てっちゃんのまったり通信

まことに恐縮ですが、ネットビジネス系のコメントは削除させていただきます。ご了承ください。
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この場所の一つの取り柄はとにかく静かであるということだ。

この日を旅行日に選んだのも、

他の日に空室のマークを見つけることが出来なかった故である。

ほぼ満室のはず。なのに人の気配をあまり感じることが出来ない。

あまり語彙を持たない私はどう表現しいいかわからない。

「シン・・・」とした雰囲気なのである。余計な雑音は一切感じない。

饒舌な都会からやってきた身にはあまりに無口な場所である。

あふれる人波を体をよじって避ける必要もない。

無遠慮な話し声に頭を痛めることもない。

パーソナルスペースが120%確保されているのだ。

時々私のようにカメラを抱えている趣味人とすれ違うが

その目の色は、あきらかに戦闘モードではない。

ただ、ただ、眺めて、そして時々シャッターを切る。

そんな空間なのである。

一時代を築いたブルートレイン。

彼の回りにはいつだって多くのカメラを構えた人々の姿があった、

その価値の大きさから見ると、こんなに自分勝手に、まったりと

戯れさせてもらって良いのだろうかと思う。

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一晩中開放されているロビー代わりの駅舎の中も

小さい子どもを連れた一組の家族連れが去ってしまうと

静寂を取り戻す。。

置いてあるノートを開いてみると

どのページもブルートレイン愛にあふれている。

○○から来ました。高校時代に乗りました。

備え付けの鉛筆で丁寧に描かれたブルートレインの姿も見える。

それぞれがこの場で思い思いの時間を過ごしていたであろうことが想像できる。

時間を費やしゆっくりとページをめくる。その時間もまた、贅沢である。


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日本で唯一の動態保存車両。

これも大きな特徴である。

駅舎からパークへの扉を開けると小坂駅のホーム。

その向うは多くの引き込み線が広がる風景を見ることが出来る。

対岸に貨物用のホーム。やや手前に検修用の車庫。

「あけぼの」はと言うと小坂駅メインホームの端に

ちょこんと頭だけ差し掛けて展示されている。

その向うには木造の信号所小屋、そして秋田の山々が見える。

昭和の匂いのする汽車待ちの風情である。

夕刻宿泊時間が近づくと

先程停止していたDDのエンジンに力が入り「あけぼの」の先頭へと移り

宿泊場所への移動が開始される。

静々と動き出す姿はそのまま秋田の山海を通り過ぎて

青森へと向かいそうな風情である。

宿泊客に限りこの移動中に乗車が許され

昭和の客車旅の風情を感じることができる。

私はやはり乗車より走行する姿を見ておきたいと思い、今回も乗車はしなかった。

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信号所の少し先に差し掛かりポイントが小坂駅ホームに変換されると

