魔法の王国・アンダレーシアの森の奥深くで、美しい娘、ジゼルは動物たちと暮らしながら、いつか運命の人と出逢い、真実の愛のキスを交わすことを夢見ていた。 ある日、彼女は、森の中で怪物トロールに襲われたが、彼女の歌声に惹きつけられるように現れたエドワード王子に助けられた。そして、一目ぼれをした二人は、結婚の約束を交わした。 翌日、ウェディングドレスを着て、エドワード王子を待つお城へと向かうジゼルは、突如現われた魔女によって魔法の井戸へと誘い出され、その井戸に突き落とされてしまった。 魔女に姿を変えていたのは、王子が結婚することで自分の王座が脅かされることを恐れた王子の継母だった。 井戸の魔法によって人間の姿になってしまい、戸惑うジゼル…。 彼女は、暗闇に差し込んでくるわずかな光を頼りに、重い扉を開き、外へと出た。 彼女がたどり着いた場所は、現代のニューヨークだった。 この作品について、以下に、3つのポイントから綴りたいと思います。 ケヴィン・リマ監督は、『ターザン』(1999年)、『102』(2000年)といったディズニーの実写映画で、 監督を務めたことがある方です。 冒頭11分のアニメシーンについては、当初は、「アニメの部分をCGで」という意見もあったようですが、 監督は、あえてセルアニメ(手描きによるアニメ)にこだわっています。現在、ディズニーにはセル アニメを受け持つ部門がなかったため、アニメシーンは、過去にディズニーのセルアニメでキャラクター を手掛けたジェームズ・バクスターのアニメーションスタジオへ製作が委託されたもの。 バクスターは、実写のキャストたちに似せたキャラクターをデザインし、キャストたちの動作や仕草を 見事にアニメへと取り入れています。 本作の企画は、脚本を担当したビル・ケリーによって、もたらされたものでした。 彼が過去に原案を手掛けた作品に、『タイムトラベラー〜きのうから来た恋人〜』(1999年)があります。 未見の作品ではありますが、現代社会を全く知らずに(核シェルター内で)純粋に育った主人公(こちらの 作品は男性)が、初めて地上に現われて、恋をするというという、やはりありえない設定のロマンティック・ コメディのようです。『魔法にかけられて』は、この設定を参考にしながら、ストーリーを発展させたような 気がします。 音楽は、過去、『リトル・マーメイド』(1989年)で作曲賞・主題歌賞、『美女と野獣』(1991年)で作曲賞・ 主題歌賞、『アラジン』(1992年)で作曲賞・主題歌賞、『ボカホンタス』(1995年)で歌曲賞・音楽賞と 計8度、アカデミー賞を受賞しているアラン・メンケンが担当しています。 また、各楽曲の作詞を担当しているのは、過去に『ボカホンタス』、『ノートルダムの鐘』で、彼と組んで 仕事をしたことがあるスティーヴン・シュワルツです。 プリンセスのキャラクターになりきっていたエイミー・アダムスには、いかにもディズニーのお姫様と いった印象があり、演技、歌唱ともに、すばらしかったです。ありえない設定ながら、ほがらかで、 しっかりとした一人の女性像を、見事に体現していた彼女のジゼル役は、はまり役でしたね。 彼女は、オーディションを受けた300人の女優の中から、監督によってジゼルの役に抜擢されました。 彼女が好きなディズニープリンセスは、「シンデレラ」だそう。エイミーがジゼル役に決まるプロセスは、 「シンデレラストーリー」だったといえますね。 インタビュー記事によれば、監督は、オーディションで彼女が部屋に入ってきた瞬間、彼女の外見が まさにディズニーのプリンセスそのものだったことに心底びっくりしたそうです。さらに、彼女だけが プリンセスのキャラクターを茶化したように演じることがなく、誠実に演じてくれたといいます。 監督の前で、ガラスの靴をぴったりと履いてみせたのは、ただ一人の女優、エイミー・アダムスだけ だったといえます。 