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いつの頃からか、子どもたちからの私への「母の日」と「誕生日」のプレゼントは、「私からのリクエスト本」になっていて、これは息子からのプレゼント。
およそ、光溢れる五月に読むにはふさわしくない装丁の、内容もかなりヘビーな本でした。
英雄の書 上・下 宮部みゆき・著 毎日新聞社
いつものように平凡で眠い午後の授業を受けていた小学五年生の友里子が、担任に「すぐ、帰る支度をしなさい」と告げられる導入部から、
「お兄ちゃんが学校でお昼休みに」
「友達と喧嘩して」
「友達に怪我をさせてしまって」
「学校から逃げ出しちゃったの」
という母親のセリフまでの展開で、がっちり「つかみはOK」。
友里子にとっての「英雄」だった中学二年のお兄ちゃん=大樹に刺された級友は二人。
そのうち一人はほぼ即死だったという事実はあまりにも重いけれど。
「謎を残し、いなくなってしまった肉親」を追う主人公…という展開を宮部みゆきに書かせたら右に出るものはいない。
その後、大樹の本棚にあった古い本が、友里子に「話しかけて」くるところからは、かなりファンタジー色が強くなってしまったけれど、筆力がとにかくすごいので、なんだかんだ700ページを二日間で読んでしまった。
一気に読み終わって、実は消化不良をおこしているところ(^^;
冒頭で大樹に刺されて亡くなった級友の命の重みが、700ページに及ぶ「壮大なファンタジー」という世界観の中で、「起こるべくして起こる事象」になってしまった。これは頂けないなあ。
このことひとつだけで、私にとってこの物語は「失敗作」でさえあると言える。
とはいえ、主人公の友里子=ユーリ(印を戴く者)、アジェ(辞書)、アッシュ(狩人)というパーティの人物描写は、いつものことながらすごく魅力的。
アジェは人物じゃなくて本だけれど。本に人格を与えるなんてなかなか素敵な思いつきだよなあ。
もう少し世界観を整理して、シリーズ化してくれたらやっぱり読んでしまうんだろうな。
…などと呟きながら、ふと、やたら暗い表紙カバーをはずしてみたら、画像下のような、比較的明るい装丁が出てきた。
今回のプレゼントには、たぶん10年ぶりくらいだろう、息子からの感謝の言葉を書いた「カード」がついていた。カンガルーちゃんの。
嬉しかったので記念写真。感謝の心は、どんな闇に食いつぶされそうな心も変えられる。
…大樹にそれがわかっていたらなあ。って、それじゃあ「物語」は始まらないけどね。
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実は今年は何の本だろう??と待ってました^^
これまた読みたくなる本ですね!!
文庫本が出たら即読みます^^
のんちゃんの素敵なカードにポチ☆
こういうちょっとしたこととても嬉しいですね〜・・・。
2009/5/15(金) 午後 0:29
宮部みゆきさんの「筆力」に浸りたい。。。
2日で読破のお気持ち、よくわかります!!ふふふ、同じ匂い(笑)
読んでみますね!!
2009/5/15(金) 午後 1:17
ふむふむ、それはまたさびしい物語の設定でしたね。死を殺意をテーマにする勇気に、しかし、作者の強い意志を感じます。そして、それを母の日のプレゼントにするほどの面白さが、息子さんにも判っていたのでしょう。
2009/5/16(土) 午後 4:31
そうか、母の日のプレゼント、本という手?もあるんですね。毎年何を買っていいのかわからず酒とかでごまかしてますが、来年から一考してみます。
2009/5/17(日) 午前 11:45
まりりんさん。
勝手きままな書評なので、あんまり参考にならないかもしれません。
実は最近読んでるのは絲山秋子さんというマイナーな作家で(でも芥川賞作家)この人も今のところお薦めする…て感じではないんですが、お薦めできそうな作品に当たったらご紹介しますね。
カード、嬉しかったです。小学生の時以来じゃないかな〜。
2009/5/17(日) 午後 5:42
キムラーさん。
宮部の筆力…圧倒的だったのは確かです。宮部作品は「日暮し」上中下をつん読にしてあったんですが、なぜかこちらを先に読んでしまいました。「火車」の匂いがしたんですが…違うものでした(^^;
2009/5/17(日) 午後 5:47
冬樹さん。
宮部さんはミステリーというジャンルの作家になると思うんですが、人ひとりの命の重さと、そしてそれが失われる意味、としっかり対峙するところが好きなんです。
今回の本は+ファンタジーなので、このあと子どもたちが回し読みすることになると思います(*^_^*)
2009/5/17(日) 午後 5:50
bsさま。
私もまだまだ義母のプレゼントは悩んでますが、実家の母とは、「美味しいものを、郵送ではなく持参する」ということに取り決めていますので悩まなくてすみます。今回は「俳句を始めてみたい」なんていうものですから、NHKの俳句雑誌もおまけです。
実際母の立場でいうと、本当に「気持ち」だけが嬉しいものです、「品物」はホントいうと特にいらない、という感じです。
2009/5/17(日) 午後 5:58
このごろ実は本が読めなくてねえ、、。
生活の様々に追われてあたふたしています。
昔はずい分読んだのだけど、、、。
宮部みゆきってのは売れっ子作家のようですね、。
2009/5/17(日) 午後 11:31 [ ろっぺい ]
内緒さま。
ケータイからの更新もできるんですけどね〜(^^;
2009/5/18(月) 午前 10:12
ろっぺいさん。
私は逆に時間があるときは読まない感じです。
忙しくて、読書どころではないよ!というような精神状態の時に、書物によりどころを求めるというか…
あとが大変なんですけどね。
宮部さんは「売れっ子」なのが納得できる、数少ない作家さんです。時代物とかもすごくいいですよ〜。
2009/5/18(月) 午前 10:15