大金持ちの実業家のエドワード(ジャック・ニコルソン)が、自らが買収した病院に入院したとき、先に入院していた自動車整備工のカーター(モーガン・フリーマン)と、偶然に同じ部屋となった。 病室のカーターのもとを妻のバージニア(ビバリー・トッド)ら彼の家族が見舞いに訪れるが、エドワードのもとを訪れるのは、秘書のトマス(ショーン・ヘイズ)一人だけだった。 病床の二人に対し、医師からそれぞれに余命6ヶ月の末期ガンであることが告げられた。 エドワードは、カーターが何かをメモに書きとめているのに気がついた。 その昔、カーターは、大学一年生哲学の授業で、教授が学生たちに対して「バケツリスト」を書くようにと勧めていたのを覚えていた。バケツリストとは、自分が棺おけに入る前に、やりたいこと、見たいもの、体験したいことの全てを書き出したリストのことだった。 「荘厳な景色を見る」、「見ず知らずの人に親切にする」、「マスタングの運転」、「笑うほど泣く」・・・。カーターは自分の「バケツリスト」のメモについて「もう無意味だ」と語った。46年間、自動車修理の仕事で働き続けたカーターにとって、「バケツリスト」は、今となっては、もはや叶わない空想のリストに思われた。 一方、会社を大きくし、利益を得るための仕事に追われていたエドワードは、企業買収や美味しいコーヒーを飲むことには夢中になっていたが、自分が本当にやっておきたいことについて深く考えたことがなかった。 エドワードは、カーターの「バケツリスト」に自分自身がやっておきたいことを書き足した。「スカイダイビング」、「ライオン狩りをする」、「世界一の美女にキスをする」・・・。そして、エドワードは、「きっとできる。いや、すべきだ」とカーターに語りかけ、そのリストの実現を持ちかけた。 この作品について、以下に3つのポイントから綴りたいと思います。 ロブ・ライナー監督は、本作において製作も務めています。 父親が映画監督のカール・ライナーという彼は、1947年、ニューヨーク生まれ。 子役の頃から俳優としても活動しています。 監督代表作に『スタンド・バイ・ミー』(1986年)、『恋人たちの予感』(1989年)などがあります。 『めぐり逢うまで』(1993年)、『あなたにも書ける恋愛小説』(2003年)では、監督を務めるとともに 出演もしています。 脚本は、製作総指揮のひとりを務めることになったジャスティン・ザッカムが執筆したものでした。 ザッカム自身が、「やりたいことリスト」を記していたことがアイディアのきっかけとなっているそうです。 彼が34歳で本作の脚本を執筆しているということには驚きですね。 ライナー監督に、映画化の着手を決意させ、名優二人を納得させた脚本は賞賛に値します。 ロブ・ライナー監督は、本作の脚本をわずか10ページ読んだだけで映画化を決めたようです。 過去に幅広いジャンルの作品を手掛けてきたロブ・ライナー監督が、すばらしい脚本と出会い、 名優二人を主演に迎え、人生について映画を観る人々に問いかけるような、すてきな作品を世に 出したと言えますね。 主演二人は、とても自然体の演技で、さすがに、現在のハリウッドを代表する名優同士でしたね。 実際、二人の演技がパーフェクトだったため、撮影はかなり順調なものだったようです。 ジャック・ニコルソンは、最初にキャストに決まったフリーマンが、共演者としてロブ・ライナー監督に 提案した俳優でした。過去には共演したことがなかったものの、ニコルソンとフリーマンは、実生活では 親しい友人同士だそうですね。 ニコルソンの起用は、監督自身、過去に『ア・フュー・グッドメン』(1992年)で、キャストとして起用した こともあり、既に考えていたキャスティングだったといいます。 ご存じの方も多いのではとないかと思いますが、『カッコーの巣の上で』(1975年)、『恋愛小説家』 (1997年)ではアカデミー賞主演男優賞受賞、『愛と追憶の日々』(1983年)では助演男優賞受賞と、 男性俳優として、唯一人、3度のオスカーを獲得しています。 