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仏教でどのように考えるかというと 慈悲は、空から派生します 空が先決問題です 空については、仏教には厳密な定義があって、歴史の蓄積がありますから勝手なことを言っても噛み合いません 因縁果報という因果関係の連鎖のなかで、どこかで連鎖を凍結して時間を止めれば、なにか固定した存在を定義できますが、実際は、連鎖は止まらず(諸行無常)、粛々と因果が流れていきます(諸法無我) つまり、物事には定まった自性は無い、と考えられます そのことを、空、と言うことになってます 時間を止めればいいということなんですが、止めると言ってもその刹那をどんどん細かくしていっても、どうしても幅があります、理論的には ですから、どうしても、物事の自性は止めて観察できません、極めて厳密に言うとですけど で、もっと厳密に考えると、その因果関係は、心の中で生じています まあ、たとえば、氷が水になって、お湯になって、水蒸気になって、雲になって、雨になって、また水に戻るとします 水、といった定まった自性は無い、と考えるわけです で、その氷なり水なりは、眼で見、手で触り、それを心で感じています つまり、脳内現象です ところが、実際の水は、たとえばコップの中にあるのであって、脳の中にあるのではありません だから、眼で見なくても、手で触らなくても、水はそこにあります 感覚器官で感じられるまえの存在です たとえて言えば、量子力学でいう、Superpositionです (粒子としての光子は、観察される前には、複数の場所に波動として同時に存在できます) 観察されて初めて、一カ所の場所が特定されます 観察される前の存在は、分割されていません 全てが、一つに繋がって、時間もなく空間もありません 観察されて、人間の意識のなかで限定されて初めて、形となります つまり、脳内現象になる以前の存在は、感覚で感じられ特定されていませんから、時間も空間も特定できません いまご覧になっているモニターは、つまり、あなたの眼を通して脳内に形成された印象です モニターそのものは、眼をつぶってもそこにあります 実際のモニターと、脳内の印象は、別々のものです 自分という感触も、実際は、感覚器官によって作られた印象です 実際の自分は、「感じられる前の世界」にいます 「感じられる前の世界」は、これは、そこにあることはわかっているのですが、どうしても、感じられません 当然ですよね、感じる前の世界ですから だから、絶対に、わかることができません でも、今ここにあります 「感じられる前の世界」が空です 「感じられる前の世界」は、因縁果報という因果関係の連鎖が無尽重々縁起となって繋がっています 波動を、ぶつ切りに出来ないのとおなじことです 繋がっていますから 存在を傷つけるということは、自分を傷つけることです 存在を喜ばせば、自分に喜びがありますちょっと不思議な感覚かもしれませんが、全ての心は一つに繋がっています 我執(自分がいるという思いこみ)にとらわれていると、繋がっていることを忘れています 気がついていてもいなくても、「感じられるまえの世界」は一つに繋がっています だから、自分を愛することと、他人を愛することは、全く同じことですそれが、慈悲が空から派生するという意味です サールナート博物館 初転法輪の釈尊 これはですね、空には我がないからです 仏教的には、我とは「印象に対する執着」です つまり、自分がいるという素朴な感覚ですね で、他人がいて、沢山知らない人達が生きているという、ありふれた感覚です しかしながら、見える前の世界、「感じられる前の世界」は、印象じゃないわけで、我から切り離されています だから、空は善悪、正邪、損得、苦楽、好き嫌い、愛と憎しみ、私利私欲、など、人間生活にまつわる価値観とは無縁です 実際のところ「仏は慈悲深い」、とは、ものの例えで、我のない心のことをそんなふうに例えるんじゃないでしょうか ですから、空はには因果律があるのですが、この空の因果応報には勧善懲悪的作用はありません なにせ、我がない心の作用ですから 我々は、空を本来知っているのだが、それを妄想(煩悩や我執)が邪魔しています だから、障害となる煩悩や我執を減らしていけば、空が自ずと現れると考えます 具体的には、相手の立場で考える、我が儘は言わない、気配りを忘れない、分配は公平に、などでしょうか まあ、私利私欲は、ほどほどにしましょう 繋がっていることが本当に腑に落ちるまでは、「慈悲のようなもの」、又は「我執による錯覚」、と我々は付き合わざるを得ませんが、それは真実に至るプロセスです 人間に、自由意志があるから、妄想も作るし、真実に至るプロセスを歩むこともある、と ほとんど無限ともいえるプロセスが生じるのですが、それがこの世界の豊饒さではないでしょうか ポツンと悟った人が突っ立ているような世界ではなく 我々は、豊饒な、まだだれも見たことの無い世界を生きていくのだと思います |

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