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8月4日に約1年ぶりに全線で運転を再開したJR豊肥本線(ほうひほんせん)。 その運転再開を前にした7月28日、運休中の線路上を歩くイベント『レールウォークと阿蘇散策の旅』に、ブログ友のかちがらすさんと息子と私の3人で参加してきた記録の第3回です。 今回は少し本筋から離れて、枕木に書かれた謎の暗号に焦点を当てます。 ちょっと内容が専門的になりますが、がんばって噛み砕いて書きます。 この旅行記の最初の記事はこちらから。 この旅行記のバックナンバー一覧はこちらから(パソコンのみ対応)。 レールの方にもETCとあり、さらに数式がかかれています。 C=0 S=0 V=1 どんな意味なのだろう? もう少し歩くとECCもありました。 ECCと言っても、英会話とは関係ないようです。(^^; ECCにもレールに謎の数式。 こちらには、C=100 S=10 V=41 とありました。 うーん、これはなんだ? 近くに保線区員さんがいたので、質問してみました。 「ETCって高速の料金所じゃないですよね?」 「カーブの用語なんですよ。」 「へ〜!」 鉄道のカーブ(曲線)は円曲線が基本です。 円曲線とは曲率半径が一定の曲線です。 よくカーブでR=600mなどと言うのは、この曲率半径のことを指しています。 しかし直線区間からいきなり円曲線に入ると突然大きな遠心力がかかることになり、安全性と乗り心地の両面で問題となります。 そこで徐々に曲率半径が変わるように、直線と円曲線の間に挿入される曲線を緩和曲線と言います。 円曲線の前後には必ず緩和曲線が挿入されていると言っても過言ではありません。 先ほどのETCはこの緩和曲線の終点(End of Transition Curve)を、 またECCは円曲線の終点(End of Circular Curve)を示しています。 「End(終点)」とあるので、ここでカーブが終わるように感じるかもしれませんが、上り方向から歩いてきているので、実際はこの「End」からカーブが始まることになります。 「End(終点)」を「Beginning(起点)」に置き換えると理解しやすいかもしれません。 直線区間からETCで緩和曲線が始まり、ETCからECCまでが緩和曲線、ECCから円曲線が始まるイメージです。 以下のサイトの図が理解しやすいです。用語も簡潔に説明してありなかなか秀逸です。 13.曲線と勾配の詳細 (1) 〜BVE 路線作成講座@西武秩父線編〜 http://plaza.rakuten.co.jp/bvechichibu/diary/200901310000/ 数式の謎を解く 〜Cはカント〜曲線にはカントと呼ばれる左右レールの高低差が設けられています。カーブの外側を高くすることにより遠心力を相殺して脱線防止や乗り心地改善を図っています。 カントも緩和曲線で徐々に高低差を増していくように設計されています。 先ほどの画像で数式が書かれていましたが、Cがそのカント(単位はmm)にあたります。 ETCでは「C=0」、ECCでは「C=100」とありました。 ETCとECCの間が緩和曲線になりますから、緩和曲線を通過する間に100mmほど左右のレールに高低差がつくわけですね。 Sはスラック次にSです。Sはスラックの意味。狭軌では軌間1067mmと定められていますが、曲線ではわずかに軌間を広げてスムーズな車輪通過を可能にしています。これをスラックと言います。(単位はmm) ETCでは「S=0」、ECCでは「S=10」とありますから、緩和曲線を通過する間に軌間が10mmほど広がるわけですね。 メジャーを持ってきて測ればよかったなぁ・・・ Vは10m弦正矢量Vは曲線の10m弦正矢量のこと。曲線レール(=弧)に10mの糸を張り(=弦)、その糸(弦)の中点とレール(弧)までの距離を指します。 この数字が大きいほど急な曲線と言うことになります。 ECCで「V=41」とありますから、10mの糸をレールに沿わせてまっすぐ張ると、糸の中点ではレールと糸が41mm離れるという意味のようです。 一方でETCでは「V=1」で、糸とレールは1mmしか離れず、カーブは緩いことを示します。 言葉だけではわかりにくいので、以下のURLに図があります。 またカント・スラックの説明は以下のページが詳しいです。 電車の線路曲線って何!? 〜たわたわのページ〜 http://www.tawatawa.com/ 直接リンク不可のため、トップページにリンクしました。 電車のページ→鉄道なぜなに教室→電車の線路曲線って何!? と進んでください。 イラストが明快で理解しやすいです。 次に出てきたのは・・・ これはERTかEITか?? レールにはEITとありますが、その後の展開からするとこれはERTが正しいようです。 C=100 S=10 V=41 は先ほどのECCと同じでした。 ERTとは反向緩和曲線終点の意味。End of Reverse Transition Curveの略と思われます。 反向曲線とは、いわゆる「S字カーブ」のことです。 線路がS字にカーブする場合、2つの円曲線の間を緩和曲線でつないで連続するカーブとすることがあります。これを反向曲線と言います。 そして2つの曲線の間をつなぐ緩和曲線を反向緩和曲線と言います。 この反向緩和曲線を介して、右カーブから左カーブへ変わるわけですね。 ECCから始まった円曲線はこのERTで終了し、ERTからは反向緩和曲線へと入っていきます。 次に現れたのはPRC。 Point of Reverse Curveの略で、「変極点」の意味です。 まだPRCは反向緩和曲線の真っ只中ですが、まさにここが左カーブと右カーブのちょうど境界にあたります。 なので、カントはゼロ(C=0)、スラックもゼロ(S=0)ですね。 続けてBRT。反向緩和曲線の始点です。 Beginning of Reverse Transition Curveの略と思われます。 三陸で流行の「Bus rapid transit」ではありません。