本作品の映画撮影中には、彼も色々なアイディアを出していて、映画の一番最後に語られた印象的な ナレーションは、ジャック・ニコルソンのアイディアを、ライナー監督が採用したものでもあったようです。 思ったことをはっきりと言い、陽気で行動的な性格のエドワード役は、ジャック・ニコルソン自身の キャラクターとも、合っていたと思います。 モーガン・フリーマンは、脚本を手掛けたザッカムが、彼を想像しながら書いていたという俳優でした。 フリーマンは、ニコルソンとの共演について、インタビューで次のように語っています。 「ジャックと共演することは、僕が長い間抱いてきた大きな夢のひとつだった」 なるほど、彼にとって、「ニコルソンとの共演」が、まるで「バケツリスト」の事柄のひとつだったとも 言えるかもしれません。 長年働き続けてきた実直な人物、妻や子供を愛し、思慮深い性格のカーター役も、いかにもフリーマン のイメージに合っている役でしたね。 モーガン・フリーマンも、ニコルソン同様、ハリウッドで長年活躍してきた名優です。 過去の出演作で、やはり、男同士の友情が描かれていた『ショーシャンクの空に』と同様に、実に味の ある演技でした。 最近の出演作では、アカデミー賞助演男優賞を受賞した『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)、 『バットマン・ビギンズ』(2005年)、『ラッキーナンバー7』(2006年)などがあります。 二人の行動を陰から支えるエドワードの秘書、トマス役のショーン・ヘイズが、ちょっととぼけた演技 を見せてくれています。彼には独特な存在感がありました。 ボスであるエドワードとのやり取りに、二人の微妙な関係が感じられ、なかなか面白かったです。 誠実な医師、ホリンズ役のロブ・モローと、夫であるカーターと家族を思いやる妻、バージニア役の ビバリー・トッドが、それぞれの立場を理解できるような好演でしたね。 「この映画は墓場でジョークを言うような映画」 映画の公開に際して来日したジャック・ニコルソンが、記者会見で語っていた言葉です。 なるほど…。作品の特徴が良く分かるような、いかにも彼らしい表現ですね。 各シーンでエドワードとカーターが繰り広げる言動には、個性的な二人のキャラクターがそれぞれに 良く表れていました。二人の日常的なやりとりは、観ていてとても楽しかったです。 彼らのバケツリストは、二人がそれぞれに置かれた境遇から思いつくような、バラエティに富んだもの でした。もちろん、リストに書きとめられた事柄は、経済的に裕福でなければ実現できそうにないもの もありましたが、お金をかけることなく、実現できるようなものもありましたね。 余命いくばくもない病気ではありながらも、二人とも行動できる体力があり、エドワードが経済的に 豊かだからこそ実現できるような事柄もあります。観方によって、まるで夢のようなストーリーという 側面はあるのですが、二人が、バケツリストを次々と実現していくプロセスは、観ていて実に爽快です。 やはり、映画には、観客にとっての夢や憧れ、理想をも実現させていく役目もあると言えるのですよね。 バケツリストの事柄を一つ一つ実現するシーンには、演じている彼ら自身が、まるで演技をこえて、 心から楽しんでいる様子が感じられるほどでした。 中には、命に限りがあることを知っているからこそからなのか、ハラハラさせられる冒険心に富んだ 命知らずの行動もありましたが…(^^;。 同じ病で余命を告げられた二人は、同じバケツリストを共有することによって、お互いに元気づけられ、 不安な気持ちを取り払い、バケツリストを実現していく強い心を持ち続けられたのかもしれません。 もちろん、病状の進行に、深刻な気持ちにさせられるシーンもありました。やりたいことを実現する ために残された人生を思ったように生き抜き、それぞれのシーンで満面の笑みを見せてくれた二人の 姿が、本当に印象的でした。 