|
毎晩1時を過ぎた頃に、携帯にメールが届く。
どれくらいの月日が過ぎたかな。。。もう半年近くになるだろうか。 『やっぱり今夜も眠れないよ。。。
お薬も効かない。
夢を見るのが怖い。
病院の先生のところに行くのもイヤだ。
生きてる私を呪う声が聞こえるの。
今夜もだよ。。。』
こんな内容のメール。
そして、3回、4回と、メールのやりとりをする。
安心した彼女は、どうやら携帯を握りしめたまま眠りに就いているのだろう。
次の日の朝、
『昨夜はごめんね。途中で寝ちゃったみたい(^^ゞ』とメールが入る。
彼女からのメールは、その朝のメールと、夜中の何通かのメールだけ。
日中、彼女はそれでも、仕事に出掛けている。
彼女の心の消えない傷は、飼っていたペットを殺してしまったせい。
もちろん、彼女が殺したわけではない。
津波が、彼女と彼女の命ほどに大事な犬を呑みこみ、
彼女たちの絆を引き離してしまったのだ。
本当は、ペットや犬なんて書いてほしくないだろう。
それくらい、彼女にとっては大事なこどもだった。
私にはその思いがよくわかる。私にも、そのように大切な猫がいたから。。。
誰よりも特別で、誰よりも愛する存在。
彼女は、津波に呑まれ、犬が入っていたキャリーを手放してしまった。
どこを探しても見つからない。
ただ、なぜか、流された家のあった場所に、犬の首輪が残っていたそうだ。
自分のせいだと、嘆き続ける彼女。
頭では、そうじゃないこともわかっている。
でも、心がついていかない。
誰に言っても、理解してもらえない。
「たかが犬のことに・・・生きていることに感謝しなきや」と言われると訴えてきた。
最初に彼女と話をしたのは、9月の終わり頃だったと思う。
学生時代を東京で過ごした彼女は、再び、地元を離れ、東京に向かった。
東京の知人からの紹介で、私のところに連絡が入った。
誰だって、大切な存在を失えば痛みは深く、その悲しみにくれる。
けれど彼女の痛みは、それを超えているように感じた。
まるで、魂の慟哭のように。。。
はじめのうちは、ただただ彼女の話を聴いていた。
彼女が話したいことをすべて話しつ尽くすまで、何度同じ話をしても、ずっとそれを聴き続ける。
話を続け、信頼を築いていけば、相手の心の中に、なにかの変化が生まれる瞬間を見つけることができる。
そのタイミングを見極め、ある時から、毎晩、彼女の心の深い部分に語りかけてきた。
『もし、あなたが反対の立場だったら、あなたは愛する存在に、呪いの言葉を伝えるの?
痛かった、辛かった、怖かった・・・て、ずっと、愛する人を悲しませることを伝え続けるの?』
彼女の言葉を待つ。
「私なら、ずっと見守っているよ・・・って言うし、そう思う。。。。でも・・・」
彼女の言葉から『でも』が消える日まで、とことん付き合う。
とことん付き合って、どれほど経ったかなあ〜〜〜
昨夜、メールが入った。
「夢にね、Tちゃんが出てきた。顔をぺろって舐めてくれた。ありがとうって言ってくれた。
あの子の思いを、私の勝手な思い込みで捻じ曲げたらいけなかった。
大好きだよって、愛してるよって、伝えられた。ちゃんと伝わった。Tちゃんも私を大好きだって言ってくれた。」
そんな内容のメール。
『でも』 が消えた日。
彼女の中に、消えることのない愛が宿っていることを信じているから、続けてこれたこと。
人の中に、輝く光があることを信じているからこそ、続けることができる仕事。
「仕事」 仕える事 と記す。
お金をもらうことだけが仕事というわけじゃないと、私は思っている。 yuri
* 長くなりましたが、自分の気持ちの変化を伝えることは、誰かを救うことになるはずだから、
伝えてほしいとの意向があり、こちらに書かせていただきました。
読んでくださってありがとうございました。
|
全体表示
[ リスト ]







良かった〜wこれから前向きになれますね。
2012/5/29(火) 午後 8:45 [ 荒木久夫 ]