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巨大クラゲ大発生のナゾを追う広島大教授 (朝日新聞 2007/01/21(日))
大きなものは体重200キロというから大相撲の力士級だ。日本の沿岸に押し寄せ、漁業被害を起こすエチゼンクラゲ。太平洋に流れ込む群れを追い、この冬も岩手県沖で捕獲調査をした。
発生海域は中国近海。昨夏、日中を結ぶフェリーからの目視調査を開始した。今年は4月から集中的に調べる。「データを蓄積すれば、早い時期にクラゲ被害の予報を出せるようになります」
もともとは体長1〜2ミリの小さなプランクトンが専門。「網に入り込むクラゲをなんとかして」という漁師の声を受けて、エチゼンクラゲ研究を本格的に始めた。
03年に、世界初の人工繁殖に成功。広島大での水槽実験で、若いクラゲは体重が1日に15%も増えることが分かった。05年には、対馬海峡から1日に3億〜5億匹が日本海に流入したことをつかんだ。
「被害が目立つ割に、生態にはナゾが多い。詳しい発生場所も特定はこれからです」大発生はかつて数十年に1回程度だったが、02年以降はほぼ毎年。海洋汚染や温暖化の影が見え隠れする。特に、魚の乱獲や富栄養化で生態系のバランスが崩れた海域では、クラゲの異常発生が世界共通の現象となっている。
「クラゲは何も言わない。でも、私たちに海からの警告を伝えようとしている。人類が今の生活の仕方を改めないと、大変なことになると」
文 山本智之
写真 江口和裕
【参考資料】
(1)死の海を生き返らせる:
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0702/deadsea.html?PHPSESSID=aea886c3369580118f4bdb1cd1548303
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