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日経ネットで連載されているコラムが面白かったので、紹介してみようと思います。
安東泰志氏の「投資ファンドの実像」第10回「株主総会と投資ファンドの役割」です。
(http://bizplus.nikkei.co.jp/manda/ando.cfm)
特に興味深かったのは、株主提案権についての部分ですが、この記事が引用している日経ネットの記事によると、
「今年の総会では約20社で株主提案があったがすべて否決され」
たといいます。
株主提案権は、会社法303条以下に規定されています。
要するに、株式を上場しているような会社(大会社でかつ公開会社で、委員会設置会社でないもの)では、
「議決権総数の1%以上または300個以上の議決権を6月前から引続き所有する株主が、議題の追加や議案要綱の通知を請求することができる」
(龍田節『会社法大要』P160)
という権利のようです。
ちなみに、これは少数株主権ですが、大学の講義では、大会社でこの要件を満たすのは大変だと聞きました。
議題と議案の関係は、前者が株主総会の目的となる事項であり、後者はその内容ということになります。
たとえば、「取締役選任の件」というのが議題で、「Aを取締役に選任する件」というのが議案です。
株主提案権を行使すると、このどちらも提案できますが、株主総会の8週間前までに取締役に通知しなければなりません。
(303条2項、305条1項但書)
なお、議案の提案については、総会当日の提案も可能なようです(304条)
以上のような株主提案権は、上記のとおり、今年の総会ではすべて否決されたそうです。
しかし、株主提案権が行使されること自体が珍しいことのようで、このコラムによると、
「株主提案が活発化した背景の一つには、いわゆるアクティビスト・ファンドを中心とする投資ファンドの台頭がある」
といいます。
その続きには、
「ただし、投資ファンドがすべて取締役会と対峙(たいじ)するような株主提案をするとは限りません。
私たちのようなPEファンドは、むしろ日頃から経営に積極的に参画し、経営陣と協調しつつ企業価値の向上に努めていますので、総会で株主提案をするのではなく、平素から取締役会との意思疎通を円滑化することで考え方を実現させていくのが基本です」
とあり、PEファンドというのがどういうものかはわかりませんが、そういうものがあるんだなあと興味は沸きました。
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