ときおり考え方に行き違いがあって衝突するのも、お互いがそれぞれに自分の人生を生きてきたから こそとも言えるでしょう。 二人は、お互いの人生観の違いに気付きながらも、リストにあげた事柄を二人で実現することによって、 自分一人だけでは気付くことがなかった人生のすばらしさに、さらに気付かされたのではないでしょうか。 誰の人生にも限りがあります。 今迄、健康に生活を送っていたのが、身体に不調をきたして入院をして、さらに医師からの余命の宣告 を受けたとなると、それこそ様々なことが次々と脳裏をよぎるでしょう。 人生の終焉に思いを巡らすような状況になったとき、遺言を書くのではなく、どれだけの人が、命ある 内にやり遂げたいこと、いわゆる「バケツリスト」のようなリストを書いているのでしょうか。 全く想像ができません。自分自身の人生について考えながら、「バケツリスト」を書きとめておこうか と思ってしまいました。 人生の終焉には、やはり切なさがあります。そうした内容を扱った映画でありながらも、笑みさえ こぼれるような楽しさにあふれ、清々しいストーリーの作品になっているところに、深い感銘を 受けました。 本作は、新たな友情を育んでいくストーリーが、まるでロード・ムービーのようでもありましたね。 作品の後半、ラストへと続く一連のシーン…涙なしには観ることができませんでした。 限りある人生、仕事に追われるばかりではなく、本当にやりたいと思う何かを実現してはどうですか! あなたにとっての「バケツリスト」はありますか? エドワードとカーターの姿、そして、二人の思いに理解を示す、あたたかい周囲の人々の姿を通して、 観る者一人一人に向かって、語りかけてくるような作品。 すばらしい作品を鑑賞することができて、本当に良かったと思いました。
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この記事読んでまた観たい映画が増えました〜
これも観に行きたいな(^^ゞどれにしようか迷う。
2008/5/14(水) 午後 4:04
自分があの立場になったらどんなやりたいことを考えるかなと思ってしまう作品でした。感じとしては「死ぬまでにしたい10のこと」を思い出させてくれる感じだったかな。死を告知された後に人生に後悔のないように主人公が行動に出るところが似ています。トラバさせてくださいね。
2008/5/14(水) 午後 7:38
Dingdongさん☆コメントありがとう!大好きな俳優二人の共演作品ということでしたら、
なおさら観たくなるなりますよね。「バケツリスト」に世界一周のアイディアはいいですね!
できたら世界四分一周でもいいので、実行したいなあと思ってしまいましたよ(^^)。
でも、その前に、観たい映画リストというのが、かなり増えてきてはいます…(^^;。
2008/5/18(日) 午前 1:45
もっさんさん☆コメント&TBありがとう!ラストのシーンは、実に感動的でしたね!
2008/5/18(日) 午前 1:54
MINAさん☆コメントありがとう!楽しみにしているだけに早めにご覧になれたらいいですね!
ハートウォーミングなストーリー展開に、感動しやすい私は思わず涙でした…(TT)。念のため、
タオルを用意しても、よろしいのではないかなあ(^^;?
2008/5/18(日) 午前 1:55
Angelさん☆コメントありがとう!そうですね〜やはり早くからやりたいことをリストとして書いて
おくのが賢明なようにも思えますよね。もし、すでに鑑賞されたようでしたら、Angelさんも、
エドワードとカーターの姿に、バケツリストを書き始めたくなったかもしれませんね(^^)。
2008/5/18(日) 午前 1:58
ハートウォーミングな映画、そうですね。
ジーンと胸も熱くあんる場面もありましたっけ!
二人がはまり役でしたね!!
