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オーストラリア4日目。
昨日と同じところにお邪魔しました。
昨日は、ゆっくりとお話を聞けなかったので、
昨日の訂正と追加情報を含めて、本日詳細をお伝えします。
まず、この機関ですが、Advisory Visiting Teacher ASD と言うのが、
正式名称で、通称AVT-ASD とのこと。
州立の養護学校に併設されていますが、
州のガバメントの機関だとのこと。
主たる機能は、今日のように学校訪問して、
その学校のASDの生徒に対し、カウンセリングやグループ活動、
時にはアカデミックな勉強の指導をするとのこともあるとのこと。
結構重要なのが、プロジェクトアサインメントの手伝い。
自由研究みたいなものと思いますが、
往々にして、自分の好きなことを好きなように、まさに自由に、
研究してください、と言うような超アバウトな指示の場合が多く、
多くの自閉症のお子さんは、お手上げで、かなりヘルプを要するんだとか。
この辺は、学校の先生に普通に出来てもらいたいところですが。
当初のイメージでは、僕の仕事のようなコンサルテーションを
想像していましたが、
先生にアドバイスして、いずれは先生が担っていくというよりは、
学校の中での一役割を完全に担う、という形態のようです。
ちなみにバレリーさんは、現在11校担当しているとのこと。
ちなみに僕のところと同じようなセンター機能は、
Autism Queensland Education,Therapy and Support Services と言う
これまたパブリックの機関があるらしく、こちらが同じような機能を持っているとのこと。
で、バレリーさんところのこのAVT-ASD ですが、
まず子どもが診断が付いて、親と先生で話をして、
で、先生は、情報を整理して、このAVT-ASD に支援を依頼する、と言う流れは、
ほぼ自動的なようです。
つまり、親や先生によって呼ばなかったり、使わなかったりと言うのは無いそう。
とは言ってももすごくウェルカムで協力的でフレンドリーなところもあれば、
そうではないトコもあり、
でも呼ばれないことは無いから、そういう感じ悪いところとも
やり取りをせざるを得ず、大変とのこと。
もう一つ、子どもの支援をするところで、Behavior Team と呼ばれる、
これまたパブリックの機関がある。
彼らは行動マネージメントの専門家だとのこと。
で、子どもに行動の問題が生じたら、
まず、子どもには、Suspended という期間が与えられるとのこと。
直訳すると執行猶予なので、イメージ悪いですが、
ようするに他の専門機関を利用して、改善を図るための期間と言うようなことだと思います。
で、このBehavior Team に来て、改善されたら、
元の学校に戻るのですが、その際は、Behavior の専門家が、
きちんと学校に訪問し、先生にアドバイスをするとのことです。
そして、昨日のジョシュアですが、
彼の場合は、学校が見放したわけでも、ギブアップしたわけでもなく、
彼自身の独特な考えにより、しばしば学校を変わりたいと言い出すことがあり、
それを訴えて暴れるんだとか。
で、これまでに10回近く、学校を変わっているらしい。
これで、結構、昨日からの情報が整理されました。
よかった、良かった。
ちなみにQueensland Autism 〜 は、Webサイトがあるので、ご参照ください。
で、今日のアクティビティですが、3回行われました。
お邪魔した学校は、スペシャルユニット無しのメインストリーム学校。
つまり、HFAとASの子は、普通学級に同じように所属しています。
で、1回目の活動は、トロイくん、小学校6年生。
彼の他に、協力者として、ティピカルな同じクラスの男の子を二人入れて、
グランドへ。
与えられたタスクは、
一本の長いロープを地面に置いて、3人で協力して(ここがポイント)、
正三角形を作ること。
トニー・アトウッド氏の講演であった、
バラした新聞を、ASDの成人のグループに並べ直させるというヤツに似てます。
これが、なかなか面白くて、
試行錯誤の中に、トロイくんの課題となっている、
乱暴な口調での仕切り屋っぷりが出てきてました。
それでも、数ヶ月前に比べると、ずいぶん安定しており、
以前は、ちょっとでも他者の動きが自分の思いにそぐわないと、
すぐに爆発だったとのこと。
で、なんとか形にするのですが、
トレバーからダメ出し。もっと正確な形を作るようにとのこと。
