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亜硝酸アミル

 まず、卒業式のことは、8時間くらいのことを書くことになるので、今日みたいに疲れている日にはこたえます。だから、今日も勘弁してください。
 さて、今日は予定ではヒドラジンを作るつもりでしたが、
1.超有毒
2.爆発性がある
3.使い道を考えていない
4.辞書に書いてある製法が大雑把でわからない
という理由でやめました。
 代わりに、亜硝酸アミル(亜硝酸イソアミル)を作ることにしました。シアン化物(青酸カリなど)の解毒剤です。調べてみると、作り方そのものは結構簡単で、薬品も用意できるものばかりで、できそうだったのでやってみることにしました。もし出来たものを置いておけば、万が一の時にも対応できるんじゃないかというちょっと甘い考えとかもあったんで、興味があったんです。では、進め方を写真と共にどうぞ。
 まず、亜硝酸ナトリウムに硝酸を加えて、三酸化二窒素(無水亜硝酸)を発生させます。それを集気びんに集めたものがこちら。
イメージ 1
二酸化窒素と同じく赤褐色の気体なので、最初は本当に三酸化二窒素なのか不安でした。これに、イソプロピルアルコールを入れて、振り、無水亜硝酸と反応させます。その後、イソプロピルアルコールは別の容器に移して、もう一回集気びんに三酸化二窒素を集めてさっきのイソプロピルアルコールと反応させます。この一連の操作を何回か繰り返したのがこちら。
イメージ 2
元々、イソプロピルアルコールは無色透明なのですが、これは淡黄色になっているのが分かるでしょうか。これこそが、亜硝酸アミルの色だ、そう思いました。亜硝酸アミルは水に溶けず、イソプロピルアルコールは水にとけるだろう、そう思って亜硝酸アミルを水で抽出してみようとしました。しかし、結果はこれです。
イメージ 3
結局、みんな水に溶けて何が何だか分からなくなりました。というわけで、抽出に失敗して、今日の亜硝酸アミルは全て駄目になりました。たぶん、水に溶けるアルコールに、亜硝酸アミルが溶けてしまったんですね。アルコールが橋渡しして水に亜硝酸アミルを溶かしちゃったんだと思います。でも、あの赤褐色の気体が三酸化二窒素でなかったら、この実験は成り立ちません。しかし、その心配はありませんでした。その証拠がこちら。
イメージ 4
白い亜硝酸ナトリウムの結晶の一部が青くなっているのが分かりますか。これは亜硝酸です。この赤褐色の気体が二酸化窒素なら、亜硝酸など出来ませんから、これは三酸化二窒素だというわけです。この気体、結構おもしろいです。塩酸に通すと、王水の成分の1つである塩化ニトロシルが生成します。あんな最凶の液体の成分の1つが塩酸に気体を通したら出来ちゃうなんて面白くありませんか。
 そんな傍ら、中1やアジピン酸はこんなことをやってました。
イメージ 5
さんずいの付く漢字をひたすら書きだしてます。よくここまでやったもんです。
イメージ 6
18日にある柔道大会に出場するギ酸を応援している絵らしいです。本人にとってはプレッシャーになってありがた迷惑では?
 最後にこちらをどうぞ。それでは、今日はこの辺で。
CHEMISTORY#22#
 「でも、その会議場に行くための試練ってなんですか。見た感じ、会議場はおろか、建物1つもありませんけど。」
と十は訊いた。九十九教授は、
「それなら心配には及ばないよ。会議場があるこの世界の中心地まではさすがに行けないんだけど、その周辺までなら、ここからひとっ飛びだから。」
と答えた。
「でも、電車や飛行機は1つも通ってませんし、車も見当たりません。ましてやひとっ飛びなんて不可能ではないですか。」
と二先輩が九十九教授に訊いた。
「確かに、僕たちの世界ではそうなんだが、こっちの科学技術はすごいからね。君たちがここに来たのと同じ方法で、ワープができるようになってるんだ。だから、車なんてこっちの世界では大昔の乗り物なんだ。ワープの装置ならそっちにあるよ。」
そう言って九十九教授が指した先にはオアシスの中にあるには不釣り合いすぎる、金属製の無機質なドアがあった。
「そこを開けたら、中心地の周辺までは行けるようにセットしてあるよ。」
九十九教授はそう付け加えた。
「なんかどこでもドアみたい。」
僕はそうつぶやいてしまった。そして、九十九教授はドアを開けて中に入って行った。僕たちは一瞬ためらった。また、得体のしれない世界に飛ばされるかも知れなかったから。しかし、5人でうなずき合って、決心して、僕たちはドアの中へ踏み込んだ。出た先には、煙突が森のようにたくさんそびえ立っている。どうやらここは工業都市のようだ。そして、煙突の森のはるか先には青い球状の物体に守られ輝いているこの世界の中心部と思しき場所があった。あそこが僕たちの目指している場所なのだろうか。そう思うと、恐怖からだろうか、街の青い輝きはどこか妖しかった。
 