エイミー・アダムスはオーディションで出演を決めた『わたしが美しくなった100の秘密』(1999年) で映画デビュー。 その後『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002年)に出演を果たし、ハリウッドで大きなチャンスを つかむことになりました。 彼女が『キャッチ…』に出演することが決まったのは、数多くの候補者の中で、スピルバーグ監督が 見せた彼女のテープが、主演のレオナルド・ディカプリオの目に留まったことがきっかけだそう。 実際に、彼女のシンデレラストーリーのはじまりは、何とディズニーの作品ではなく、スピルバーグ 監督によるディズニーのライバル会社でもあるドリームワークスの作品への出演でしたか…。意外で 興味深いエピソードです。 「ジューンバッグ(原題)」(2005年)では、インディペンデント・スピリット賞、放送映画批評家協会賞の 助演女優賞を獲得、アカデミー賞助演女優賞にもノミネートされました。 今後、さらに活躍が期待される彼女には、今年と来年に公開予定の出演作品もあります。 ロバート・フィリップ役を演じたのが、パトリック・デンプシー。 バツイチの離婚訴訟専門の弁護士は、幼い娘を愛する優しいパパでしたね。 ロバートの恋人、ナンシー・トレメイン役を演じたのが、イディナ・メンゼル。 映画『RENT/レント』(2005年)にも出演していた彼女は、ジゼルと対照的なリアリティがある現代の 女性を好演していました。 エドワード王子役のジェームス・マースデンが、バスと闘ってみせたり、テレビに向かって話しかけたりと コミカルな演技をしっかりとこなし、笑わせてくれました。 ナリッサ王女役のスーザン・サランドンには、さすが名女優の存在感がありましたね。思わず笑って しまう程、貫禄の演技を見せてくれています。 ナリッサ女王の手先となり、ジゼルを陥れようとするナサニエル役を、最近では、『スウィニートッド』 (2007年)での脇役が印象的だったティモシー・スポールが演じていました。 実写シーンには、ジゼルと森で仲良しだったシマリスのピップが、CGで登場していますね。 ピップが登場する度ごとに、多くの観客の笑いを誘っていた程、表情や動作がとても可愛かったです。 魅力的なキャラクターで、スピンオフの可能性もあるのではないでしょうか。 名演技を見せていたピップの「キーキー」という鳴き声ですが、監督自身が担当しています。映画の 製作中、出演者に演出の説明をしながらピップの声を出したところ、編集スタッフたちにピップの声を 担当することを勧められ、試写で使われた監督の声も好評だったために、結局、声優も務めることに なったそう。面白いエピソードです。 オープニングとエンディングでジュリー・アンドリュースが、ナレーションを担当しているというのも うれしいですね。 彼女は、『メリーポピンズ』(1964年)で、映画主演デビュー。同年の『サウンド・オブ・ミュージック』で、一躍 スターとなった往年の女優です。現在70歳を過ぎていますが、やさしい語り口で印象的なナレーション でした。 この作品のようなミュージカル風ロマンティック・コメディは、個人的には大好きです。 母親が子供に読み聞かせるような、「飛び出す絵本」からはじまるストーリー。 実にファンタジックで、おしゃれなオープニングでした。 アニメのシーンから実写のシーンへ変わった際のスクリーンサイズとサウンドの変化が、お見事。 1.85:1から2.35:1(ビスタからシネスコ)へと変わるとともに、サウンドもモノラルからステレオへと変わり、 深みを増しました。 本作は、ディズニーのセルフパロディであると同時に、過去の作品へのオマージュにもなっていました。 数多くのディズニー映画に親しんでいればいる程、本作のシーンに、過去の作品と似かよったシーンを 見つけることができるでしょう。 