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大波(将来への大きな期待)と小波(短期の少利狙い)の波間に株価は揺れている

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大きな戦略を議論しよう (日本経済新聞 2007/01/15(月))
客員コラムニスト 田勢康弘

初めから断言する。2007年は動乱の年になる。世界の秩序を形作っているさまざまなプレートが大きくずれ、予想もできないことが起こるだろう。日本だけが波風を受けず、安穏としていられる、などということがあるはずがない。小さな議論にばかり精力を使い果たすのではなく、動乱の中でどう生きてゆくのかという大きな戦略を考えなければならない。

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世界の主要国の政治指導者がこれから二年ほどの間に続々と交代する。ブッシュ米大統領を含めて、イラク戦争当時の指導者はすべて姿を消すことになる。英国はブレア首相が夏には退陣するのではないかとみられる。十年続いたブレア時代の終焉(しゅうえん)は、同じ労働党のブラウン財務相が後継者になるにしても、英国の存在感が変わることは確かだ。

シラク大統領の後継者を選出するフランスの大統領選挙はことしの4月から5月にかけて行われる。いまの状況では社会党のロワイヤル元環境相の人気が高く、初の女性大統領が誕生する可能性もある。仮に米国でヒラリー・クリントン上院議員が大統領になったりすれば、ドイツのメルケル首相を含めて、米、独、仏で女性の政治指導者がそろうという前代未聞のことになる。あくまでも可能性の範囲の話にすぎないが。

ロシアは08年3月、米国は同年11月に大統領選挙が行われる。ともに三選が禁止されているため、国内での支持率が高いプーチン氏でさえ、憲法を変えない限り、退陣せざるを得ない。米国の大統領選の行方はいかなる国にとっても最大の関心事であるが、それよりも重要なのは、イラク政策の失敗を認めざるを得なかったブッシュ大統領が、国内外での求心力を欠いたまま、いかにして「唯一の超大国の指導者」の座でこれから二年弱を過ごすのか、ということである。

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世界の警察官ともいろべき米国の力の空白は、それ自体が大きな動乱の要因である。イラクヘの米軍2万2000人増派を発表したブッシュ大統領の表情は、言葉の強さとは逆に、弱々しかった。「イラク新政策」と銘打っているものの、展望を切り開くことのできない苦しさを露呈したにすぎない。この新政策をほとんど唯一支持している国が日本である。ブッシュ政権のアジア政策を担当していたことのある人物は「大統領選で民主党が勝ったときのことを日本は少し考えておいたほうがいい」と忠告しているが、戦略を思いめぐらせた上での日本の対米追随とも思えない。

北朝鮮もどう出てくるのか予想もつかない。ラウンドテーブルでの話し合いで決着するとはとても思えないが、それ以外での軟着陸も思いつかない。さらなる核実験に踏み切るのか、あるいは自滅の道をさらに進むのか。北朝鮮が唯一の交渉相手としている米国に力の空白が生ずれば、北朝鮮の出方は、どちらへはねるか予測のつかないラグビーボールのようで、押さえ込むのが難しくなる。

年末には韓国で大統領選がある。盧武鉱(ノ・ムヒョン)大統領の退陣は、悪化一方の日本や米国との関係を変えることになるだろう。北朝鮮問題への影響は死活的だが、韓国の大統領交代まで北朝鮮の状況がいまのまま続くのかどうか、だれにもわからない。大統領交代のたびに路線が大きく変わる国柄なので、北朝鮮の核問題を抱えた朝鮮半島は、ことし、世界がもっとも注目する地域となる。

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日本もまた、選挙の年である。橋本龍太郎氏のように過去何人かの首相は参院選の敗北の責任を取って退陣した。4月に統一地方選、七月に参院選が行われるわが国でも自民党が惨敗したりすれば、首相交代も可能性としてはあり得る話だ。統一地方選と参院選が重なるのは12年ごとの亥(い)年でことしがそれにあたるが、自民党は亥年の参院選で強くない。

安倍晋三内閣はかなりの成果を上げていると思う。日中関係は劇的に改善したし、国内的にいえば、教育基本法改正、防衛省昇格など懸案を処理した。加えて復党組を含めると衆議院で300議席を超えるほどの安定政権である。にもかかわらず、人気は低迷し、何やらよからぬ話ばかり明るみに出る。「お友達内閣」といわれるように人間関係重視の人事のツケが回ってきたのだろう。

安倍首相を支える態勢がひ弱で、裏方に徹する人材がいない。自信がないと人間は高飛車に出たりするものだが、そういろことが重なって、周りにいる人々の評判の悪さが首相の不人気に結びついているようなところがある。小泉官邸との大きな違いは、首相とそれぞれの人びととの縦のつながりはあるが、横の連携がほとんどないように見えることである。

地球温暖化で1年の平均気温が史上最高になる動乱の年に、日本はこれからどう生きていくのか。今日、明日の身近な問題も大事だが、5年、10年先を見据えた議論はもっと大事だ。憲法改正の技術論よりも、大きな戦略の議論をしようじゃないか。


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