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国連暫定予算

国連はじまって以来続いていた2年分の通常予算の執行を承認せず、半年分の暫定予算がくまれたとのことである。多数の下国連下部機関のポストを途上国が占め、数の上からも発言力を強めることに不信感をもっている米国が妥協をみとめない強硬姿勢で国益主義を押し通し、ボルトン大使は勝利宣言をした。
日本はこの暫定予算案の共同提出国となり、米国を支援した。
支援したといっても日本も、分担金比率問題では、不公平感をもっており、先日も日本の国連三席大使が、常任理事故国入りを拒否されたこととからめて、国連の現状を批判した。(もっともこの日本側の発言もおそらく米国の承認または黙認の上でなされているだろうが)
国連を米国主導に変えたい米国と、常任理事国入りをめざす日本との利害が一致したためとった共同行動だが、ここで別の注目するべきことがあった。
共同提出国5ヶ国にニュージーランド、オーストラリア、カナダが含まれていることである。
この3カ国はおそらく分担金に不満はないだろう。また3国を誘ったのは事務総長筋によるとどうやら日本らしい。
アメリカと地政学的に密接なカナダはともかく、ニュージーランド、オーストラリアが日本の誘いにのったのはなぜだろう。
ここで12月上旬のASEAN+3と東アジアサミットのいきさつが思い出される。
将来の東アジア共同体の中核は、中国が推進するASEAN+3か、日本が希望する東アジアサミットのいずれかか、というつばぜり合いがあったことは記憶に新しい。
このふたつのグループの違いは後者にインド、ニュージーランド、オーストラリアが加わっている点だ。日本が東アジアサミットを推すのは中国の影響力を弱めるために、常任理事国入りで共同戦線を張ったインド、それにANZAS同盟で米国の影響下にあるニュージーランド、オーストラリアを加えたいという意図があったと思われる。
首相のいうところの「日米関係がうまくいけばいくほどアジアは安定する」という意味は究極的には日本は中国と一線を画し、明確に米国の陣営に立ち、ニュージーランド、オーストラリアを含む米国の利権を保護し、一体化を進める、ということになるのだろうか。
ニュージーランド、オーストラリアとしては、巨大マーケットとしても地理的に不可分な隣国としても、アジア重視は国是である。そのアジアへの介入に、アメリカの影響下にある日本に仲介してもらう分には、大きな代償を要求されずにすむという計算はあるだろう。
そのため今回の国連暫定予算を含む国連改革には日本を支持しておこうと考えているのだろう。
今回の1件で日本のアジアにおける将来図が垣間見えたような気がした。
しかし、日本は暫定予算は通したが失ったものもある。インドを味方にひきいれられなかったことだ。東アジアサミットでは恩を売ったつもりが、インドのセン国連大使は途上国側の代表として今回の日米の行動を非難した。中国を意識する日本にとってインドはきわめて重要なアジアの大国で、傷ついた両国関係は修復されなければならないだろう。

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なるほど・とても参考になります。この辺りの事は私も興味を持ってブログで取上げています。ボルトンの国連改革?はこの程度のものでは済まないと思います。インドとの関係ですがすべて一致させる必要はありませんが、仰る通り両国関係は良好に保つ必要性があると痛感しています。

2006/5/29(月) 午後 8:37 koudookan


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