今度は静々と小坂駅ホームへ入線する。

先程までの汽車待ち風情のホームにいよいよ列車が到着するわけである。

到着する列車がいるからこそのホーム。

ホームから列車に乗り込む時の高揚感は格別なものがある。

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「これだけのものを維持していくのは大変ですよね。

やっていけてるんですか?」

考えてみれば、かなり失礼な質問である。

利用する側から見ると宝物のような空間も維持していく側から見ると

あまりに閑散としてはたまったものではない。

「お察しの通りです。」

と苦笑いしながら職員氏は答えた。

余計なお世話かと思ったが駅舎ロビーの片隅にあるアンケート用紙に

この場を提供してくれたことの謝辞とクラウドファウンディングとか

グッズの拡充とか考えられだけの提案をさせていただいた。

全てはこの環境が末永く維持されることを願ってである。

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どんなにのんびりとしていても時間は経過し

やがて、朝を迎える。

部屋の車窓には雨粒が張り付いている。

天気予報では午前中は曇りであったはずだが。

定められたホームの喫煙所から煙草をふかしながら

出発前の青い車体を見上げる。

あと数時間もすれば彼は再びこのホームを離れる。

ホームはまた、列車の到着を待ちわびる場所へと戻る。

致し方ないことである。

次回このホームでこの青い車体を待つのはどれ位先になるだろう。

そんなことを考えると少し切なくなる。

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朝食用に頼んでおいた駅弁が届いているとのこと。

部屋着のまま取りに行き、そのまま駅舎内ロビーで食す。

あけぼの宿泊者専用の掛け紙が嬉しい。

先般訪れた時は弁当屋に支障があったのか仕出し弁当だった。

その仕出し弁当もかなり美味であったが特製掛け紙は入手出来なかった。

ブラスティック製の昔懐かしいお茶付きである。

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ロビーに備え付けのテレビで地方の天気予報を見る。

ローカルなCMも楽しい。

日常とは違う土地で迎えた朝は

うすぼんやりとそんなテレビを見ながら食する朝食が楽しい。

駅弁の中身は駅弁大会で常に上位に入るという「とりめし」

比内鶏を中心としてご飯をいわゆる甘辛く炊き込んだ弁当である。

紅葉を模した薄い蒲鉾がアクセント。

ご飯も美味であったが付け合せの漬物の塩加減が絶妙。

薄すぎず、塩辛過ぎず。

「旨い・・旨い・・・ボリボリボリ・・・・」

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勤務先から特別休暇の申請を督促された際に

真っ先に「あけぼの」の空き部屋状況を確認した。

その時に思い出したのが昨年同地を訪れた際に感じた

静寂の中の優雅な時間であった。

思い出すだけで「ふぅ〜」と深呼吸をしたくなる空気感は

やはり、秋が最適のように思う。

空気がぬるい春や夏ではない。キンと引き締まった秋の夕暮れ。

だから、私にとって

「春はあけぼの・・・」ではなく

「秋はあけぼの」なのである。

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行くぜ、東北。序章

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五能線 五所川原ー木造 

「行くぜ、東北。」

JR東のキャッチが似合いそうな絵だと自己満足。

岩木山を背景にと繰り出したが、残念ながら山側は逆光。

あ〜あとガッカリしながら空を見上げる。

やっぱり東北の空は広い。

こんな晴天で列車を撮るなんてどれ位ぶりだろう。

ちぎってポイと捨てたような雲もいいアクセントだ。

4両編成分のスペースを取って8時2分発の列車を待ち構える。

遠くからキハ40の警笛が聞こえた。

しかし、ファインダーに入ってきたのは単行のキハ40五能線色。

4両編成を目論んだファインダーの中を「お生憎様」とでも言いたげに

悠々と通り過ぎていく。

「何だ、タンコロかぁ!」

力みかえっていた私に肩透かしを食わせた彼が通り過ぎたあと

何となく「クククッ」っと笑いがもれる。

良いじゃないか、コレ。

ガラガラの車内から向こう側の空が透けて見える。

あくせくせずにのんびりと。

ローカル線らしい一枚に「来たぞ、東北」の実感が湧いた。

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「笠は売れなかったが、良いことをした・・・。」

有名な笠子地蔵の一節である。

さしずめこの試合は

「佐々木千隼を見に来たら、良い試合を見た・・・」

となるのであろうか。

最悪23時には東京駅に着いていなければならない身で

ナイトゲームの観戦。

どんなに試合が盛り上がってもデッドラインは9時と定めていた。

よく修学旅行の一団が試合途中で引き上げていくのを目にするが

あれと同じ線になるのであろうと考えた。

間違っても昨日のような試合になったら大変なことである。

そして、結果的に9時丁度のサヨナラ劇となる。

いろいろな意味で最高の結末である。

実を言うとアジャが打席に立った際に時計を確認すると9時数分前であり

「ここでサヨナラで決まる。」

何故か根拠のない予感がした。

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アジャが放った鋭い打球はセンターに抜けると思われた。

サヨナラだ!思った通りだ!!

次の瞬間に楽天のショートが打球に飛びつく姿が目に入った。

ギリギリの体勢で抑えた打球。送球体勢に持っていくのにコンマ何秒であるが

時間がかかっている。焦りもあるのであろう、ややもたつき加減だ。

バッターランナーは?  アジャかぁ・・・。一瞬の絶望。

それでも、送球・走塁を見守った。

一塁の前で空中に舞うアジャが見える。ヘッドスライディングだ。

巻き起こる土埃のややあとで一塁塁審の両腕が・・・開かれた。

セーフ!!

サヨナラゲーム!!