例えば、ジゼルが歌うことで部屋の中で登場する生き物たちは、『白雪姫』のように森の中で集まって きた小鳥やうさぎ、リスやバンビとは違い、パロディームードがたっぷりでした。 ジゼルが丘の上で手を広げて歌うシーンは、『美女と野獣』にあるシーンでもあり、『サウンド・オブ・ ミュージック』で、ジュリー・アンドリュースが歌うシーンを彷彿とさせるものがありましたね。 『白雪姫』、『シンデレラ』と似かよったシーンも結構ありました。 それぞれに特徴があるミュージカルの各シーンが実に楽しかったです。シーンごとに違った舞台での 展開がみられ、全体を通して、バラエティ豊かな構成がとても印象的です。 「真実の愛のキス(True Love’s Kiss)」での、広い森の中を舞台にしたアニメのシーン。 「歌ってお仕事(Happy Working Song)」での、狭い部屋の中を舞台にした実写とCGの組み合わせのシーン。 「想いを伝えて(That’s How You Know)」では、緑豊かなセントラル・パークでの屋外の実写シーン。 特に、このシーンは圧巻でしたね。300人程のエキストラを投じて撮影されたそうです。 「そばにいて(So Close)」、ムードのあるダンスホールでの屋内の実写シーン…。 他には、「エバー・エバー・アフター(Ever Ever After)」という楽曲もありました。 その時々で異なるジゼルの心情が、よく込められたものになっていたと思います。 「歌ってお仕事」のシーンで、一部、ギョッとさせられた映像も見受けられたのは…ご愛嬌ですね(^^;。 どの楽曲、キャストたちの歌唱も、すばらしいもので、観客を決して飽きさせることがありません。 本作で使われた5曲の楽曲からは、「歌ってお仕事」以下の計3曲が、アカデミー賞歌曲賞にノミネート されました。それぞれの楽曲は、今後、映画音楽のスタンダードナンバーとなっていくことでしょう。 ニューヨークに行きたくなり、ディズニー映画を観直したくなる作品でしたね(^^)。
続編の製作を期待したいものです。 |

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さすがディズニーと言える映画でしたよね〜
そうそう、あのビスタサイズからシネスコになったのは素敵でした!まさに絵本から飛び出した!って感じですよね。
ディズニー大好き人間としてはとても満足できるプリンセスものだったな〜(^^)やっぱり夢がある映画はいいですね♪TBさせてくださいね。
2008/4/15(火) 午後 11:51
kuuさん☆コメントありがとう!今までのディズニー映画のイメージから飛び出した作品で
とても楽しめましたね!私も満足できました♪エイミー・アダムスのお姫さまのジゼルに
なり切った演技が良かった(^^)。真面目にやっているから、なおさら面白かったです♪
TBありがとう!
2008/4/17(木) 午前 5:26
流風月海さん☆コメントありがとう!アニメは、実際の俳優の姿を参考にして、
キャラクターをデザインしていることもあって、それぞれに、よく似ていましたね(^^)。
各キャストが個性的で、存在感、演技とも、いい味を出していました。TBありがとう!
2008/4/17(木) 午前 5:29
はじアロさん☆コメントと☆ポッチ、ありがとう!これからご覧になるのが、いっそう楽しみに
なったようで、とてもうれしいです♪
2008/4/17(木) 午前 6:08
つららさん☆コメントありがとう!この作品の企画は、発表されたときから、一体どんな
作品になるのだろうかと、とても興味深かったですよね!やはり、さすがディズニー
映画だなあと納得できるような、すばらしい作品だったと思います。すてきな歌と
ダンスのシーンは、ミュージカル映画のような面白さで、夢いっぱいでした(^^)。
TBありがとう!
2008/4/19(土) 午後 1:18
go太郎さん☆コメントありがとう!そうです♪楽しみいっぱいの映画です(^^)!
