関「参謀本部情報総局」(GRU)要員だった12人を起訴した。

 米情報機関は、ロシアが16年の大統領選で、結果を人為的に左右し、有権者の対立をあおり民主制度への信任を低下させることを狙った、サイバー攻撃などによる「選挙干渉」を実行したと断定した。

 情報機関は一連の干渉が「選挙結果に影響を与えなかった」と結論づけたものの、トランプ政権の安全保障関連省庁や連邦議会、現場の選挙を取り仕切る州政府は、ロシアが今年の中間選挙に加え、20年の大統領選でも干渉行為を仕掛けてくることは必至とみて、対策強化を急ぐ。

 メリーランド州の一件をめぐっては7月下旬、同州選出の連邦下院議員らが連邦選挙のシステムを扱う業者を米国人所有の米企業に限定することを義務づけた法案を超党派で提出。上院では今月初旬、ロシアによる選挙干渉が判明した場合は一層厳格な対露制裁を科すことを盛り込んだ超党派法案も提出された。

 しかし、民主党のマカスキル上院議員の事務所がロシアにハッキングされるなど、複数の候補に対するサイバー攻撃が早くも表面化する中、具体的な対策には遅れも目立つ。

 ロシアの狙いの一つは、電子投票システムへの侵入による投票結果の書き換えだ。しかし、電子投票を導入している州のうち、デラウェアやジョージアなど5州は投票集計を紙に印字して記録として残していないため外部から票を操作されても分からず、「最も脆弱な州」と目されている。

 上院では7月中旬、電子投票を次の大統領選までに廃止して紙による投票を全面採用することを定めた法案を民主党議員5人が提出したが、費用面などの問題で消極的な州も多い。

 そして最大の懸念材料は、トランプ大統領が7月16日の米露首脳会談での記者会見でプーチン露大統領に干渉をやめるよう強く要請しないなど「対露融和」を疑わせる言動を繰り返してきたことだ。

 ロシアの干渉が「あったとは思えない」と述べて非難を浴びたトランプ発言の失地を挽回するかのように、最近のトランプ政権は厳しい対露政策を次々と打ち出した。しかし、当のトランプ氏からは、露の干渉を「いんちき」(3日のペンシルベニア州での集会)と断じるかのような発言がいまなお飛び出している。(産経より抜粋)


     モーリー・ロバートソン解説:「9条教」日本の袋小路

        8/8(水) 18:35配信 ニューズウィーク日本版

<トランプ再選で日米同盟の亀裂が深まれば日本は自主防衛へと進む可能性が高まるが......>

※「東京大学×ハーバード大学」の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが、日本メディアが伝えない世界情勢の読み解き方を「講義」する本誌8/7発売号「奇才モーリー・ロバートソンの国際情勢入門」特集より。

「普通の国」日本の戦争できない未来

この1年半、トランプ米政権が誕生したり、朝鮮半島情勢が大きく動いたりと、日本を取り巻く環境に地殻変動が起きています。そんななかで日米関係も揺れているわけですが、日米同盟の将来像と、「蚊帳の外」と言われる朝鮮半島をめぐる日本の立ち位置についてお話ししたいと思います。

まず日米同盟ですが、私はトランプ政権が1期で終われば、日米関係を襲う「震度」は2とか3ぐらいで済むと思います。でも2020年の大統領選挙で再選されれば、震度が大きくなり一部の建物が倒壊するように日米関係に少しずつひびが入り始めると思います。

そうなったとき、日本はどうするのか。考えられる手だてと、そこに立ちはだかる「壁」について考えてみましょう。おそらく日本国民にとって年々、アメリカは手放しで信頼できない相手へと変貌しています(既にそう?)。といって中国もそう簡単に信頼できないので、最悪、四方八方を敵対的か、必ずしも友好的ではない国家に囲まれるというシナリオも考えられます。

