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 18日の朝日新聞の「この人に聞きたい 安倍新体制」というコーナーで、安倍ブレーンの1人とされる高崎経済大学の八木秀次教授のインタビュー記事が掲載されています。以下、その抜粋です。

―安倍首相は就任前と発言が随分変わりました。ブレーンとして、どう感じますか。
「戸惑っている。首相は村山談話に象徴される自虐史観や戦後体制からの脱却を主張し、保守の人々の期待を背負っていた。政府が積み重ねてきた路線を変更できずに苦しんでいると思う。」

―首相は「村山談話」について「私を含めて政府として受け継いでいる」と語りました。
「「私を含めて」という表現が個人としても談話を継承したと受け取られた。だが、首相は「首相たる私を含めて」という意味で発言したのであり、個人の持論を変えたわけではないと信じている。表現がつたなかった。」

―靖国参拝についての発言はどうですか。
「日中首脳会談での「適切に対処する」という首相発言を中国側は「参拝しない」と理解し、宣伝している。仮に首相が来年秋に参拝したら、中国は「友好を壊したのは安倍首相」と主張するだろう。外交カードを1枚、渡してきたに等しい。」

―首相持論の「主張する外交」ではないと。
「中国側に東シナ海のガス田開発問題などで主張した形跡がないし、抗日記念館の展示に注文をつけたわけではない。腰が引けている印象だ。」

―教育再生会議の人選はどうですか。
「文科省が裏で日教組とがっちり手を組む教育界の「55年体制」が続き、教育の荒廃を招いた。首相の教育再生はこれを壊すのが目的だと理解していた。だが、文科省に批判的な人物はメンバーになっていない。官邸主導というふれこみだったのに、極めて不安だ。」

―「安倍カラー」の封印ということですか。
「作家の大江健三郎氏が「あいまいな日本の私」という演説をした。首相が掲げた「美しい国」の反対概念は「あいまいな国」。何を考えているか分からないような日本から、主張のはっきりした国への転換。首相の著書「美しい国へ」にはそういう意味が込められていた。しかし、今の首相の姿勢自体があいまいだ。」

―これまで首相を支持してきた保守論壇の対応は変わりますか。
「しばし見守りたい。しかし、本当に考え方が変わったのか。事情を説明して欲しい。その説明がなければ、これまでのコアな支持層は首相に対して最も厳しい批判勢力に転ずる可能性がある。」
(2006.10.18朝日新聞)

 最後の「これまでのコアな支持層は首相に対して最も厳しい批判勢力に転ずる可能性がある」という発言は半ば「脅し」のようにも聞こえ、ここら辺りが保守本流の人たちが誤解されやすい要因の1つのようにも思いますが、まぁ確かに、以前からの安倍氏のブレーンだった人たちからすると、安倍氏の総理になってからの発言は大いに不満足でしょうし、保守にシンパシーを持つ者として、その気持ちは個人的にはよく理解できます。

 ただ、安倍総理が総理になる以前からの考え方をそのまま総理の立場でも全く変えずに発言をしていたらどうなっていたでしょうか。おそらく、安倍総理は就任早々の国会審議で立ち往生し、安倍政権は船出早々に野党からの攻撃に遭い、躓いていたに違いありません。

 その典型が、以前から本ブログでも紹介してきている集団的自衛権の問題です。安倍総理がブレーンの意をそのまま受け、憲法解釈を変更することにより集団的自衛権を認めることに固執していたとしたら、安倍総理は野党から従来の政府解釈との矛盾点を突かれ、あっという間に国会審議はストップしていたことでしょう。
 靖国参拝の問題についても、総理に就任しても参拝することを明言していたとすれば、日中・日韓関係の改善にはなんら進展がなかったでしょう(私は以前からこのブログでも述べているように、総理が靖国参拝すること自体賛成であり、安倍総理の靖国参拝に対するいわば「あいまい戦略」は大変賢い選択であったと思ってます。これ以外のよい解決策はあまり思いつきません。)。

 つまり、安倍総理はその姿勢をうまく路線転換したからこそ、今日、いまだ大きな失点を残しておらず、安定政権への道を歩みつつあるのだといえます。

 以前の記事「安倍総理がブレーンとの距離を取り始めた!?」でも述べたとおり、おそらく安倍総理もあえてブレーンとの距離を取り始めているような感じを大変受けます。これ以上露骨にブレーンを官邸に登用したりすることはないのではないかという印象を受けます。

 こうした姿勢の転換は、安倍総理が長期安定政権を目指す上で避けて通れない道なのではなかったかと思います。

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