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もう、ジャケットを見た瞬間だけで違和感満載。なんせ、あのボブディランが、青空の下で爽やかな表情をして笑いかけているのだから。こんなディランは見たこと無い。そして、いざ肝心の内容を聴いてみると、思わず自分はディランの作品を買ったのかと問いかけることとなるだろう。まず、1曲目で、ディランなのかと目を疑うような透き通った歌声が聴こえる。そして、その後ディランではない声が聴こえてくる。あの、ジョニー・キャッシュである。こうして、何が起こったのかわからないまま2曲目はまさかのインストゥメンタル。3曲目からようやく本格的に始まるのだが、ディランの声は終始井上陽水みたいで、違和感だらけ。まあ、曲自体の劣化は見られないから、星4つにした。
①Girl From The North Country 前述の通り、これはカントリーの言わずとしれた大物、ジョニー・キャッシュとの奇跡のデュエット。なのだが、これは1963年のディランの作品、「The Freewheelin' Bob Dylan」に収録されていたのと同じ曲である。つまり、セルフカヴァー。こちらのヴァージョンでは、ゆったりとしたカントリーが聴ける。前作までのディランを考えなければ普通にいい曲。 ②Nashville Skyline Rag これも、前述の通りで、表題曲のクセしてインストゥメンタルという、ディラン得意のひねくれ方。まあ、インストだが、その出来はなかなかのもので、軽快なビートに乗って、同じく軽快なハーモニカが吹かれる。途中からはハーモニカに変わって、素晴らしいピアノの演奏もある。なにか、田舎のハイウェイを颯爽と走っている映画のワンシーンを思い出させる。 ③To Be Alone With You ジャジーなピアノの演奏と不思議なギターに乗って、ディランと思われる美しい声が流れる。先入観なしに聴いたら、素晴らしいブルースだと思うし、最高にかっこいいよ。でもね…(笑)。まあ、僕は好きだね。 ④I Threw It All Away イントロは短調で、寂しげだが、始まると極上カントリーになる。ディランのだみ声の名残はこれっぽっちも無いが、逆にその美声が、この曲調にマッチしていて、いい歌になっていると思う。 ⑤Peggy Day こちらも、ギターがフニャフニャで、力が抜けてくる極上カントリー。全体的に、人のやる気を抜けさせるメロディで、出勤前には聴きたくない歌。最後の方には曲調が一転、ディランの美声が初めて張り上げる。 ⑥Lay Lady Lay この曲は、ディランの反対を押し切って、レコード会社がシングルカットさせたところ全米7位まで上昇したハイライトナンバー。「Lay Lady Lay」と繰り返される、甘い誘惑は今までのディランの歌声では表現できないと思う。声は変わったとしても、ここまでいい曲が並んでいる。 ⑦One More Night カントリー調のアコギに乗って、またもや素晴らしいカントリーが聴こえてくる。ちょくちょく入るギタープレイも聴きものだ。コーラス部分では、ディランの美声が存分に引き出されていて、今までに無い感触の曲となっている。 ⑧Tell Me That It Isn't True のどかなギターとオルガンが響いて、こちらも甘く優しい曲になっている。井上陽水ボイスにも段々慣れてきて、心地よくなってきた。「このアルバムを作っているのはディランじゃない」って言われたら、もっと好きになれたのにな。 ⑨Country Pie ジャジーなピアノと弾むベースが最高に気持ちいい。ディランのヴォーカルもこのアルバムでは頑張っている部類。ギターソロも素晴らしいが、やはり何と言っても、起伏が激しすぎるバックの豪快なピアノだろう。尺がたったの1分30秒で、もう少し聴いていたい気もするが…。 ⑩Tonight I'll Be Staying Here With You 最後を飾るのは、前作の終曲「I'll Be Your Baby Tonight」同様の、夢の世界に誘われる最高のカントリー。ディランも、美声に磨きをかけ、最高に甘いヴォーカルを聴かせてくれる。きっと、これが本来のディランの声なんだろう。次作「Self Portrait」では美声と悪声の1人2重コーラスも収録されている。 〈このアルバムでいいと思ったトラック〉 ③To Be Alone With You ④I Threw It All Away ⑥Lay Lady Lay ⑩Tonight I'll Be Staying Here With You 〈視聴どうぞ〉 http://grooveshark.com/#!/album/1969+Nashville+Skyline/5335321 |

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genteelさん
TBありがとうございます
[ thiwrodi ]
2015/1/12(月) 午後 9:57