そうなると、結局は自分で自分を守るしかないということになるかもしれません。そういう危機管理の延長線上にある合理的な対策というのは、憲法改正して専守防衛を卒業することや徴兵制の導入、あるいはブラックウォーター社のような民間軍事企業から派遣された傭兵を雇うことでしょう。つまり外注してしまうということです。

日本も、日米同盟が信じられないとなれば、部分的にはアメリカに依存するけれど、依存できなくなった分の予算を独自の防衛力に補てんするようになることが考えられます。ただ、軍事は安全保障そのものなので、それを外注するとなると、場合によっては傭兵が日本国内のクーデターを手伝ってしまうリスクがある。

傭兵を雇う選択肢がないとなれば、残されるのは改憲、そしてその先には徴兵。どちらも合理的な解決方法ですけれど、日本国民が絶対に否定するでしょう。となると、「非積極的アメリカ支持」という選択肢が現実的かもしれません。心情的にはアメリカは良くないと思っているけれど、何かと相談してうまくやったほうが得という考え。アメリカを心から信頼できないが、ほかよりはましということです。

消極的な気持ちで自民党候補者に投票する人と似ていて、「自民党は腐敗しているし右翼志向でジェンダーに関する議員の言動も最悪だが立憲民主党とか共産党に任せるよりはまし」という人たちですね。ロン・ヤス時代のハネムーン的な日米関係はなくなるので、今後は4年ごとにちゃんとアメリカとの付き合い方を変えていかなきゃ、という感じになりそうです。アメリカは機能不全に陥りがちなので、付き合い方を政権ごとに再検討するということでしょうか。「新たなリアリズム」というほど高尚な話ではないかもしれませんが、そうした、どこかドライな同盟関係に変わっていきそうですね。

ただ、当面はそうした関係でお茶を濁せても、日米関係の先行きを突き詰めて考えるとやはり改憲と徴兵制になってしまいます。ところが日本には「9条がある」という、さながら「9条バリア」が張られてしまっている。

「9条バリア」がもたらすもの

話は飛びますが、イスラエルにはパレスチナの武装勢力ハマスなどが撃ち込んできたロケットをすぐに撃ち落とすことができる「アイアンドーム」と呼ばれる防空ミサイルシステムがあります。そのおかげで攻撃されにくいという、抑止力の1つです。さしずめ、日本人の多くは憲法9条がそのシールドであって、想像上のアイアンドームに守られていると思っているわけでしょう。だから、自分たちが撃たない限り相手も撃ってこないと信じている。

ただ、「9条ドーム」のバリアを北朝鮮のミサイルなどが打ち破って日本に着弾したら? 突然、現実が目の前に来ちゃうわけですけれど、日本人はそのことをどこまで現実的に考えているのでしょうか?

いわば「9条教」ともいえる宗教を信じてきた日本人は、トランプ政権を支える「トランプ教徒」たちをあざ笑うことはできない。もちろん、両者を比較したら9条を信じている日本人のほうがはるかに教養レベルが高いですが。だけど、同じくらい現実に向き合えないという点では共通しているんです。つまり、どちらもアンチ・リアリズム。現実を突き付けられることがあまりに苦痛を伴うため、自分の思考回路がよって立つところを失ってパニックになって過呼吸になる。そんなところは似ていると思います。

そういう「9条スピリット」の人々は日朝関係にも影を落とす可能性が大いにあります。北朝鮮情勢が緊迫した昨年や、その後に韓国が音頭を取って進めた米朝首脳会談に至るまでの過程で日本が何も関与できていないと嘆く人が結構いました。日本が置き去りにされているという、いわゆる「蚊帳の外」論です。でも結論から言えば、日本にできることなど別に何もなかった。「9条」に縛られて日本が攻撃力を持たない以上、これは宿命だと思います。

あまりこういう主張をして右派勢力みたいに思われたくないけれど、合理的に考えると独自の攻撃能力を持たない国が、戦争や軍事力でしか話をつけられない北朝鮮や中国を相手にハト派外交や経済外交だけで話をつけようと考えるのは無理な話。それを肩代わりするのが集団的自衛権であり、アメリカとの同盟関係なのであって、だからこそ中朝も、対日外交では背後にいるアメリカと交渉しているつもりだった。

