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「今日ね、おじいちゃんの誕生日だったのよ。」と、久しぶりに電話が入った。
電話の主は、宮城県沿岸部で知り合った78歳のトキ子さん(仮名)
おじいちゃんは、この誕生日で82歳になられるという。
「もしかしたら、記憶を失って、どこかで生きてるんじゃないかしらって思っているのよ。いつかひょっこり帰ってくるんじゃないかってねぇ。。。」
はじめてお目にかかった時、トキ子さんは、そんなことをおっしゃっていた。
現実に向き合うより、未来に希望を託して、夢を見ている方がラクな時がある。
そのままに生きていられるならば、その方が良いかもしれない。
〜*〜*〜*〜*〜
「おじいちゃんの誕生日だから、大好きな煮魚を用意したの。おじいちゃんの写真にお供えしたのよ。」
トキ子さんは、大きな一歩を踏み出したようだった。
「ツライ現実に目を背けることは出来ない。それはね、年を重ねてきたからこそわかるの
でもね、若い時代はなかなか難しいの。それに、精神が老いてしまっていても難しいの。
ありがとう。友理さんとたくさんの話をしてきたことで、自分を思い出したわ。
誰かを恨んだり、何かを憎んだりしたら、ダメ。一人になってもダメ。
生きている以上、大切な家族や友達、仲間と繋がっていかないと、正しい道は拓かれないのよね。
それを思い出させてもらいました。本当にありがとう。」
おじいちゃんの写真は、関東に暮らす友人からのプレゼントだそう。
流されてなくなってしまっただろうからと、何枚かの写真と心のこもった手紙が送られてきたそうだ。
人と人の繋がり。そこには、無限の可能性が潜んでいるのかもしれない・・・。
*事実に即した内容ですが、プライバシーに関わる記述になるため、意図的に日時や時系列、細部の描写などを訂正、加筆した内容にしてあります。 |
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2013年01月17日
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