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パパと私が出会ったのは、ゲイバーでした。私はそこでアルバイトをしていました。19歳のときです。お化粧をして女装で働いていたのです。正確に言えば出勤前に立ち寄ったセルフサービスのコーヒーショップで、声をかけられたのです。「お嬢さんもしよければ僕と食事をご一緒願えませんか?」と声をかけられました。
後で歳を聞いてびっくりしたのですが、40代前半の渋い紳士という感じで、私は胸がきゅんとしちゃいました。自分の父よりも少し若いという感じでした。私はこのときすでに父を亡くしていましたし、ちょっとお父さん的な人ということですぐに心を許しちゃいました。 でも、どうすればいいのか少し迷いました。出勤時間は近づいているし。少し席を離れてお店に電話をしました。お店のママ(もちろんゲイで女装している人)は、「いいじゃないの、ご馳走になって同伴出勤なさい。」という返事。 でも、この方は私を女の子だと考えてられるのではないか?なのに実は私は男でゲイバーに勤めている。そんなこと言えないよ〜〜〜〜〜。 でももし同伴出勤せずに女の子と偽ったまま食事をしただけでは、できれば恋の始まりであって欲しかったしーーーー。 今までも男性との出会いは何度かあったけれど、こんなに心惹かれる人は初めてでした。頭が混乱しちゃっていました。 「君お店に勤めてるんだね?」パパがもじもじしている私に声をかけてきました。電話の内容を悟られているようでした。 「いいよ同伴出勤してあげる。」 そしてイタリアンのレストランで軽く食事。少しワインもいただいて。 とうとう自分が勤めているのがゲイバーであるとは言いそびれてしまいました。 お店に入ってパパは少しびっくりしたようでしたが。 「そうだったのか。お嬢ちゃんは本当は男の子だったんだ。でもかわいいからいいじゃないか。」 それが私とパパの出会いです。 後でわかったのですが少し前までは、ニューハーフの恋人と付き合っておられたそうです。 怒られなかっただけでなくそんなに大きく驚かれなかったのもそのためだったのですね。 そして、この日お店がはねてから店のやはり女装ゲイのお姉さんとママも伴って、閉店後おすし屋さんに連れて行ってくださいました。おすし屋さんを出ると、お姉さんとママは気を利かせたのか二人でタクシーに乗って、パパと私は二人残されて、私はパパに抱かれることになるのかと少し期待。少し怖くて。でもパパはタクシーで私のアパートまで送って下さっただけでした。タクシーを降りる前、パパは私を抱き寄せて、やさしくキスをしてくださいました。パパとのはじめてのキスでした。胸が熱くなりました。私はパパに恋し始めていました。 |
パパのこと
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