(^^; レールにBITと書かれているのは誤りと思われます。 ERTから始まりPRCを経てきた反向緩和曲線は、このBRTで終了します。 ここから先は再び円曲線区間になります。 そしてBCCにたどり着きました。 円曲線の始点を意味する、Beginning of Circular Curveの略です。 BRTから始まった円曲線は、このBCCで終了します。 ここからは緩和曲線に入っていきます。 さらにBTC。Beginning of Transition Curve、緩和曲線の始点です。 ここで緩和曲線が終了し、直線区間に入ります。 カントもゼロ、スラックもゼロに戻りました。(C=0、S=0) BTCを通過するとご覧のとおり直線区間です。 反向緩和曲線については、以下のサイトに図があります。 鉄道線路豆知識 〜株式会社セントラルサーベイ〜 http://www.central-srv.co.jp/rail_way.html 下から2番目の反向曲線の図をご覧ください。 これまで見てきた、ETC→ECC→ERT→(PRC)→BRT→BCC→BTCの流れが理解できるかと思います。 前方を見ると、線路は徐々に右にカーブしていきます。 また左右のレールの高低差も徐々についてきます(カント)。 目視ではわかりませんが軌間もミリ単位で徐々に広がります(スラック)。 これが緩和曲線なんですねぇ。 以上、ちょっと専門的な線路の話でした。難しくてすいません。(^^; 線路の上を直接歩かないと、このような記号や数式にはなかなか気づけないもの。 レールウォークは、鉄道線路に対する理解を深める良い機会になりました。 今回はここまでとします。 次回でレールウォークのレポートは終了です。 線路から眺める景色を堪能しながらゴールへ到着します。 歩行日:2013年7月28日 記事を気に入って頂けましたら、これらリンクを押して頂けると励みになります。(^^)
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熊本市電に乗ってます。
いや〜ガチ文系の自分にはわかるような……わからんような……わかった気にはなったようなでした。
何となく意味は掴んだような気がせんでもないでした。
帰宅後改めて拝見します
2013/9/8(日) 午後 7:07 [ かちがらす ]
かちがらすさん、さっそくのコメントありがとうございます。
やっぱりわかりにくいですかね〜。(^^;
解説の図を自作して入れればもう少し理解して頂けたかもしれません・・・
関連リンクサイトをご覧頂ければ、もう少し理解して頂けるかなと。他力本願ですいません。m(__)m
本日は熊本へおでかけでしたね。お気をつけてお帰り下さい。(^^)
2013/9/8(日) 午後 7:43 [ てっちゃんパパ ]
勉強になりました。ありがとうございます。
古い鐵ちゃんで、そこそこ知識はあるつもりですが、まだまだ勉強不足です。
「知るは楽しみなり」ですね。
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2013/9/9(月) 午前 6:40 [ ヤビツ峠 ]
直線からいきなりカーブになるのではなく
ゆるやかにカーブに入るよう設計されてるんですね。
判り易い解説にナイスです☆
2013/9/15(日) 午後 7:01 [ かちがらす ]
ヤビツ峠さん、こんなマニアックな内容の記事にコメントいただき感謝です。m(__)m
今回初めて線路の構造について細かく調べてみたのですが、ネット上の資料がさほど多くないので調べるのも一苦労でした。
曲線一つとっても様々なパラメーターがあり、それにより列車の曲線通過速度が決定されます。
そこには複雑な数学の計算も必要になります。
いやー、ほんと、鉄道の世界はディープです。
いくら勉強しても勉強し終えることはなさそうですね。(^^;
2013/9/23(月) 午後 10:03 [ てっちゃんパパ ]
かちがらすさん、再度のコメントありがとうございます。
そうなんです、緩やかにカーブに入るようになっているんです。
それは道路も同じで、高速道路のインターチェンジの合流や分流のカーブにも緩和曲線が入っているようです。
あまり説明はわかりやすくないです。(^^;
自己満足な記事ですいません。
2013/9/23(月) 午後 10:08 [ てっちゃんパパ ]
TBしておきます。文系の為か理屈で考えようとするも??でした。
緩和曲線でなんとなく理解した気でいました。
2013/10/14(月) 午後 11:09 [ かちがらす ]
かちがらすさん、トラックバックありがとうございました。
いろいろネットで調べましたが、緩和曲線は理解が難しかったです。
それに今回の曲線は「反向曲線」と呼ばれる、途中でカーブの向きが変わる特殊な曲線でしたしね。
まぁ、何となくの理解で良いのかと思います。
私もこれ以上深入りしませんし、できません。(^^;
2013/10/16(水) 午後 0:08 [ てっちゃんパパ ]
> かちがらすさん
早朝にレール上の暗号化マシンを見た後、私はこの情報を見つけました。
2019/3/19(火) 午前 8:56 [ ecc*hig*shi*a*suya*ak*ta ]
> てっちゃんパパさん
この豆知識は量子です。
2019/3/19(火) 午前 8:59 [ ecc*hig*shi*a*suya*ak*ta ]
> ヤビツ峠さん
私も学びました。🐸
2019/3/19(火) 午前 9:01 [ ecc*hig*shi*a*suya*ak*ta ]
> かちがらすさん
🎈憶測にきりがない(ですね。)
2019/3/19(火) 午前 9:04 [ ecc*hig*shi*a*suya*ak*ta ]
> てっちゃんパパさん
わかりずらいですよ!もっと素晴らしいのは、あなたのコメントの6年後に答えがここに現れています。テクノロジーは大きな可能性があります。責任を持ち親切にしましょう。
2019/3/19(火) 午前 9:10 [ ecc*hig*shi*a*suya*ak*ta ]