どんなに不格好でも構わない。いや、高校野球なみのヘッドスライディングは

美しくさえあった。

アジャが「小学生の時以来」と笑ったサヨナラを彩った魂のヘッドスライディングに

暫くの間酔いしれた。

その瞬間を写真に収めておくべきと後悔したのは、かなり時間が経ってからである。

このヘッドスライディング。あえて「魂の」と冠を付けても良いだろう。

まるで、測ったかのような結末に心置きなく球場をあとにすることが出来た。

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この日の目当ては佐々木千隼。

昨年のドラフト会議、5球団競合の末の抽選。

「佐々木千隼はロッテが引き当てました!!」

興奮したラジオのアナ氏の声が忘れられない。

そして、貰った背番号が11。

プロでは10番台の背番号は投手が付けることが多い。

そのトップナンバーに球団の期待が見て取れる。

平沢大河もそうだが、ドラフトで劇的に獲得した選手は

それだけで印象が強く、活躍できればスターとなる土壌が整っている。

「千隼」という名前も野球漫画のようで格好が良い。

「球場で見てみたいと思われる選手」候補となるには充分である。

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ファインダーから見た彼は、何となく伊良部に似ているかな。

などと思った。

しかし、伊良部のようにドーンと球は来ない。

ドラフト時に言われた150キロ超の速球は現状ではお預けだった。

ロッテの育成方針なのか全体的に球速よりコントロール重視、

バランス良く、小さくまとめようとしているような感がある。

某ブログではこの現象を「ロッテな投手」と表現しているが、

もちろん褒め言葉ではない。

どんなに球が速くてもあさっての方向へ行ってしまうのは

確かに問題外だが

若いうちは多少の荒れ球となっても球速、球の力にこだわって欲しい

と思うのは間違いだろうか。

折角の素材なのだから、いわゆるロッテな投手にはなってはほしくない。

そういう意味では新体制では現状のロッテ色を払拭するような投手コーチ

を招聘し、大きく育てて欲しいと思う。

できうれば斎藤和巳なんかうってつけであると思うのだが。

四球で自滅することがあっても調子の良い時は手に負えない荒々しさ。

バランスよりパワーピッチング。

時間はかかっても、そんな姿を夢見たい。

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前の日からお待ちかね。

やっと、「フク〜ウラ〜」のコールを耳にすることが出来た。

スタメンに名を連ねていなかったので

「今日も出てこないか」となかばあきらめかけていたので

ウェイティングサークルに背番号9を見つけた時は

それだけでかなり興奮した。

4番指名打者の代打で登場である。

もはや動画と見まごうばかりにシャッターを切った。

井口無き今、伝説の2005年・2010年メンバー最後の砦。

しかと眼に焼き付けておかねばならない。

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そのまま指名打者に入るわけなので一打席限りの代打とは違う。

9回裏一打サヨナラのチャンスで福浦に打席が回ってくる。

ここでサヨナラを決めるのは出来過ぎだろう。

とは思いつつ、先日の井口の一発の例もある。

第一打席に比してルーティンを繰り返し集中させている様子。

凡退に終わった前打席より雰囲気は確かにあった。

しかし、結果はセンターフライ。

ランナーを進めてサヨナラ打を呼び込む布石は打つも

自ら試合を決めるには至らなかった。

この日、中継の解説は小宮山。解説が立川の時は相性が良く

ヒットを打つ確率が高くなると言う。

解説が立川であれば出来過ぎの試合が成立したかもしれない。

ま、アジャのサヨナラ打も十分出来過ぎの試合ではあるが。

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井口のサヨナラ打を呼んだのも、この日のアジャのものを呼んだのも

