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ろくろの代わりに自分が陶土の周囲を回って作り上げる素焼きの鍋や灰皿。
まずご挨拶に向かうのがここのおばあさん、一番の長老です。
私と同年齢でおばあさんとは失礼とは分かっていますが、このエリアの人たちもそう呼びますから私も「バー」と呼ばせてもらっています。
この日も観客は私一人なのに、姿を見かけるや土鍋を作って見せてくれました。
もう一つ、おばあさんと呼ぶ理由があります。
この人、笑うと見える歯が赤黒いんです。
キン族を含む複数の民族では、結婚した女性がビンロウ(檳榔)の実を噛む風習があって、これが歯を赤黒く染めたのです。
日本のお歯黒に似ていて面白い風習ですが、ビンロウには疲労回復作用があるものの、覚醒作用があるとされて、今では一部の民族に黙認されているだけ。
それほど高地に住む女性たちの仕事が過酷だった裏返しかもしれません。
素焼きの灰皿が5千ドン(¥35)、2人前ほどのフタ付き土鍋2万ドンなどです。
逆に一番若いのがこの娘さん、クメールの流れを受け継いだ大きな黒い瞳が印象的な19歳、カラフルな幾何学模様の組紐作りをしています。
その昔、わが姉が熱中していた「リリアン」なるものを思い出しました。
髪を束ねたり、ブレスレッド代わりに使われるそうで、1本1万ドン。
ここで濃いお茶をいただくのが最近の習わしになっていて、この日持参した一口羊羹を前に、バンブーハウスは身振り手振りと変な発音のベトナム語で盛り上がりました。
昼時になって席を立とうとすると、おばあさんが「キー・ネム、キー・ネム」といって、全員横一列になりました。
記念写真を撮ろうということ、次回訪問時にはこの写真を人数分プリントして持ってくることになります。
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