2008/5/18(日) 午後 3:36
夢bbさん☆コメント&TBありがとう!リストが1つ1つ消されていくシーンに感動しましたね。
リストに挙げられたそれぞれの項目が実現された後、とても印象的なシーンでした。確かに
重いテーマを扱いながらも楽しい作品にもなっていましたよね(^^)。私も、夢bbさんと同じくDVD
でも観たくなりました。
2008/5/18(日) 午後 7:40
つららさん☆コメント&TBありがとう!やはり、特にストーリー後半にはホロリとさせられる
シーンがいくつもありましたよね…。彼らのリストにはお金があるから実現できるものも
ありましたが、特にお金をかけずに実現できるものには感動でした。つららさんも、「棺おけ
リスト」を作ろうと思われたのですね〜。
2008/5/18(日) 午後 7:42
明星さん☆コメント&TBありがとう!自分のことを振り返るきっかけとなるような作品でしたよね。
本当の友人同士という名優二人の演技には、一層に現実味が感じられました。やはり、さすがの
名演技だったと思います。明星さんも、リストを書いてみましょうか。
2008/5/18(日) 午後 7:45
イリアさん☆コメントありがとう!そうそう、キャストの良さが、この作品の大きな魅力になって
いましたね。モーガン・フリーマンの演技がお好きだったら、まさにお勧め映画といえます(^^)。
もし、機会があったら、観てみると良いかと思います。確かに、バケツリストを作っている人は
少数で、大半の人にとって、バケツリストはないような気がしますよね。
2008/5/18(日) 午後 7:48
はじアロさん☆コメントありがとう!「観たい映画リスト」がたくさんになってきたようですね。
まずは、こちらに優先順位をつけていく必要がありそうかな…(^^)?
2008/5/18(日) 午後 7:49
いっちーさん☆コメント&TBありがとう!確かに自分の立場だったらと思いが巡る作品でしたね。
こういったタイプの作品を観ると、観ているこちらも人生に悔いのないように行動をしていかなく
ては…という気持ちになります。
2008/5/18(日) 午後 7:52
***さん☆コメントありがとう!これからの鑑賞が楽しみですね!あはは(^^)!そうですよね〜。
ご指摘ありがとうございます<(_ _)>。
2008/5/18(日) 午後 7:54
irukaさん☆コメントありがとう!作品には、心あたたまる愛情や友情が感じられました♪
名優二人のキャラクターは、役柄と良く合っていましたね。
2008/5/18(日) 午後 11:23
日本行きの機内で観てきました。ジャックとモーガンの競演。そして友情と愛情。すばらしい映画でしたね。お気に入りの1本になりました。
2008/5/19(月) 午前 10:03
とっても温かい作品でした。バケツリストがひとつづつ消えていく様子は、とっても気持ちよかったです。秘書さんも、いい味出してました。世界一の美女とキス出来たなんて、観てるこっちも嬉しくなりました。とっても気持ちよく観ました。んがっ、しか〜〜し、「恋愛小説家」の時のニコルソンが大好きな私には、これでもまだ満足しない欲深さがあります。フリーマン相手だったらもっともっとを期待してました^^;。ジャックは、相手が女性の時の方が、切れがいいのかも…(^^♪。
2008/5/20(火) 午前 0:50
人間は誰もが例外なくいずれ人生の幕を閉じるわけですが、こういう映画を観ると、早くから自分の人生というものを考えておいたほうがいいかな、と思ってしまいますね。できれば心身共に元気なうちに。。(^^)
温かな素敵な映画でした♪TBさせてくださいね。
2008/5/23(金) 午後 11:26
ご無沙汰しました^^;
この映画見て見たいな♪
バケツリスト私も作ろうかしら・・・
これからの人生ひとつひとつ消して行きながら
豊かに暮らして行けたらいいでしょうね(*^^*)
実現するにはまずは健康が大切ですね^^
あっお金も・・・o(^-^)o
今日も素敵な情報ありがとう!!
ポチ☆☆☆***
2008/5/30(金) 午前 7:04
はじめまして。ご訪問しました。
この映画 本当に暖かくて笑いながら泣いてしまうぐらい
心に残る映画でした。
2009/12/18(金) 午後 8:14