清田のヒットから。やっぱり何か持っている男なのである。

今年はいいところが無く自身にとっても辛いシーズンではあっただろう。

一昨年のブレイクはフロックだった。と散々叩かれているが

まぐれであれ、あれだけの成績を残すことが出来たのであるから

再現は可能だと思う。

新監督の井口を敬愛している彼のことである。

自分がやらなくて誰がやる。位の気持ちがあれば

本人もチームも結果がついてくるだろう。

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私にとって今季最終戦。

3勝1敗1分。

今年は諸事あり観戦回数も激減。春に一試合観戦したあとは

9月まで球場に足を運ばなかった。

来季は新体制。どのような野球が展開されるかは未知数であるが、

また、シーズンが始まれば呪文のように

「2000本・・・・2000本・・・・」と唱える日々となるだろう。

9月、久し振りにスタジアムの潮風を感じながら、もう少し見に来ればよかったかな。と後悔もした。

現場で見る野球はやはり、ひと味ちがう。

今季芽を出しそうな若者と何より福浦先生のためのシーズンとなるだろう来季。

より良い井口丸の出航を祈念して2017年のシーズンを終えようと思う。

そして、色々な思いはありますが(苦笑)伊東監督お疲れ様でした。

いやぁ、大変でしたね(笑)。

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平日のナイトゲームにしては客足が早い。

球場に到着した頃にはすでにS・A席ともに完売の状態だった。

平日限定指定席招待券はS席まで利用可能であるからして

どうせならばS席で観戦したいもの。

が、それも叶わず、やっとのことで3塁側のマリンシートを1席確保。

すでに最下位が決定し、監督の若手を使わない不可解な采配に批判が集まり。

天候も11月中旬並みの寒気に襲われているのに

何故にこんなに人が集まるのだろうか。

今季の成績の不甲斐なさも手伝って

何となく球場に足を運ぶ気分になれず、気がついたら招待券を使用出来るのも

あと2試合。

各ブログを拝見しても招待券余ってる症候群が蔓延している。

使わなきゃ損!

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そんな向きの方が多いのだろう。

しかし、「今年はダメだったなぁ。ま、しゃーないか。」

と割り切れば良いものである。

これだけ人が集まるのは、招待券云々だけではなく

もう少しでシーズンが終わってしまう寂しさ、

チームの成績はともあれ、終わってしまう前に贔屓の選手の躍動する姿を

もう一度見ておきたいという心理が働いてのことだと思う。

9月に入ってから一時期の絶不調を抜け、チーム状態も良い。

先日の井口の引退試合で見せた好ゲームの余韻も残っている。

最後にいいところを見て終わっておきたい。

そういう意味では、みんなやっぱり野球が好きなんだなぁと

少し気持ちが暖かくなろうというものである。

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妥協して取ったはずのマリンシートは思いの外良い席だった。

フィールドウィングシートとの区切りの通路一番前で

3塁側であるので左打者と正対することとなる。

ファインダーを覗くとストライプユニフォームがキラリと輝いて見える。

これは下手なS席より良いぞ。

普段は撮影しやすい場所を探して球場中を彷徨うのであるが

この試合は珍しく指定されたシートにベタ付きで最後まで過ごした。

私の贔屓の選手一番手はもちろん福浦先生である。

左打者と正対するこのシートはまさに先生を撮影するのにうってつけではないか。

寂しい話であるが、年齢的に先生も来季限りで引退する可能性が高い。

今年の井口のように引退試合が行われるのであれば

このシートの番号を覚えていて、是非この席で先生を送り出したいと思った。

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ここへ来てチーム状態が良いのは加藤翔平、荻野貴司の調子が

上向いているからだろう。

ともに俊足の2人。

来季の井口政権では「グリーンライト」と言われる

盗塁に関してランナーの判断に一任する制度をひくらしいと言われているゆえ

一番二番が固定できれば機動力満点のチームになることうけあいである。

問題はやはり、そのランナーを返せる中心打者の存在か。

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翌日の先発は予想通り佐々木千隼とコールされる。

翌日は盛岡へ夜行バスで旅立つ予定であったが

佐々木千隼の写真も撮っておきたい。

試合半ばで球場をあとにするのを覚悟して前売り窓口に走った。

試合前日のタイミングでもなおS・A席は満席であった。

やむなくマリンシートに席を取る。

初めての生千隼に心が踊った。

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試合は二木の好投とマリーンズ打線の寒さで1対0のまま進む。