#23#に続く

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亜硝酸アミルは相当危険な物質ですから、くれぐれも気を付けてください。経験者か化学の先生にご相談ください。情報としては、

http://www.qlife.jp/meds/rx15719.html

亜硝酸アミルをつくるのでしたら、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)ではなくて、アミルアルコールですよね。

イソプロピルアルコールを用いると、亜硝酸イソプロピルができます。亜硝酸イソプロピルは非常に揮発性が高く(沸点:39℃)で、室温における蒸気圧が高いので亜硝酸アミルよりもはるかに危険です。蒸気を直接多量に吸うと救急車を呼ばなければならなくなりますし、きわめて引火性が強く、発火・爆発の危険があります。

2R-OH + N2O3 → 2R-ONO + H2O

の反応は容易に起こりますから、実験するのでしたら、経験者の指導のもとにごく少量で行ってくださいませ。

なお、亜硝酸イソプロピルは非常に揮発性が高いので、少量を単離(純粋な形で取り出すこと)するには、特別な装置と実験経験が必要です。

2011/2/13(日) 午前 0:55 [ しきちゃん ] 返信する

ちょっと一休みさせてね。

世界一のサーカスを見ててね♪

http://blogs.yahoo.co.jp/shikichan777/7897809.html

2011/2/13(日) 午前 1:01 [ しきちゃん ] 返信する

はあい、しきちゃんです。ちょっとコメント

1)写真1について

>二酸化窒素と同じく赤褐色の気体なので、最初は本当に三酸化二窒素なのか不安でした。

赤褐色は二酸化窒素NO2の色です。実験で発生した三酸化二窒素N2O3は室温ではほとんどが直ちに二酸化窒素NO2と一酸化窒素NOに分解してしまっていおり、N2O3の状態のままで存在しているのはごく一部です。

N2O3 → NO2 + NO

しかし、この反応(正反応)の逆反応

NO2 + NO → N2O3

も非常に速い反応です。(正反応に比べれば遅いですけど)

このように正方向にも逆方向にも起こる反応を可逆反応といいます。そして温度と圧力が一定ならば、N2O3とNO2とNOが一定の割合で存在するような状態になります。このような状態を平衡状態といい、混合物を平衡混合物といいます。

2011/2/13(日) 午前 1:27 [ しきちゃん ] 返信する

実験で発生した気体は3種類の気体の平衡混合物ですが、この中に含まれるN2O3の割合はわずかです。しかし、この混合気体をアルコールと反応させて、混合物中のN2O3の濃度が減少すると、逆反応

NO2 + NO → N2O3

が起こってN2O3ができてきますから、平衡混合物中のN2O3の濃度が小さくても、すべてN2O3であるのと同じように反応します。

ちょっとたとえは悪いかも知れませんが、大きい水槽と小さい水槽を底の部分で管で連結して水を入れれば、水面の高さが同じになりますよね。

水の大部分は大きい水槽に存在し、小さい水槽の中にはわずかしか水はありませんけど、小さい水槽の水を取り除くと、大きい水槽から水が小さい水槽へ流入しますから、小さい水槽からすべての水を取り出すことができるのと似たようなものです。

2011/2/13(日) 午前 1:27 [ しきちゃん ] 返信する

2)実験操作について

N2O3を発生させるのでしたら、ふたまた試験管がいいと思います。捕集びんの体積と圧力(ふつうは1気圧=1013hPa)、温度から気体の物質量(モル数)を計算してみて、どれぐらいの亜硝酸ナトリウムが必要か計算してみてください。(すべての気体がNO2とNOになっていると考えて計算してもそれほど誤差はないと思います)。

ちょっと中学生には難しすぎるかな^^

ふたまた試験管で気体を発生させて、最初に発生する気体を捨て捕集ビンに気体を導入させるとともに、ある程度は褐色の気体(平衡混合物)をあふれさせる必要があると思います。なぜなら、空気が存在するとN2O3はNO2になってしまうからです。

2N2O3 + O2 → 4NO2

ですから、捕集するときに捕集ビンの中に空気中の酸素がたくさん残っているとN2O3が酸化されて減ってしまいます。

2011/2/13(日) 午前 1:47 [ しきちゃん ] 返信する

3)写真2について

写真の液体がすべてイソプロピルアルコールでしたら、量が多すぎると思います。物質量を計算してみてはいかがでしょうか。ちょっと難しいですけど。おそらく用いたアルコールの1万分の1ぐらいで十分ではないかと思います。

亜硝酸イソプロピルは非常に危険な物質ですし揮発性が高いですから試験管でごく少量作ることを考えたほうがいいと思います。

非常に大雑把ですけど、写真2の液体の大部分がイソプロピルアルコールで、その中の0.1%ぐらいが亜硝酸イソプロピルになっているのではないかと思います。

イソプロピルアルコールのにおいはかなり強いですから、亜硝酸イソプロピルの存在はにおいではわからないと思います。また亜硝酸イソプロピルは無色です。色がついているのは、イソプロピルアルコールにNO2が溶け込んでいるためではないかと思われます。