2008/4/19(土) 午後 8:31
irukaさん☆コメントありがとう!やはり、この作品は、また観たくなるような
楽しさがあふれていましたね!エイミーとピップの友情も感じられるストーリー
でもありました(^^)。
2008/4/19(土) 午後 8:34
Angelさん☆コメントありがとう!エイミーには、今の人々が忘れかけている
色々なことを感じさせる、すばらしい心がありましたよね♪DVDが出たら
手元に置いて、何度も観たくなる気持ち、私も良く分かります(^^)。
2008/4/19(土) 午後 8:37
ひつこじさんのヒツジさん☆コメントありがとう!ハイ♪大変お待たせしておりました(^^;。
最近、映画レビュー記事をあまり更新できていませんでしたね(^^)。TBもありがとう!
2008/4/19(土) 午後 8:40
nz_rrさん☆コメントありがとう!ジゼル役のエイミーは、まさにディズニーの
お姫さまになりきった、すばらしい演技でしたよ〜。現代にやってきた彼女の
心境の変化にも注目してご覧になると、いっそう楽しめると思います(^^)。
2008/4/19(土) 午後 8:43
かずさん☆コメントありがとう!そうですよね〜♪ディズニーらしく、とても
楽しい作品でした(^^)。
2008/4/19(土) 午後 8:45
はざくらさん☆コメントありがとう!夢のある映画でしたよ〜♪笑えるシーンも多いです♪
機会がおありでしたら、是非、お嬢さんと一緒にお楽しみくださいね(^^)。
2008/4/19(土) 午後 8:50
あや姫さん☆コメントありがとう!今迄のディズニー作品にはないようなタイプの
内容でしたが、以前の作品にも似ているシーンが結構ありました(^^)。あや姫さんも、
お嬢さま方とともに、日本のお姫さまとして、きっと、とても楽しめる作品ですよ!
記事を参考にしていただいて、「ぽち☆☆☆***」、ありがとう!
2008/4/19(土) 午後 9:54
Shinchanさん☆コメントありがとう!エイミー・アダムスのジゼル役は、やはり
良く合っていましたね!監督が彼女を抜擢したのも充分に納得できる存在感と
演技だったと思います(^^)。この作品をどう受けとめられるかは、人によって様々で
しょう。それでも、このタイプの作品をご覧になったということだけでも、結構、
頭は柔軟なのではないかと思いますね(^^)。
2008/4/19(土) 午後 10:02
はじアロさん☆コメントありがとう!そうそう、すごく面白かったでしょ(^^)!
やっぱり、「歌ってお仕事」のシーンは、ある意味、すごかったです…(^^;。
2度楽しめたということで、うれしいなあ♪再びポッチのお気持ち、ありがとう!
2008/4/19(土) 午後 10:09
はじアロさん☆再びのポッチ、そのお気持ちをいただけたこと、光栄です…(^^)。
本当にありがとう!
2008/4/19(土) 午後 10:12
Choroさん☆コメントありがとう!やはり以前からディズニー作品に親しんでいる
と、より楽しめる要素がたっぷりありましたよね!やはり物騒な映画も多い中、こうした
楽しくって、夢のある映画は、心から安心して観ていられるなあという気がします(^^)。
TBありがとう!
2008/4/19(土) 午後 10:16
ピップの声にそんなエピソードがあったのですね〜
可愛いリスちゃんでした。
音楽も素敵だったし、設定が面白いですよね。
とっても楽しい気持ちになりました。
TBさせてくださいね。
2008/4/21(月) 午後 2:37 [ ake*omy*ujo*3 ]
明星さん☆コメントありがとう!時々、自分の作品に、ちらりと出演している監督も
いるのではと思いますが、ケヴィン・リマ監督は、何とピップの声で出演でした(^^)。
すてきな音楽による、ミュージカルシーンも良かったですね♪TBありがとう!
2008/4/26(土) 午後 7:29
大人も子どももワクワクして見れる素敵なお話でしたよね!キャラクターたちはとても個性的!アニメから飛び出したキャラたちはどれもそっくりでしたよね!実はスーザン・サランドンは最後まで気がつかなくてエンドロールでえっ?でした!(笑)
TBお返しします!
2008/4/29(火) 午後 8:09