ハト派外交や経済外交が効かないとなれば、日本は北朝鮮に対して経済制裁をはじめ最大限の圧力をかけ続けるしかない。ですが、別のシナリオとして考えられるのは、北朝鮮がにわかに友好ムードを演出するということです。例えば、1人か2人の拉致被害者を日本に帰すことなどが考えられます。もともと日朝双方には、まず国交正常化してから拉致問題を解決させるという考え方が意外と根強くありますから。

ただ、そのように「9条スピリット」の人々が喜ぶことを北朝鮮が行うと、日本が大損する恐れがある。

例えば、仮に横田めぐみさんが帰ってくるというようなことがあったら、「これで日朝関係が大いに進展した。対話こそが大事なのだ」と宣言する人が出てくると思う。でもそれは、ドナルド・トランプ大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)党委員長と会っただけで北の核問題が解決したと言い切るのと同じくらい危ういことなのですが、リベラル系のメディアがそれに飛び付いて友好ムードを醸成してしまうと、北朝鮮は少ししか譲歩していないのに日本が大幅に譲ってしまう恐れがある。非核化の名目で大金を渡して北のエリート層がいくらかピンハネして終わるというような、うっかり外交に陥るリスクがある。

もっと言うと、「9条・護憲」の人々の心の奥底には、「そうした『賠償金』の支払いは日本が犯した歴史的大罪に対する贖罪だし、拉致被害者にこだわるよりも日本の歴史を見直して今後の北朝鮮を盛り上げましょう」という考えがある。もちろんそれを表立っては言わないだろうけれど、本音では「日朝間の問題くらいで9条の立場を危うくするんじゃない」という考えがあると思います。「9条スピリット」の人には、在日米軍と自衛隊を合わせた軍事力がすごく高いことに安心しているという、どこか矛盾した感覚を覚えないでもない。在日米軍の恩恵を受けていながら米軍帰れと言う妙なバランス感覚は、意識的に調整しなければあり得ないことです。

「熟考民主主義」という安全弁

そうした、見たいものだけを見る人たちをうまく束ねる人がポピュリストとして台頭すると、政治は厄介な方向へ進みがちです。民主主義の下、全ての人が平等に参加してイコールに発言権および影響力を持つと、得てしてポピュリズムが勝ってしまうという事例が歴史上にたびたびある。それは人間が低きに流れる生き物だからで、この矛盾を上手に、その都度解決するのが賢者による統治であって、今のところ日本は賢者統治ができていると思う。

私が自民党を賢者統治と呼ぶと「安倍政権が好き過ぎて、そこまで詭弁を用いるのか」と言われることがあります。ただ私が言う日本の賢者統治は、あくまで結果としてのそれなのです。

どういうことかというと、日本では自分たちさえ良ければ環境問題とか世界の諸問題とかどうでもいい、とにかく自分の賃金を上げろという人たちが政治の決定権を握らなかったからです。なぜか。多くの日本人たちには「政治というのはお上がやるもの、先生方がやるもの」という諦めにも似た受け身志向があるからでしょう。クレームだけはつけるけど、代替案はハナから考えていない。「自分には学識がないから」などと言って。その「諦め」に支えられた自民党の統治があった。だから結果としての賢者統治なんです。

日米同盟にしろ日朝関係にしろ、日本の外交問題を見通すと、賢者統治とアンチ・リアリズムの「9条スピリット」のせめぎ合いになるかもしれません。ただ、社会の政治的分断が深まりすぎて煽動政治が長く続くという最悪のシナリオに至るとは限らない。

まだブレーキはあります。というのも、日本の政治は英語で言うところのdeliberative democracy だから。「熟考民主主義」とでもいうのでしょうか、ああでもない、こうでもないと議論を深めて落としどころを見つける爽快感はないが、だんだん問題の傷口が小さくなる民主主義政治のことです。日本の政治は、まだ熟考民主主義の中で踏みとどまっています。(Yahoo!より抜粋)


【東京特派員】湯浅博 2020年、何か平和の祭典をかき消す衝撃が起こる!?