2011/2/13(日) 午前 1:52 [ しきちゃん ] 返信する

4)写真3について

亜硝酸イソプロピルは水と自由に混合しないと思いますが、かなり水に溶ける物質だと思います(調べていないので感じで書いています)。

一方、イソプロピルアルコールは自由に水に混ざりますから、水を加えれば全部が均一な溶液になってしまうでしょう。

濃度が非常に小さい亜硝酸イソプロピルのイソプロピルアルコール溶液から亜硝酸イソプロピルを抽出によって取り出すことはできないと思います。

亜硝酸イソプロピルの沸点(39℃)はイソプロピルアルコール(82℃)よりもずっと低い(分子間で水素結合をつくらないから)ので、分留(分別蒸留)によって分離することは可能だと思います。

しかし、先ほど述べましたように、亜硝酸イソプロピルは非常に危険な物質ですから、作るとすれば、最初のイソプロピルアルコールの量を試験管に数滴ぐらいにして実験をやったほうがいいと思います。(それでも蒸気を直接吸い込むことは危険です)

2011/2/13(日) 午前 2:04 [ しきちゃん ] 返信する

>水に溶けるアルコールに、亜硝酸アミルが溶けてしまったんですね。

そのとおりだと思います。

>アルコールが橋渡しして水に亜硝酸アミルを溶かしちゃったんだと思います。

非常にいい考察ですね。このような思考ができるところがすばらしいと思います。

>でも、あの赤褐色の気体が三酸化二窒素でなかったら、この実験は成り立ちません。

これは先に説明しました。NO2とNOの混合物が大部分でも大丈夫です。

先ほど書き忘れましたけど、このほかに考察しなければならないことは、HNO2は不安定で分解しやすいということです。

3HNO2 → 2HNO3 + H2O

また、NO2も水とゆっくり反応していきます。

2NO2 + H2O → HNO3 + HNO2

ここでできHNO2はさらに分解しますから、結局HNO3とNOになってしまいます。

2011/2/13(日) 午前 2:25 [ しきちゃん ] 返信する

ですから反応では亜硝酸エステルだけでなくて硝酸エステルも副生します。硝酸エステルは爆発性が非常に強いですから多量に作るのは危険です。

それから、亜硝酸エステルを作る反応は水がなくても起こります(むしろないほうがいいです)。つまりアルコールをR-OHで表すと

2R-OH + N2O3 → 2R-ONO + H2O

の反応です。この反応が水とN2O3から亜硝酸HNO2ができる反応と同じだという点を見てください。水はH-O-H、亜硝酸はH-ONOと表すこともできますよね。そうすると、

2H-O-H + N2O3 → 2H-ONO + H2O

となりますね。アルコールと比較するとRとHの違いだけでしょう。上の化学反応式の両辺からH2Oを消去して書き換えると

H2O + N2O3 → 2HNO2

という普通の化学反応式になりますよね^^

2011/2/13(日) 午前 2:38 [ しきちゃん ] 返信する

5)写真4と考察について

良く調べて勉強していますね。驚いています。

王水中にNOClがあることもよくご存じですね。でもNOCl自体は酸化作用はそれほど強くなくて王水における金属を溶かす原因ではありません。王水が金や白金を溶かすのは、王水自体が濃硝酸よりも酸化作用が強いからではなくて、塩素と塩酸の作用によって金や白金がとけやすくなる(錯イオンをつくるため)ためです。

実験室に金箔があるのでしたら、塩素水(臭素水でもいいです)を試験管にとって金箔を入れてみるとすぐ溶けてしまうことがわかります。

塩酸は金や白金を[AuCl4]-や[PtCl6]2-のようなイオン(錯イオン)にして溶かしやすくする働きをしているわけです。

シュウさん、おつかれさまでした。

じゃぁ、またね♪

2011/2/13(日) 午前 2:56 [ しきちゃん ] 返信する

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1つの記事にこんなにも丁寧なコメントを書いてくださりありがとうございました。
そもそも材料に根本的なミスがあったことに気づくべきでしたね。今思えば、何で間違えたんだろうと不思議にさえ思っています。
それから、三酸化二窒素の分解はゆっくりとした不可逆反応だと思っていましたが、可逆反応だったんですね。だから、仮に瓶の中のほとんどの気体が二酸化窒素と一酸化窒素でも、少し三酸化二窒素があれば、それが反応して三酸化二窒素の濃度が低くなったときに、その減少を打ち消そうとして、三酸化二窒素が増え、あたかも全ての気体が三酸化二窒素のようにふるまうんですね。
王水に関する説明も大変為になりました。そういえば、金はヨードチンキに溶けるって言いますもんね。しかし、うちの薬品庫に金箔はないですね。あったらいろんな実験ができるんですけどね。
by シュウ酸

2011/2/14(月) 午後 6:04 [ ばけぶ ] 返信する

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