海外研修日記 2007

世界の自閉症支援を学ぶ旅

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香港4日目、そして研修日です。


報告の前に、
昨晩は、地下鉄とバスに乗りって香港島へ渡り、
JUMBO Floating Restaurant に行って来ました。

見たことある!って人も多いのではないでしょうか。

ただこの写真を撮りたかっただけなんですが、
せっかくですから、飯も食ってきました。
思っていた程、そんなに超高級店って感じではない様子。
観光客ばかりなのか、地元民も来るのかは不明。知名度はある。

まぁ、食通の方に言わせれば、
ホントの中華を食べるなら、そんなところに行かなくても、
てな感じなのかもしれません。
でも普通に旨かったですよ。なんせ給食カレー大好きの安い舌ですから(笑)



報告に戻ります。
カレンと待ち合わせて、地下鉄で移動。

午前は、Autism Partnership International School という私立の学校。通称AP。

ここは完全ABA の学校。Toby さんという方が案内してくれました。

ロサンゼルスに本拠地を置き、カナダ、イギリス、香港、シンガポール、
東京、オーストラリア、ニュージーランド等に支部(学校)を持つ。
全てあわせて、約250名のスタッフがいるらしい。
※東京校のWebサイトがあるらしい。

で、この学校は、幼稚園と小学校を持っているが、
その他にも、ペアレントトレーニングや個別家庭訪問トレーニングみたいなんや
10代、成人のASD の方のためのカウンセリング、
ソーシャルスキルなどのプログラムもあるとのこと。
また将来的には、中学校、高校等を作るヴィジョンもあるらしい。

クラスは、1クラス6人の生徒で、スタッフは3人、1人に2人が基本だが、
個々の状態や活動内容、プログラムによって、増減する。
例えば、入学して間もない頃は、1to1、または、子ども1人に対して2人付いて、指導する。

クラス内でも、同じ数学の時間でも、パソコンで一人勉強もいれば、机上で一人勉強もいて、
1to1もいれば、1to4くらいでやってる子もいる。同じクラス内です。
個々に応じて、様々なバージョンがある。

全生徒数は25人とのことだが、その他に
個別に家庭に訪問し、家庭でトレーニングをし、
ペアレントトレーニングもみたいなプログラムを受けている子どもが、35人いる。
もちろんこの子らは、一般の学校に通っている、か、就学前。


この学校は、ABA による教育を展開しており、
全て、研究に基づく、リサーチベイスドでやってるとのこと、
ですが、エビデンスベイスドについては、
メイ・カンファレンス(TEACCH)の研修記録を是非参照して下さい。

スタッフの一人は、子どもの背後で、
プロンプトを出したりしつつ、ずっとデータを取っている。
個々の目標についての評価を記録し、日々アセスメントを行っている。
オンゴーイングが徹底している。

スタッフのトレーニングや親御さんとの面談、
本社(アメリカ)からのコンサルタントも月1だそうで、
かなり濃厚にシステマティックに運営されている。


質問したこと。
ある子どもが、プリントの終わらなかったペナルティとして、遊びに参加できず、
机に座っていた。何も無い時間。
これについて、Toby は、彼にはアテンションの問題があり、集中が出来ず、時間がかかるとのこと。

で、それに対し、アテンションの問題は、自閉症の特性なのに、
ペナルティによって改善されるのか?と聞いたら、

ABA的には、学習によって変えられる、と。
そして、そこは、TEACCH との決定的な違いだと。
TEACCH に対し、TEACCH は自閉症を諦めている的な意見があると聞いたことがあるが、
これか、と思った。
僕としては、そんなことはない、と思いますが、難しいところですね。

これについては、僕自身も悩むところがあり、是非、コメントが欲しいところですが(笑)
例えば、上述の彼が、頑張ってプリント終わらせられたら遊べる、というように学習したとして、
でもアテンションの問題そのものがなくなるわけではないだろうし、
でも学習によって、本人の活動に対する意欲、意識が高まれば、集中も高まるということか?
それは、確かにそうなるような気もするが、
それにより、障害特性としてのアテンションの問題も少し緩和される、と考えられるのか?
う〜ん。分からん。
自閉症の脳の違い、と言うと、白と黒みたいに決定的に違う、というイメージを持つが、
人間の脳ってのは、もっとアナログ的なのだろうか?