 永田町の都道府県会館あたりから西方を望むと、緑いっぱいの赤坂御用地の先に、新国立競技場がぽっかりと浮かんで見える。昨年までは、緑の中に巨大クレーンがうなりをあげるだけだったから、ぽっかりの遠景は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックが刻一刻と近づいてくるという実感がある。

 最上階の喫茶店から眺めると、新競技場のうえに湧く入道雲が、見る間に暗雲に変わっていくのが分かる。この夏の天候は、かつて経験したことのない異常さであった。

 2年後の7月24日の開幕で、世界の目はこの「酷暑の五輪」に向けられる。熱暑から一転して暗雲に襲われるような不安がぬぐえない。それは、酷暑ゆえに選手の出場が危ぶまれ、熱中症の観客が救急搬送されるという五輪にまつわる不安だけではない。

 むしろ、めぐりあわせの悪さにあるような気がするのだ。

 半世紀以上も前に初開催の東京五輪のときを思い起こしてみよう。1964年10月10日開会の五輪競技にファンが一喜一憂しているとき、ユーラシア大陸の北と南から衝撃的なニュースが飛び込んできた。共産圏のソ連でフルシチョフ首相が突然解任され、続いて毛沢東率いる中国が初の核実験を強行した。

 日本が戦後復興を遂げ、世界に追いつこうとしていたさなかの衝撃であった。まだ中学生だったから、目先の五輪競技に夢中で、そんな深刻な問題があったことすら記憶にない。それ以来、日本は否応(いやおう)なく核をもった大陸国家と向き合わねばならなくなった。

 では、来る「Tokyo 2020」はどうか。北朝鮮の核ミサイル開発が、6月12日のシンガポールでの米朝首脳会談で止まったとは思えない。トランプ米政権によるミサイルなどの搬出が成功しないまま、20年11月の米大統領選になだれ込む可能性がある。

 そして、核開発の兄弟分たる中国は、この年が「第13次5カ年計画」の最終年にあたり、同時に「中国共産党の創設100年」を翌年に控えた勝負の年になる。5カ年計画の通りに運べば、国内総生産(GDP)が世界の5分の1になる。19世紀に世界の覇権を握った「パクス・ブリタニカ」を築いた英国は4分の1だったから、中国は「もう一歩」と考えて無理をしかねない。

 しかも、習近平主席は20年までを「戦略的好機」と位置づけ、軍を「機械化の実現」と演説でうたい上げていた。他方で、経済格差の方は隠しようもなく、年金など社会保障への手当てが間に合わずに不満が爆発すると、北京大学の教授はひそかに予測する。

 開催国の日本以上に、彼らは国家を挙げてライバルの米国をしのぐメダル獲得を狙う。習主席が目指す「2020年決勝期」に花を添え、経済的な不満の吸収につなげるためだ。メダル獲得がうまくいかないときは、内外にさまざまな緊張を生むことだろう。

 米シンクタンクのイアン・イーストン研究員は、中国内部文書を引用しながら「20年までに中国は台湾侵攻の準備を終える」と物騒なことをいう。中国の国産空母「山東」が就航するのもこの年であることも不気味だ。1964年に起きた中国の核実験がそうであるように、平和の祭典をかき消す衝撃が、再び到来しなければよいのだが…。

 この7月から、あちら習独裁体制にも異変が起きている。米中貿易戦争を引き金に、人民日報の1面から習主席の名前が消える日が増え、共産党内の「習降ろし」がささやかれ始めた。かつて、毛沢東の後継者といわれた華国鋒が、個人崇拝路線で反発を受け、数年後に表舞台から消えたことを考えると、フルシチョフ失脚のように東京五輪は鬼門なのである。

 新国立競技場にかかる暗雲を眺めて、つい「Tokyo 2020」の悪夢を考えてしまう。(産経より抜粋)

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