もはや、9回となっても「フク〜ウラ〜」のコールは聞かれない。

最終回、二木に代わってクローザーの内の登板。

ファンにあるまじきことだが

ここで1点取られて延長になれば・・・福浦が出てくるかもしれない。。

そんなことを密かに考える。

周囲の楽天ファンまでが「ここで福ちゃんでてくるか?ああ出てこないか・・」

という声を発している。

監督頼んます。この席で先生を撮らせて下さい・・・。

しかし、その願いは叶わず最終回を迎えた。

初めて一年通して一軍にいた内は、昨今、見るからに疲労困憊である。

もしかしたら・・・そして、、、思惑通り、内は一点取られる。

ゴメン二木・・・。

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結局、延長12回最後の打者が打ち取られるまで

代打福浦のコールを聞くことは無かった。

自分勝手な話ではあるが、ならば、あそこで何故1点撮られてしまったのだ。

と恨み節も出るが、それも心の内だけとは言え自ら願ったことなので

天に向かってツバを吐くような行為である。

福浦先生は拝めなかったが、良い席でゆっくりと贔屓選手の動きを追えたので

これはこれとして良しとしなければならない。

そして、もう一つの収穫は

海浜幕張発11時38分が自宅へ帰る最終便であることを身をもって

知ることが出来たことだろうか。

さぁ、明日は佐々木千隼である。切り替え切り替え・・・・。

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今年の撮影はテーマがある。

そのうちの一つが来年度にも引退が噂される想い出深いロマンスカーLSEを

四季折々の風景とともに記録に残すこと。

春の桜、夏の入道雲、もしくは向日葵など、

そして秋は黄色く実った田園風景を行く姿を収めておきたかった。

春の桜は何とか納得の行くものを残すことが出来たが

残念ながら思い描いた夏風景のもとでLSEを眺めることは叶わなかった。

秋の田園風景は逃したくないとの一心で先日台風が押し寄せる中、傘をさしながらの撮影。

もちろん納得できるものではなく、

あれから二週間を置いて稲穂もすでにほとんどが刈り取りされてしまっているだろう

と思いつつ小田急線に向かった。

刈り入れが終わった田園は切り株だけが残り早々に冬の姿へと変貌する。

あの生命感あふれた実りの色彩は一気に失われてしまうのである。

田園風景が広がる開成付近は車窓風景から見るに

そのほとんどがすでに冬眠状態となってしまっていた。

想定の範囲ではあったにしても残念なことに変わりは無い。

「稲穂・・・稲穂ぉ・・・」と探し求めてこの日一日を過ごすこととなる。

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新宿駅ロマンスカーメインホーム。

JRのホームからもその存在をアピールするように透けて見えるその空間は

それだけで高揚感を覚える。小田急電鉄が誇る象徴的風景だろう。

すでにこのホームにたつことで日常から脱却し箱根が始まっているのである。

その歴史を刻んできたロマンスカーのレジェンドカラー。

一時期は消え去ったこのカラーをよく復活させてくれたものである。

私的には一番このホームにしっくりする色彩だ。

先日の撮影時には運休の憂き目にあってしまったこの車両を

新宿駅のホームで確認することから一日が始まった。

この日は2編成とも元気に動いている様子である。

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私鉄観光特急を牽引してきたロマンスカーの特徴は何と言っても展望車両。

今現在でも入手困難なプレミアムな座席なのである。

レトロなシャンデリア風照明、間接照明、むき出しのカーテンレールも

何故かこの中では高級感を醸し出すひとつのアイテムになっている。

私が幼いころ、この手の色のカーテンレールを街中等で見かける度に

ロマンスカーを想起したものである。

今月の鉄道ジャーナル誌でも「昭和の華」とのタイトルで特集されている。

まさに、言い当てたキャッチであるといえよう。

むしろ年数を経て磨きがかかり、

プレミアムクラシック的な重厚感を放っている。

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そのハンサムな顔を正面からドカンと頂く。

その場で知り合った趣味人の情報によると今朝方、LSE一番列車において

この場所で上り下りLSE同士の走行中離合(平たく言えばすれ違い)