これによるちょっとしたフラストレーションは、一般社会においても想定されうるもので、
これもまた必要なこと、とのこと。
タスクは、バージョン3まであり、
まずは、正三角形、そして続いて、
正三角形の中に、ひし形を別のロープで作り、
今度は、そのひし形の中心に置かれたバケツを、
三角形の外から、他のロープやフックや頭を使って、持ち上げて運ぶ。
数学の勉強にもなるとのこと。
トレバーは要所要所で、より協力を促したり、
ASD の子にやり取りのヒントを与えたり等等、スーパーバイズする。素晴らしい。
2回目の活動は、ジェイムス。小学5年生。
彼も、ティピカルな生徒を二人加えて、同じ課題を。
ひし形が丸になって、丸の中心が三角形の中心にあるように、
三角形の各頂点から二等分線を各辺に延ばし、交差したところが・・・
というようにこれも数学のお勉強になる。
3つ目は、小学校4年生のお子さんだが、
ヴァネッサにマシューにサンディ。全員、アスペルガーとのこと。
この3人で、カードゲームをやる。
カードの色や形をあわせて、次々に提示していって、みたいなルールの遊びだが、
マシューは口ばっかり達者で、ゲームが始まると混乱してしまう(笑)
ヴァネッサはそれまで、大人しかったのに、エキサイティングで、
両手をバタバタさせて、盛り上がっている。
サンディは、話がすぐ脱線する。
というわけで、3人とも非常にASD でした。
このカードゲームのアイデア、
三角形を協力して作ろうのアイデアは、使えそうですね!!
そうそうもう一つ、4コマ漫画の切り離したヤツを、並べなおす。
一人でもグループでも良し。WISC の絵画配列みたいですね。
トレバーは、各担任と、少しずつコミュニケートしながら、
他の先生とも非常にフレンドリーで、この学校も良いみたいだが、
トレバーもナイスな仕事っぷりでした。
用務員さんと自閉症の話をしてて、???って思っていると、
彼の息子さんが、自閉症の疑いあり、とのことで、相談に乗ってたのだとか。
さて、午後、前半の報告とあわせて、
午前の活動についてもいくつか質問させていただきました。
もっとも気になったのが、
こういう抽出活動を行う際の、告知やカミングアウトの問題。
そして、親や先生、他児童への説明の問題があると思います。
これについては、まず先生。
先生も、例えばトロイの横柄な態度によるクラス内でのトラブルには、
頭を抱えており、これの改善を目指して、というように
取り組みの目的と効果、計画をきちんと伝えることで、
協力を得られているとのこと。
続いて、親、特に他児童の親。
日本では、一部、ASD の子が、クラスで騒いだり、授業を中断するようなことが
あることについて我が子の勉強が遅れると言うような苦情を言う方がいらっしゃいますが、
これについて。
オーストラリアでは、子どもが、いろんな場面で、いろんな人と、いろんな内容の活動に
参加すると言うことに積極的な考え方があるらしく、
なので、小グループ抽出で、数学の勉強にもなるような、
実際にやってみよう!的な活動は、受け入れられやすいようです。
で、カミングアウトについては、ケースバイケースとのことですが、
こういった抽出活動をすることに、
必ず絡んでくる、ことではない状況の様子。
他の児童についても、小グループで、別の活動したり、
クラス単位というのが、あまり固定されていない感じで、
なんで、あの3人だけ、違うことやるん?みたいな疑問は生じにくいとのこと。
それはやりやすいですね〜。
まぁ、日本でも、もうちょっとどうにでもできるところはあるんじゃないかと思いますが、
一言目に、その問題が挙がってくると、
結局やりたくないんでしょ、って思っちゃいますね。
はい、と言うわけで、
なかなか勉強になりました。
行動マネージメントの専門家がいたり、
このAVT-ASD もそうですけど、
やはり、きちんとした専門的なアプローチがなされることが必要ですね。
自閉症というスペシャルニーズがあることにきちんと対応しなければ、
って言ったら、人(個)より先に障害名を見てる、なんていう人もいますが、
両方必要ですね。
例えば、医者が、個を見る、ことと、医学的専門的視点からの治療とを、
どっちか一つでやったら、ダメですもんね。
今日の1枚。
写真:みんなで正三角形を作ろう!!トレバーダメ出し中。
帽子がかわいいな〜、オーストラリアだな〜。
自然保護エリアの監視員みたいだけどね(笑)
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