とりあえず、学習による効果は皆無ではないだろうし、
それでも彼らの脳に合わせて環境を変えることは必要だろうし、
それによって学びは正しく促進されるだろうし。
両方やればええのに、と思った。

もう一つ。
上記の話の流れで、Toby から、
TEACCH はインディペンデントにフォーカスしすぎるとの話。
彼のジェスチャーから、ワークシステムによるタスクをこなす自閉症の様子を
云わんとしていることが分かったが、
ABA 的にはもっと“教える”に力を入れる、とのこと。
つまり、一人で自立的に黙々とタスクをこなすことは新たな学びに発展せず、
もっと有用な介入をすべきとのことらしい。彼に言わせればね。
が、これは完全な誤解だと思った。
同じ誤解は日本にもあるのではと思う。個別化を孤立化と誤解し、
社会的なインタラクションの機会を子どもから奪うと言うような誤解がある。

また、TEACCH は環境を変えすぎるとも。
将来的なコミュニティへのトランジションを妨げるとのこと。
やっぱりこれも完全なる誤解だと思う。

構造化された支援の目的、個別化、アセスメント等々をきちんと知っていれば、そうは思わないはず。
また、ナチュラルな構造化を意識することの大切さは、ジョン・B・トーマスも言ってた。
脱構造化という間違った理解の言葉が示す、実に典型的な誤解だと思った。

なかなか難しい問題です。
これに関しては、英語の問題もあるし、
議論出来るほどのバックグラウンドが僕には無い。
まぁ、その必要も無いか。
現場の支援者とASD 本人の方にとっては、その対立軸は全くもって無用のもの。

ここでも、すごく子どもたちは、安定して、活動に取り組み、
入学時、60%は無言語だが、一年後のアウトカムは95%が言葉を使えるようになったとのことだし、
すごく論理的で、データを取って、着実に学習効果を積み上げていくトコなんて、
経験と勘のみで教育を展開し、客観的に測定できないような(頑張れるみたいな)目標を立て、
日々の活動は、楽しむことが唯一の目標で(それも大事ですが)、
具体的なスキルは、1年経って、気付けば出来てた、みたいな感じで、
問題行動は、自閉症だから、大変な子だから、そういう子だから、
みたいに本人のせいになっちゃって、
むしろ、そんな大変な子に毎日関わって、バシバシ叩かれたりしながらも笑顔を崩さず、
じっと忍耐強く接する姿こそが、熱心な教育みたいになっちゃうような
一部の状況に比べれば、非常に素晴らしい。

だから、話を聞いて、観て、思ったこと。
勿体無いなぁと。上手くTEACCHメソッドをコラボレートしたらええのになぁと。
もっともっと良い教育効果を上げられるんじゃないかと。

でも、なんだかんだ言いながら、
活動エリアは、オーガナイズされ、視覚的な境界もあり、
ヴィジュアル情報は多いし、各活動エリアに自分の名前カードを持ってって、
そこのポケットに入れるなんてシステムあるし、チョイスボードはあるし、
構造化は、基本として必要なことが分かる。

もちろん、その手前には、“個に応じて”があり、
これについては、TEACCH はもちろん、この学校でも同じ。
Toby は、ことあるごとに、
depend on って言ってた。つまり子どもによる。

ちなみに私立で、これだけのシステムで、建物も新しくてでかい。
授業料は高額らしい。カレンは、リッチな家庭でないと通えないって言ってました。

印象的だったのは、各エリアにおもちゃを入れる棚があり、
各活動エリアにおいて、個々の目標に対し、
素早く、強化できるようにされてる。ABA ですね。
いわゆる玩具や、音や光の感覚玩具が入っており、
きちんと座ってるなんて行動をタイミングよく強化。



と言うわけで、今日の2枚。

写真(上):海上レストラン。見たことないスか?

写真(下):AP のとあるエリアと各エリアにある強化子スタンド。
左端の丸い3段ボックス。壁側に先生、向かい合って子ども。
先生がこれを脇において、タイミング良く。



午後の部へ続く・・・

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海上レストランは観光客向けです。
地元の人はいかないようです笑
地元の人に評判を聞いたときに、100%の確率で首をふりました笑
というか、とめられました笑
ちなみに、この社長には第4夫人位まで奥さんがいて、
それぞれとてつもなく大きな豪邸が与えられていました。
これぞ憧れの香港マダムです。
一人ぐらい分けてもらえるといいですね。

って、研修についてのコメントなしでごめんなさい。

2007/7/4(水) 午後 10:32 [ aki ]

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まぁ、とりあえず観ておかないとって感じで(笑)
そういえば店員はやたら日本語を話す。

2007/7/5(木) 午前 9:10 [ the*lue*e*rts1*85t* ]


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