があったとのこと。

ほんの数秒の遅れがあっても巡り合うことが困難であるゆえ

撮影できれば家宝に近い。

この時間帯撮影した上り列車が通り過ぎて約10秒後に下りLSEが通り過ぎていった。

残念。

ここで列車待ちの最中に広島カープの帽子をかぶった年配の趣味人にお会いした。

何かここいらの撮影地では有名な方であったらしく

方々のブログにもその方の逸話が掲載されているらしい。

ついに弊ブログも歴代ブログの仲間入りか(笑)。

「あの白い家が建ってしまって風景が悪くなったよね〜」

朝一離合情報をくれた趣味人の方が不満そうに口を開く。

奥の歩道橋あたりにせり出した白い新し目の住宅である。

「・・・・・あれは、妹の家だ。」

それを聞いていたカープ帽某有名趣味人の方が口を開いた。

その絶妙な間に大笑いしてしまい

他に聞いたNSE保存車両の情報等は吹き飛んでしまった。

これはこれで楽しい時間であったことは言うまでもない。

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さて、稲穂探しである。

先日運休の憂き目に遭い、撮影にはいたらなかった撮影地に再び足を運んだ。

ここは丹沢山系をバックに広く編成を撮影できる場所であるが、

この日の目的は稲穂とのコラボ。

丹沢山系も何とかその姿を現していてくれていたが

稲穂優先。

横構図だと色々と入り込んでしまうのでタテ構図で。

すなわち、それ位刈り入れが進んでいて稲穂が残っているのは

ほんの僅かな区画のみであった。

さらに、この時間帯「晴れ」を予想していた天気予報が大きく外れドン曇り。

怒りに任せてYAHOO天気の現況報告の「曇り」の欄を力強くタップした。

取り敢えず稲穂とのコラボの押さえる。

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開成の田園地帯もほぼ冬季休田状態となっているが

線路端の適当な場所に一区画刈り入れが済んでいない田を車窓から発見した。

角砂糖にたかる蟻のようにカメラを抱えた趣味人がたかる。

もちろん私もその蟻のうちの一匹である。

ところが、この角砂糖はそんなに甘いものではなかった。

日没までに狙えるLSEは上り1本、下り2本の計3本。

限られた区画なので自分が撮影したい場所が決まると

「ここ、大丈夫ですか?(画角に)入りませんか?」

と、皆周囲に声を掛ける。自然に趣味人の間で出来ているルールである。

そして、稲穂の間に身を潜めて、その時をひたすら待つのである。

あぜ道の不安定な場所なので、静止状態だとてきめんに足腰に来る。

皆腰をさすりながら普通列車が通る度に画角やピントの調整をしながら

待ちに待つのである。

何気ない一枚もこういう時間に支えられているのだ。

そして、時が満ち、本番の足音が聞こえてくる。

下りLSEが通り過ぎるその瞬間に、これまでの待ち時間をあざ笑うかのように

上りの普通電車が被さる、普通電車の向うにレジェンドカラーが見える。

いわゆる表被り。

気を取り直してそれぞれ次の上り便に備える。

しかし、今度は通過する上りLSEの向こう側に下り普通電車が

絶妙のタイミングで通過する。これは裏被り。上記のような写真になる。

裏に普通電車がいなければ空が抜ける画像となるはずだった。

2本続けての不運はなかなか体験したことがない。

皆、唖然である。

「さて、二度ある事は三度あるになるか、三度目の正直となるか」

そんなことを話しながら最後のチャンスに備える。

「普段の行いが悪いのは誰だ(笑)」

などの軽口も聞かれた。

そして、運命のラストチャンス。

三度目の正直となり

それぞれが普段より力強い調子で「お疲れ様でした」と声を掛け合い

カメラのモニターを覗きながら三々五々解散した。

三度目の正直の写真がこの稿のトップである。

滞在時間はゆうに3時間を越えた。

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「ひぃ〜!」

これは私の足腰の悲鳴である。

帰りはちょっと贅沢だがLSEに乗ってしまおう。そう思った。

「展望席空いてませんか?」

ダメ元で窓口で聞いてみる。直前のほうがキャンセルの可能性がある。

進行方向ではないが後部前から4列目に空きがあるという。

これをいただいた。

途中駅からの乗車なので620円の贅沢である。

私の足腰くんが喜んだことは言うまでもない。

夜の鉄道の撮影を闇鉄と言うらしい。

折角だからASA感度を上げてその闇鉄やらに挑戦。

ホームに入ってくる自分が乗車するLSEを撮影した。

よく見ると(よく見なくてもそうか(苦笑))ザラザラな仕上がり。

LSEと分かる独特なフォルムは、記録に残せることが出来た。

これをツルツルに撮影する方法。誰か知っていたら教えてほしいものである。

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黄色く実った田園とLSEのコラボも何とか収めることが出来た。

次回の課題は紅葉に染まるレジェンドカラーである。

田園風景と189系はもう無理だが

紅葉の方はLSE、189系、双方の写真を撮影し「有終(秋)の美」を飾りたいものである。

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